哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

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伊丹十三『マルタイの女』

2007-12-30 | 映画
伊丹十三DVDコレクション マルタイの女

ジェネオン エンタテインメント

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 『マルサの女』シリーズに引き続き『マルタイの女』を見た。殺人事件を目撃した女優が証人として事件の鍵を握る映画である。
 おもしろいっ! 他に言うことがないくらいだ。笑いあり涙あり教訓ありとまさに非の打ち所がない。さらに、敵の信仰宗教団についても、ただの「悪」として描くのではなく、ある程度共感しながら裁いているところが素晴らしい。特に、捕まった容疑者に刑事が「子どもに心配させるな」と諭すところなんかは涙腺がゆるんだ。イイハナシダナー。
 あとは本作ではなかなか強かった西川雅彦氏やら、俳優の演技も脚本を引き立てていた。幸せな日本映画である。
 
 伊丹監督には長生きして、もっとたくさんの映画を残してもらいたかった。合掌。

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