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能登尚彦 weblog

思ったことを勝手気ままに書いています。

ユビキタス無線工学 前期定期試験

2006年07月20日 22時56分30秒 | ユビキタス無線工学
さて、今年も前半 受けていた ユビキタス無線工学の定期試験が今晩 大学で行われたことと思われます。

試験の内容ですが

1.インピーダンス整合回路の設計
  (集中定数回路のもの)

これは内容を知り得ませんので、今までリンクしていたpdfファイルの中からどれかが出題されたものと思います。

2.最近、金融機関などで使われはじめた生体認証のシステムについて取り込んでしまった後のデジタル情報が流出してしまった場合、また生体認証そのものがコピーされてしまった場合、ユーザー、顧客側ではこれを暗証番号のように変更することが不可能であること これを解決するためのアイディア
(これは実はかなり深刻な問題です。)

もしくは、併用して本人の確認が出来る方法

答えられるのは2番目の問題ですが だいぶ前に予告されていたのでいろいろ考えてみましたが 最終的に無難なのは

今までの暗証番号を併用して、かつ定期的にそれを変更することが一番無難なのではないかと思います。

これなら、バイオメトリクス認証の情報が流出しても本物か偽者かの判定は出来ますし、暗証番号が漏れてもバイオメトリクス認証が出来ないと預金を引き出すなどの行為は出来ません。

いずれにしてもどちらかに頼ってしまうこと自体に無理があるのではないかと思います。

つまらない答えかもしれませんが ボクにはこんな答えしか出ませんでした。

とてつもなく突飛で面白いプランを書いた人がいたら 内緒で教えてください。根日屋Dr.   

ユビキタス無線工学 第13回(最終回)

2006年07月14日 10時45分29秒 | ユビキタス無線工学
今年も無事 公開科目(前期)が終了しました。学生さんは来週 前期試験です。
根日屋先生 今年もありがとうございました。

あとで本upもしたいと思いますが、この講義を通じてお知り合いになった皆様もありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

来年、また この講義があるのであれば また出たいですね。

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今回の講義を通して教わったことは すべての電子回路のいきつくところはインピーダンス整合回路であるということです。

そして電池を持たないRFIDは受けた電波をエネルギーとして使用することが出来る電源再生回路を持っているということ

反射型RFIDはそのインピーダンスのミスマッチを逆手にとって通信をしていること

応答器は価格を抑えるためにもLやCという部品を載せることが出来ないため分布定数回路の考えかたを利用して、そのものが持っているアンテナの長さを調整して分布定数的に-jX や +jxを表してやって動く形をとっているということでした。

最後の20分ぐらいの講義の中でいままで、何故こんなにしつこく集中定数回路と分布定数回路の違いや考え方 インピーダンス整合の設計の仕方をやってきたのか
よくわかりました。

http://www.amplet.co.jp/tdu/8.pdf

最後に雑談の中で出てきた パワーアンプのプリディストーションの考え方です。(予め歪のある波形を入力する)
リニアリティのあるアンプが必要な場合A級増幅やB級増幅をする必要がありますが、これはとても効率が悪いのでなんとかC級増幅で綺麗なサイン波の出力が出ないかという話なのです。

今までのハードウェアの考え方では不可能なのですが、サイン波を入力して歪が発生するのならば逆にソフトウェア的に逆算した歪を持った形の波形のものを入力してやって増幅された信号が綺麗なサイン波の出力になるという考え方です。

話を聞いてみるとふむふむと思ってしまうのですが、今までそんなことは考えてみたこともありませんでした。でも、実現可能な状況は整いつつあるようです。

これは出来るととんでもない革命ですね。

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このお話を終えたあとの根日屋先生は 『やり終えたほっとした』 というお顔と 『さすがに』 疲れたぁ という2つのお顔をされていました。

来月はハムフェアでアマチュア無線家としてお会いしたいと思います

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この授業の定期試験の問題はとてもユニークな出題をされているのですが 試験が来週の木曜日なので 問題を公開することは出来ませんのでそれが終わりましたら
その問題とそれに関してのボクの考え方などを書きたいと思っています。
(というより頭に浮かばないのですけれど...)

