MARUMUSHI

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『プライベートライアン』。

2004-05-20 22:03:07 | インポート
『プライベートライアン』を見ています。
この映画を初めて見たのは、寮生活をしていたときの寮での映画上映会でした。
この映画を見るのは、これで三度目になります。

凄い映画だと思います。
最初の30分程度の戦闘シーンは、特に凄いシーンです。
極端な言い方をすれば、ここだけ見ればこの映画は十分だと思います。この後の話とは切り離して考えてもさほど問題はありません。

不安と怯えに支配された表情をした兵士達からこの映画は始まります。
『これから、また戦場に行く』
おそらく、これまでの記憶が彼らの頭の中を支配しているのでしょう。
次の瞬間、一斉に機関銃掃射が始まります。
彼の隣、前、後の戦友たちが次々に死んでいきます。
彼は、好むと好まざるとにかかわらず、もう戦場にいるのです。

人がどんどん死んでいきます。この映画では、死体、または死体になりかけの人達が、(おそらく)真実に近い形で描かれています。死体を『これは死体なんだ』という形で描きます。
このような描写を、『残忍だ』という理由で子供たちに見せようとしない大人たちがいくらかいます。
俺は、そのような描写を見せるべきだと思います。
『戦争はしてはいけないことだ』と教えるだけではなく、実際の戦争に近い世界を見せることは、大事なことだと思います。

最後に、大塚英志という作家が原作を書いた『サイコ』という漫画のあとがきがから抜粋したものを書きます。
「少年まんが誌であるからこそ私は『死体』をビジュアル上の表現の根幹に置く原作を書くことにした。(中略)SFまんがで、地球上の何割かが死んだはずの出来事が描かれながら、たった一つの死体も描かれないというのがまんが表現に於ける<死>の描かれ方とすれば、<死>はやはり記号でしかない。」