哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

東京都美術館『フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術』

2007-12-21 | 展覧会
 東京都美術館に『フィラデルフィア美術館展 印象派と20世紀の美術』(~12月24日)を見に行ってきた。あまり書くこともないのだけど、相変わらず都美術館らしい良い展覧会だった。(東京都は美術関係の金を回すところ間違っているだろう。都美術館を改装してやれよ…)

 美術展の内容については、タイトル通りなのだが、およそ印象派直前以降の有名な画家の作品はほとんど全て抑えていたのではないかと。最近のマイフェイバリット画家(パチくさい言い方だけど)のモーリス・ユトリロなんかも代表作級ではないけどあったし。ミロとか、カンディンスキーとかもちょっと美味しい。モネ、ルノワール、ドガあたりから、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌまで普通にあるし。超有名作とかエコール・ド・パリがちょっと弱かったという以外、この美術展だけで、近代画家がほぼ抑えられてしまうという豪華っぷり。もし興味のある方は、来週の月曜までだが駆け込みで見に行くことをおすすめ。ただ、例によって混んでいるんだけどね…。

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田中ロミオ『人類は衰退しました2』

2007-12-21 | ライトノベル
人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)
田中 ロミオ,山崎 透
小学館

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「らめー!」(P248)

 田中ロミオのラノベ参入第二巻である。今回は、前回よりもロミオ度がアップ!………なのだが、あれ! イマイチかも……。

 『人衰』は遥かな未来(?)人類が衰退して旧人類となり、新人類であるところの妖精さんたちと交流を図るというお話である。粗忽者でときどきちらりと腹の黒さが見える、おそらくは菓子作りだけが取り柄であるところの「わたし」が主人公。

 今回は、その「わたし」が妖精さんのイタズラに巻き込まれる二編。しかし、ロミオらしい軽妙な文体や精妙な構成・トリック、そして科学に載っけたロマンチシズムは光りまくっているものの、なんかこう読んでいて駆り立てるものがないというか。よくわからんけれど、なんだか面白かった第一巻と比べるとちょっと残念な気が。思うに、妖精さんとのやりとりが案外少なかったからではないかと。うーむ。

 正直、この小説が、すでにロミオの作品を知っているという人以外にどう読まれるかって、よくわからんなあと。いかにもな設定があるわけでもなし、分かりやすい萌えがあるでもなし、とりあえずロミオ的なものを期待している人以外には、タッチしにくいのではないかと。まあ『CROSS†CHANNEL』とか『最果てのイマ』級のを作ってくれ、と言われてもおいそれと出来るわけはないだろうし。レビューはたくさん立っているから、それなりには売れているのだろうとは思うけど、逆に言えば、GAGAGAはまだ出来て間もないだけあって、アニメ化とかもしてないし、他のが売れてなさ過ぎなのだろうとも思う。しばらくは角川グループのラノベ寡占状態は安泰か。本当にありがとうございました。

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