ワイヤレスブロードバンド技術

2006年07月11日 11時41分37秒 | ユビキタス無線工学
電大の公開科目でお世話になっている根日屋・小川先生の新刊が発売されました。
早速 手にすることが出来ましたので 

今 読んでいますが 今回のこの本は技術書というより 読み物という形になっていますのでとても読みやすいですし、現状、今後の展望などがとてもわかりやすく書かれています。

特にアマチュア無線を430MHzをやっている方はちょっと気分がすかっとするようなページが1ページありますので読み飛ばさないでください。

http://www.tdupress.jp/cgi-bin/html.cgi?i=ISBN4-501-32530-5




ユビキタス無線工学 第12回 

2006年07月06日 22時50分36秒 | ユビキタス無線工学
きょうは、ユビキタス無線工学の12回目

電磁誘導のRFIDの話まで踏み込む予定でしたけれど、アンテナの話で時間が来てしまいました。

今回のサマリーは一番難しいかもしれませんね...

4アマの国家試験の無線工学の内容は実は難しいのですよ(ちゃんと理解して合格しようとすると) という世界です。

ここから本編とします↓
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んで...

ごめんなさい

出来ないのでpdfファイルを見てください
http://www.amplet.co.jp/tdu/7.pdf

先生から

>今回の授業は・・・アンテナの便利な式を
>知っていただくという内容でした。

というコメントをいただきました。

授業の中でこれは気をつけなければいけないと思ったことは、アンテナを設計する場合のビーム幅(指向性アンテナ)のことでした。

「アンテナの指向性とは放射電力、又は受信感度が最大となる点から左右に3dBのレベル低下が起こる時の角度で表しビーム幅ともいう」 というところです。

今 現在インターネット上ではいろいろなアンテナを設計する上でのフリーウェアのソフトがあるわけですが、この定義を誤って解釈して計算してしまっているソフトも中にはあるようです。

また、アンテナを設計する上で望まれることは

(1)小形
(2)広帯域
(3)利得(効率)が高い      ですが

どれをとっても他の2つは成り立たないということです。

また、小形アンテナと小型アンテナの違いですが

小形と書くときはアンテナ単体の大きさが小さいときを示し、アンテナをシステムと一緒の総体として考えたときに小型と書くということが、学会や研究所などでは慣例のようです。

いよいよ来週は最終回です。
ドラマみたいに15分枠拡大版になるでしょうか。

ユビキタス無線工学 第11回

2006年06月30日 10時55分01秒 | ユビキタス無線工学
今回はアンテナの話 全般でした。

本編↓
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終わりに近づくに従ってサマリーが書きづらくなって 記事が滞ってしまいすみません。

今回はアンテナは 『電気信号と空間のインターフェース』 であるというお話から始まりました。

また、不平衡型伝送と平衡型伝送の違い

アイソロトピックアンテナの話 それに対してダイポールアンテナは何故絶対利得が2.14dBなのかという説明

アンテナの利得は供給された高周波エネルギーを一定方向に偏らせて密度を高くすることによって見かけ上あるもので、アンテナそのものは決してアクティブな増幅を行うものではないこと。
(アンプを入れた状態というのは点波源のアンテナの高周波エネルギーそのものが大きくなること)

開口面を持つアンテナ(パラボラアンテナなど)

開口面を持たないアンテナ(八木アンテナなど) の違い

高周波には表皮効果という性質があるため、高い周波数で少しでも放射抵抗を少なくするためには表面を金メッキすることもあるというようなこと

のお話がありました。

今回の資料です。(アンテナ技術総論)
http://www.amplet.co.jp/tdu/7.pdf


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ここのところ D-STARをやっていて430MHzでもマルチパスの影響が多大にあってどうやって防げばいいのか、ずーっと考えていたのでアンテナの講義の間中考えていて ついには授業が終わったあと D-STARに関わることで先生を質問攻めにしてしまいました。(何せ、アンテナのことと大きく関係することなもんですから)

すみません。


ユビキタス無線工学 第10回 

2006年06月23日 13時39分37秒 | ユビキタス無線工学
今回はCDMAについて熱く語るというお話ですが、トレンドとしてはCDMAは過去のものになりつつあるという話になりました。

毎年、どんどん世の中の情勢が変わります。

仮UPです。(ここまで) ↓本編

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今回の講義は多元接続方式についての話となりました。

多元接続方式というものにも、いろいろありますが、今後システムの互換性やローミングなどのことを考えるためには必須の考え方であるということです。

また、今 携帯電話のCDMA(符号分割多元接続)はほぼ終わりを迎えようとしていて(実はそれではまだ電波の利用効率が悪い)今後はOFDM(直交分割多元接続)方式とSDMA(空間分割多元接続)のMIXのようなタイプのものにとって代わられようとしているようです。
(10年後はシングルキャリアの拡散方式は無くなっているかもしれません。)

今後、使われようとしているものとしては

基地局のアンテナの指向性を物理的に変化させるのではなく アンテナの指向性をソフトウェア無線の方式を用いてインテリジェントに振ってみる形になりそうです。

そういうアンテナを

アダプティブアンテナシステム と呼んだり アドバンストアンテナシステム 、アダプティブアンテナアレイ と言うようです。

このあたりのアンテナの話は来月以降に先生がpdfファイルを公開されるということなので、その時 またリンクを貼りたいと思います。

現状の課題としては信号を処理するDSPの能力がまだ足りないため必要な相手に指向性を強くもたせつつ、不要な相手の信号を極力受けないようにすることを全く同時に行うことがなかなか難しいとのことです。

今、急速に話題になっているのは MIMO(ミモ、マイモ)の世界だそうです。

さて、この講義も残すところあと3回となりましたけれど 来週はアンテナの話だそうです。






ユビキタス無線工学 第9回

2006年06月16日 17時00分25秒 | ユビキタス無線工学
ユビキタス無線工学第9回ですが

まず、話は原点に戻ってアナログとデジタルの違いから

アナログは無限の種類の信号を取り扱うのがアナログ

デジタルは1と0の2値で信号を送るのがデジタル 

アナログ情報をデシタル化する(量子化する)というところから始まりました。
また、デジタルで情報を伝送するためにはアナログ情報の帯域幅×2倍以上の周波数でサンプリングしなければならないということです。

UWBについては、事の始まりとしてモノパルス通信が周波数スペクトラムを見ると大きく帯域を広げて通信をすることが出来る方法であり、単純な構成で出来るものであったのですが、一部 電波法の規制があり避けなければならない周波数帯があるため最初の理想形であったUWBは形にならず、今 世間で言うUWBというものは、CDMAやOFDMのことを示す言葉になったようです。

また、最近のトレンドとして適応変調方式というものが注目されており

(近い)QAM→(ちと遠い)QPSK→(遠い)BPSK→(届かない)ダメ

という状況によって変調方式を変えていくというようなやり方があるということです。

また、今まで多重化という言葉で一括りにされてきたものに関して今は
Multiple Accessと呼ばれるものに関しては 「多元化」 と今は呼ぶようです。
(ユビキタス無線工学とRFID(教科書)については多重化と書かれていますが多元化と読み替えて欲しいとのことでした。)

多元接続の中で Sector Antenna と 今 増えつつあるSmart Antennaについて説明がありました。

Smart AntennaはSector Antenna よりも細かくペンシルビームで移動端末を追いかけることが出来るということです。

http://www.amplet.co.jp/tdu/uwb.pdf

「来週はCDMAについて 熱く語る」 と先生がおっしゃっていました。

ユビキタス無線工学 第8回

2006年06月09日 11時02分28秒 | ユビキタス無線工学
昨日の授業は

集中定数回路/分布定数回路のおさらいと

変復調に関してでした。行ければアンテナまでという先週の予告でしたけれど、ざっとASK、FSK、PSKあたりまでいったところで時間が来てしまいました。

(仮upです。)

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で、今回の授業のサマリーを書きたいとは思うのですが 集中定数回路と分布定数回路の復習に30分程度 変調方式、復調方式に1時間という状況でした。

ノートも1ページにしかなっていなくてこれだとサマリーにならないですね。
http://www.amplet.co.jp/tdu/6.pdf

このあたりはアマチュア無線をやっていらっしゃる方にも専門家がいらっしゃるでしょうし、D-STARなどをやっていらっしゃる方などはもっとも関係が深い部分ではないでしょうか。

すみません、このへんでご勘弁を

ユビキタス無線工学 第7回

2006年06月01日 23時09分02秒 | ユビキタス無線工学
分布定数回路のお話でしたが、RFの分布定数回路は理屈より感覚で捉える部分が多くて難しいです。

記事にするのも難しい

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早いものでこの授業も第七回を迎えて、半分も過ぎてしまいました。

授業の最初に最近のトレンドということで 京セラが開発しているiBurstというモバイルインターネット接続の実験を先生が見ていらっしゃったということで、紹介がありました。モバイルでかつ高速インターネット接続が出来るとこれはいいですね。引き合いに出されるのがWimaxでどちらが標準的な形になるかはわかりません。このiBurstのアンテナ、最近時々見かけます。(最近は東横線の自由が丘のホームから見える場所にありました。)

下り21Mbpsでバンド幅5MHzぐらいのシステムで音声通信でなら新幹線のスピードである250Kmぐらいまで目指したいということです。(現状では100Kmあたりが限界のようです。)

で、授業の本題ですが

分布定数回路・・・伝送線路の長さが波長の長さに近くてそれそのものがコイルや
         コンデンサとなってしまいその影響が無視出来ない領域の回路
         です。

集中定数回路で設計したものを実際に作るときはLやCというパーツを使って回路を構成していくのですが、分布定数回路はパターンをカットした長さや端をオープンにするかグランドに落とすかということを決めることによってあたかもそこにLやCがあるかのように出来てしまいます。

これは基板の材質によって比誘電率が違い波長短縮率も違うため材料もパターンの長さを決定づける要素になります。

このあたりは、昔はカットアンドトライといって、実際に基板を作ってみて追い込んでいって結果を得るということをやっていましたが今では様々な実験式があったりCADで設計が出来てしまうのでだいぶ楽になっているようです。

http://www.amplet.co.jp/tdu/5.pdf

ともあれ、アンテナの話にならないとこの話は現実味を感じないのかもしれません。

(kymさん元気ですか?)

ユビキタス無線工学 第六回

2006年05月25日 23時27分06秒 | ユビキタス無線工学
きょうは、分布定数回路にちょっとだけ踏み込みました。あとは先週やった集中定数回路を使ったトランジスタアンプでリアクタンス分を考えて、入出力インピーダンス整合回路を入れるということをやりました。

また、明日にまとめたいと思います。

(ユビキタス無線工学の部分だけご覧いただきたい場合は左側にあるカテゴリーの部分で「東京電機大学公開科目」をクリックしていただければそれだけ見ることが出来ます。)

本文はここから↓

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昨日の授業は基本的にはトランジスタアンプの設計の続きなのですが、分布定数回路に踏み込みました。http://www.amplet.co.jp/tdu/5.pdf

授業の本流から外れる話ですが、先週の授業の後で学生さんから「低周波の世界でオペアンプなどを使って増幅する際にインピーダンス整合回路を使わないで接続をするのは何故か」という質問があったというお話が根日屋先生からありました。

高周波では接続する際、接続する線路の物理的な長さが、扱う周波数の波長に近くなってしまうためインピーダンス整合を行わないで接続すると大変なロスが出ます。ですがAFの世界では波長が恐ろしく長いために物理的な長さを無視することが出来、またインピーダンス整合をした場合よりも オペアンプ(入力は∞、出力はほとんど0というインピーダンス)などは直接繋いでしまったほうが逆に効率がよくなるということでした。

今回の授業は「リアクタンスを考慮した上で高周波トランジスタアンプを設計する」ということでした。

単純に言うと、-jXがついていれば+jXをつけてやって打ち消してやる(逆の場合は+-が入れ替わります) トランジスタアンプの入出力回路にL型インピーダンス整合回路を入れてやるということだったのだと思います。

先日、スミスチャートを授業でやった際はアドミタンスチャートを見なくてもいいということだったのですが結局L型インピーダンス整合回路で並列にLやCを入れるためには持ち出すことになってしまいました。スミスチャート、アドミタンスチャートについてはどうしてこうなるというより、「こう使う」ということが実践できれば便利なものだということがわかるのだと思います。
(きっとネットワークアナライザの画面を見ながら、Cを足したりLを足したりすると実感が湧くと思うんですが)

最近はアマチュア無線の世界でもアンテナアナライザーというものが比較的廉価で購入することが出来て、+jX -jx をアンテナを調整していく上で変化を確認しながら調整出来るものがありますし、スミスチャート上での動きを見ることが出来るものもあるようです。ミスマッチがどれだけ困ることになるかが実感できるのはアマチュア無線のアンテナ調整だと思います(電波が出なくなる、発振、回り込み、インターフェア、ありとあらゆる問題に突き当たります)

http://www.kuranishi.co.jp/products/yourvoice/yourvoice.html

残念ながら若手の人たちにとってはアマチュア無線は魅力的なものでは無くなりつつあるのが残念です。

(この程度を実験して体感するのには4級の20W或いは10Wという制限パワーで充分です。HF帯のアンテナはメーカー製であっても最終的には自分で調整しなくてはなりません。)

携帯電話の中継局や、業務局の中継だって、ケータイの中身だってとどのつまりは同じことをやっていますよね。世の中デジタル時代でもこのあたりは変化することは無いと思います。

EHアンテナを根日屋先生が授業で説明してくださるような日が来れば話は別だと思います。


ユビキタス無線工学 第五回

2006年05月19日 10時32分23秒 | ユビキタス無線工学
昨日の第五回は 『トランジスタアンプの設計』 ただしリアクタンス成分を考えない低い周波数のもの とても重要なポイントということです。

(すみません、朝からあまり体調が良くないもので、あとでちゃんとupします>BQEさん kymさんみなさま )

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ここから 下が本文です。

昨日の第五回は第二回に配布された『携帯電話の設計』という資料の後半に出てくる
高周波(中間周波)増幅器トランジスタ を使った『高周波小信号アンプの設計』
でした。
http://www.amplet.co.jp/tdu/2.pdf

アンプの設計で重要なことは

低周波・・・リアクタンス成分の影響が無いと近似しても良い
      (昔は1MHzぐらいまでだったが部品の小型化により物理的に浮遊
      容量などの発生する周波数が高くなったので現在は200MHzぐらい
      まで低周波と考えていいようです。)

高周波・・・リアクタンス成分をキチっと加味して設計する。

今回設計したアンプは100MHzですが、低周波と考えて設計することになりました。

まずはトランジスタの選択になるのですが細かいところはpdfファイルを見ていただくとして毎年 先生がおっしゃるポイントは

*トランジスタの基本特性としてトランジスタが動作している時には
ベース電圧はエミッタ電圧より0.5~0.7V高くなる。ということです。
(これを知っておくとモノを修理している時にもトランジスタがきちんと動作しているかを掴むことが出来て便利です。)

また、これはトランジスタアンプのバイアス設計する際にバイアス抵抗の値を決定するために重要な事柄になります。

またアンプの電源側に信号が漏れ出さないように入れるRFCですがコイルはコンデンサに比べて自己共振周波数が低いために巻数が多いと浮遊容量が大きくなってコイルを入れているにもかかわらずコンデンサの動作をしてしまい信号が漏れ出すことがあるので並列共振回路として並列にコンデンサを入れるということが通常だということです。

設計に関してはもちろんですが、この資料を持っていると実際に設計された回路図を見ているとどういう意図で部品が組み込まれているかがわかりやすいと思います。
(実際にはコストダウンの関係で省略されてしまっていたり、途中から省略されたり問題があって変更されたりもするので、それを知るのもおもしろいのではないかと思います。)

リンク先は私が管理しているわけではありませんので、もし欲しい方がいらっしゃいましたら公開されているうちにDLしていただくようにお願いいたします。

さて来週は『高周波トランジタスタアンプの設計(高い周波数)』です。

ユビキタス無線工学 第4回

2006年05月12日 01時13分51秒 | ユビキタス無線工学
昨日の第四回ですが回を重ねるたびに、なかなか文章で表現するのは難しくなってきました(笑)

昨日の授業を先生が一言で表していたのは
『リアクタンスを0にするトライアル』です。

*電子回路の中で無駄になるものというのはリアクタンス成分であり その抵抗値というのはいわゆる抵抗では無いためテスターなどで計ることは出来ません。

電子回路をすべて直列共振回路として考えれば、殆どすべてスミスチャートで表すことが出来ます。(先生もおっしゃっていましたが、このスミスチャート スミスチャートだけで考えているととてもよくわかるのですがアドミタンスチャートを持ち出すと途端にわけがわからなくなります。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88

そして R+jX もしくは R-jXという等価回路に置き換えられということでした。

*信号源と負荷の間で最大電力を取り出す条件

 1:インピーダンスの虚数部を消す
 2:信号源、伝送線路、負荷の抵抗値を同じにする。
 (これはもう基本の基本だと思います)

実際には信号源と負荷の抵抗値を一致させるというのは様々な条件があって難しい場合が多いですから、L型インピーダンス整合回路をいろいろな組み合わせで説明していただきました。(ユビキタス無線工学と微細RFID 29ページ付近)

またQの話もされました。ご存知の方には釈迦に説法になるのでしょうけれどQを低く設定して帯域幅をとるとゲインがとれません。逆にQをあまり高くすると帯域幅が狭くなって温度や環境の変化によって中心周波数がずれたりするとロスが大きくなったりします。(これは目的によってまったく変わるのでどの数値がいいかという問題とはまた違うと思います。)

民生のものでは5~10ぐらいに設定するのが通常とのことです。

また、珍しく最後10分 VSWRのアニメーションを見せていただきました。
(これを見ている時、正直 自分の無線局の伝送線路の中がこんな状態になっているのかと思うとちょっと SWR1:1.5という状況が怖くなりました(笑))

(但し、きょうの話は 『集中定数回路』 の話の上でのこととなってそろそろ出てくる『分布定数回路』になると多少話がややこしくなりますね。)






ユビキタス無線工学 第3回

2006年04月28日 09時51分59秒 | ユビキタス無線工学
きのうの授業はとてもボリュームが大きいものでした。

関係ないのですが、電大7号館の6階のトイレに入ったのですが、改築されていて綺麗になっていてびっくりしました。(ついこの間まで(去年かな)は自分が学生の頃とまったく変わっていませんでした)

きのうの授業はシラバスでは 無線工学を学ぶ上での基礎知識 ということでした。

とりあえずは第二回目のおさらいから始まりました。

雑談として、就職を大企業志向にして大企業に就職してしまうと名目は開発職でも専門屋さんに仕事を振るという手配師だけになってしまう可能性があるというお話がありました。
(これは必ずしもそれがいけないということではなくて、それがやりがいであればそれはそれでいいんでしょうし、本当の開発をしたいのに出来ないというジレンマに陥った場合に不幸だというだけのことだと思います。)

就職にもマッチング、ミスマッチは生じるということだと思います。

今、言われている2007年問題 団塊の世代が定年を迎えて技術の空洞化が起きたらどうなるんでしょうねぇというお話もありました。(ボクはこのことはある意味若手にとっては困難と考えるよりもチャンスと捉えたほうがいいと思っています。)

*OPアンプの動作解説 どういう形で使ったらよいかというお話がありました。
技術的解説はこちら http://www.amplet.co.jp/tdu/2.pdf

*高校物理で習うコンデンサのインピーダンス算出式を実際の技術で使ったときに
大きな矛盾点が出るということ。
  基本的に『Z=1/2πfc(Ω)』で示されますけれど、これをそのまま鵜呑みにしてしまうと、周波数が高くなればなるほどインピーダンスは低くなるのですが、実際のコンデンサは固有に自己共振周波数というものを持っていて、その周波数を超えると外見はコンデンサでもコイルとして動作してしまい、逆の動作になってしまいます。 これをよく注意してコンデンサを使うときにはその扱う周波数によって自己共振周波数を超えない範囲で使うようにしなければならないということです。

*dBについて
 デシベルはあくまでも比であって値では無いということ
 (これについてはリンクのpdfをご覧ください)
 電力比で10dBだから、同じものが電圧比で20dBだと言う方が出てきてしまうことがあるのですが、これは大きな間違いで 電力比で10dBは電圧比でも10dBです。(詳しくは下記リンクからpdfファイルをご覧ください)

*最後にスミスチャートの話になりました。ボクは設計の現場にいないのでよく知らないのですが学生の時には、このスミスチャートに随分お世話になり、その便利さを知らなかったので悩まされました。

今はCADなどが発達しているので、あまり実戦で使うことは無くなってしまったようですね。(とは言いながら、ネットアナなどには表示されるようですね。)

今回の授業の技術的内容については
http://www.amplet.co.jp/tdu/3.pdf

をご参照ください。

ちなみに、来週は連休中のため授業はお休みです。

この授業に使われている教科書は
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4501324201/qid=1146188909/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/503-9305152-4559912
です。別にアマゾンの回し者ではないのですが、電機大出版局のウェブサイトからうまく引っ張れませんでした。

(根日屋先生のpdfへのリンクは先生に許可をいただいてやっているつもりです。もし何かありましたらご一報くださいませ)


 


ユビキタス無線工学 第二回目

2006年04月21日 10時26分05秒 | ユビキタス無線工学
きのうのユビキタス無線工学は、携帯電話の設計を一回の授業で教えてしまうという予定でしたが、前回の授業のおさらいが結局一時間ぐらいの時間を占めてしまい携帯電話の設計のお話は最後の15分で行うということになってしまいました。
(これは毎年のことで、何度も授業を受けている身としては想定内のことです

*まず、昨日の話は近未来の無線がソフトウェア無線に置き換わっていくのではないかということでした。今まで、ハードウェアで行っていたことをデジタル信号に置き換えて低い周波数でパソコンで処理してしまうということです。

*また、最近ではインパルスを使った通信が注目されているとのこと(短いインバルスは周波数スペクトラムが広くなり、情報伝送の容量を大きく出来る)
(例えばUWBなど)

この話のとき、圧電素子で火花を発生して少し離れたところでそれを受信することが出来るという話を学研の大人の科学にある教材で実験してみせていただきました。

*マイクロ波・ミリ波というのがありますが
  マイクロ波 300~3GHz
    ミリ波  30~300GHz でだいたい定義されており
波長を考えると物理的に考えると単位が逆になっていること.. これはマイクロ波を開発していく上でミリ波などというものが実用になるかどうかわからなかったために呼称を先にマイクロと使ってしまったために起こってしまった現象ではないかと先生がおっしゃられていました。

*今の計画ではアナログTVが2011年に完全停波して全面的にデジタルTVに移行して 今の時点では今 アナログTVで使っているVHFが空いたら車車間通信に使う計画があるようです。ただ、アナログTVが止まるのは2011年です。あと5年ですべてのアナログTVの電波を止めてしまうというのは、いささか乱暴ではないかというようなお話がありました。
(これについては同意見で、今 テレビというのは一家に一台ではなくて一人に一台の世界ですし、それにビデオデッキのチューナーなども含まれます、もし5年後にすべて止めるということであれば、今 売られているテレビはすべて地上波デジタルが受けられて、かつ安価なもので無ければいけないと僕も考えます。また、ゴミ問題環境問題はどう考えているのでしょうか)

*電波というものは300MHzを境に低いほうは大容量を伝送できない性質があり、逆に上のほうは直進性が強くなり、情報容量が大きくなるというようなお話もありました。
(ちなみに、ボクが整備する無線機には150MHz帯、348MHz帯、460MHz帯、800MHz帯、1.5GHz帯 とあるのですが、その中でも348MHz帯は両方の特性を持っていて面白い伝播をするようです。いじっていてもなかなかフィールドテストは出来ないので残念です。特定小電力無線も同じ周波数帯ですが、さすがに電波が弱すぎてその特性はいまひとつわかりません。)

*コードレス電話の周波数の推移は最初が46~49MHz、次が370MHzぐらい ここまでは回折などをして、電波がしぶとく屋内を届きやすかったのですが、さすがに2.45GHzになって直進性が強くなり階をまたぐと通信が無理な場合が出てくるようです。
(今、現在 ウチでは300MHz帯のアナログのものをIP電話用に使っているのですが
2.45GHzのデジタルのものに交換したいと思っているのですが、この件が気になって踏み切っていません。無線LANが通じているのですから通じるとは思うのですが干渉も心配だったりします。)

*今回 周波数の編成の変更があってNTTから3~6GHzを開放するという話になったとのこと、これはこれで喜ばしいことではあるけれど、すべてを光ファイバー網に頼ってしまった場合に基幹回線に致命的な損傷を受けてしまった場合 復旧がとても困難になることが懸念されるとお話されていました。
(このお話で先生は、阪神淡路大震災のときの話、大手町のケーブル火災のお話をされましたが、ボクが一番 記憶に残っているのは 世田谷のケーブル火災です。これの復旧は一週間では復旧しなかったと記憶しています。便利になる反面、それが駄目になったときの痛手は大きいということだと思います。)

ITS 自立型システム(79GHz)衝突防止レーダーなど
  路車間通信(5.8GHz)ETCの発展形(明日、ETCをクルマにつける身として  はこれは今一番発展してもらいたいもののひとつです。)
  車車間通信(VHF/UHF)電波が回り込むため死角にいる車同士の存在
  などを知らせるようなことをやるようです。

情報家電
  最初は60GHzを使う予定だったけれどもあまりにも部品の歩留まりが悪くて価格が高くなってしまうために5.2GHzの無線LANを使うことになりそうだそうです。

このあとはアダプティプアンテナ、アダプティプアレイ、コグニティブ無線のことを前回より詳しく説明されました。

コグニティブ無線の考え方を聞いている限りでは、Eスポなどの異常伝播が起きる
アマチュアバンドの50MHz帯などは業務用には利用しにくいから狙われることは無いだろうとたかをくくってきましたが今後この考え方を活用した方法が用いられるようになると、50MHz帯あたりも充分に業務利用の無線にも使える周波数となりうると思いました。

ソフトウェア無線に関しては、周波数を低い周波数に変換することでその殆どの部分をデジタル処理することが出来るようになっていて、今までのハードウェアで設計されていた無線機の概念が大きく変わりそうです。
実際、自分で使っているアマチュア無線機もIFをデジタル信号処理する形になっています。

*で、きのうやる筈であった携帯電話の設計ですが最後の15分ぐらいでその概要をやりましたが、部品そのものが集積化されていて細かい設計は必要なくて組み合わせたときの相性などによって修正を加えていけばいいという ことで要約できる
でしょうか。

*これは無線機の整備をやっていても感じることではありますが、電気的なものは物理的な調整をするものというのは殆どなくて、電子ブロックを組み合わせているような感じです。特に業務用無線機などに関してはその殆どが自然発生的な電気的故障ではなく、物理的に壊れたものを補修するというものが今は殆どですし、調整も専用のジグを使ってパソコンで調整をしてやるというのが10年ぐらい前からの主流になっています。

アマチュア無線機も例外ではなく、どんどんその方向にシフトしてきていて間違った使い方さえしなければ電気的な故障は相当に少なくなってきていると思います。

(この記事は、昨日 行われた 公開科目 ユビキタス無線工学 で根日屋先生がお話されたことを元に私見を加えて書いておりますが、間違いがありましたらご指摘くださいますようお願いいたします。)


昨日ははじめての授業でした。

2006年04月14日 10時59分02秒 | ユビキタス無線工学
昨日の夜は今年度のユビキタス無線工学の最初の授業でした。

まず、講師である根日屋先生の 「夢」 (今でもあきらめていない)というのが面白かったのですが

「日本一のラーメン職人になること」だそうです。

ボクの夢は、工学部・電気通信工学科卒の電気や無線と関係ない 小説家 だったのですが、文才が無いもので未だに実現していません。

これを実現されたのが大阪府立大学の電気工学科を卒業して一旦エンジニアとして社会に出てから作家に転進して成功されている 「東野圭吾さん」 ですね。

授業が始まって
さしあたって、今 知っておきたいキーワードは
Wimax (YOZANがサービス開始をしようとしています。)
HSDPA (ハイスピードダウンロードパケットアクセス)
HSUPA (ハイスピードアップリンクパケットアクセス)

というお話でした。

今、ユビキタス構想を推進していく上で様々な障害が出てきているのですがまずひとつはまだまだエラー頻度が多いこと
(例えば、スイカひとつをとってみても混雑時に読み取りエラーが起きて改札が閉まってしまうというようなことが現場で発生頻度が多いというようなことだそうです。実際、駅でも閉まってしまって怒っている人をよく見かけますよね)

また携帯電話などの電磁波が人体に与える影響に関して、全く無関係ではないと思われるのに都合の悪いことに関してはお役所は口をつぐんでしまうということです。

そして、今 更に問題になっているのが銀行などで始まった 生体認証の問題点です。生体認証は 一部の銀行などで静脈認証を暗証番号のかわりに使うという形で始まりましたが、これには落とし穴がありました。

番号による暗証番号は一定の期間で変更をするなどということが出来ますが生体認証の場合はあくまでも個人の体の一部のデータと照合することでコピーが出来ないから安全ということだったのですが、一旦取り込んでしまったデータというのはあくまでも取り込んでしまった時点で単純にデジタルデータになってしまうということです。

もし、このデジタルデータが何らかの原因で外部に流出してしまったとするとそのデータから生体認証のためのコピーをした静脈というものは作ってしまうことが出来るそうです。

しかも、困ったことに生体認証ですと当の本人は元の静脈などを変更することが不可能です、実際コピーして実験をして認証させることが出来たようです。

新しい技術は便利になることと裏腹に必ずリスクが伴うもので、常に解決していかなければいけないことが発生し続けるようです。

また、今後

アダプティプアンテナシステム
MIMO技術を使ったアンテナシステム

コグニティブ無線・・・ソフトウェアを利用してその時の状況を認識していい方法
           を選択して通信をする方式

リコンフィギュラブル無線・・・・ICひとつでワンセグのテレビにも無線LAN
              にでも使えてしまう、ハードウェアに柔軟性をもた
              せた無線

に注目だそうです。

(この記事は根日屋先生にご承諾いただいた上で書いておりますが、あくまで授業を聞いてノートに拾ったものから書いていますので、間違いがありましたらご指摘くださいますようお願いいたします。)