もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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Fate/Zeroで気まぐれビミョーなBL言時(1)

2013-07-15 07:45:17 | 腐女子の御伴
※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。



*腐はムリな方は回れ右*



         2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL  『とある魔術師の受難(じゅなん) (1)』






カーテンの隙間から白銀の月明かりが薄暗がりの部屋に忍び込み、ソファーにけだるく躯(からだ)を投げ出した時臣を探し当てた。

そのソファーは客間に置かれている物で、数日前までは家族で和気あいあいと過ごした場所。愛妻と愛娘は身の安全を優先とし、聖杯戦争の舞台となる冬木市から二人を遠ざけた。

今まで感じた事のない身に覚えがない強烈な何か…‥ が、時臣を翻弄(ほんろう)し何かが麻痺をし始めるてゆくのを怯えさえ感じた。

ローテーブルの上にぽつんと置き去りにされた、一口だけ飲んだワイングラスを見つめた。ワインを飲むのはいつもの寝る前の儀式的行為で意識を静(せい)に移し入眠(にゅうみん)を促す。

時臣はガウンを羽織(はお)る事さえ着替もままならずソファーに倒れ込んだ。いつもなら、妻である葵が傍(かたわ)らにおり気にかけてくれているが────────

屋敷には誰も居ない訳ではない、共に聖杯戦争に参戦する使い魔であるサーヴァントで王の中の王であるギルガメッシュ。

通常なら自分が仕えるマスターの異変に気がつくはず。彼は時臣により聖遺物(いぶつ)で召喚されたが現界してからは出歩き気が済むまで屋敷には帰宅しない。そうとうの事がない限り、時臣の前に姿を現さない。


躯(からだ)に纏(まと)わり付き散らない熱に犯されてゆく。唇(くちびる)からは、熱をおびた耳を塞ぎたくなる喘(あ)ぎ声を漏らす。

右手を唇(くちびる)を宛がい、左手は持て余し自分の身体に触れるが誰かに強引に触れて欲しいと自分自信の意識に驚いた。

幻影で客間の重たい扉が開いた様な気がした。人の気配(けはい)を感じようとするが、それはこの現実から逃れたい自分自信の願望とさえ思え決めつけた。

横向きになり身体をまるめ掠(かす)れた誘うような声で、時臣は助けを乞(こ)う。


やはり…‥ 奴め。 我が師よ、気を確かに。私が貴方のお傍におります。


なんて都合の良い幻聴さえも聞こえ出すとは。その声は弟子である、言峰綺礼の声だった。



彼はこの屋敷には居ないはずだ。なぜ居る?? 奴とは??

気配(けはい)がソファーに近づいて来た。

言峰は微笑(ほほえ)み聖職者に相応しく慈(いつく)しむ様に両腕を時臣に差し出す。彼の瞳に写る自分はどのように見えて居るのか?? 時臣は苦悩し瞳を曇らせた。


言峰の両腕に抱き込まれ時臣は背中を優しくさすられる。洋服の生地越しからでも感じる彼の体温が心地良い。


「綺礼。」

「時臣様。」

物欲しげな瞳と焦らすように躯(からだ)を擦り付ける時臣に苦悩で満ちた眼差(まなざ)しを返す言峰。

言峰はローテーブルの上に残されたワインが注がれた、ワイングラスを見つめ溜息を軽くついた。

そうか、やはり奴の仕業か。 何を楽しくって、この様な事をするのか言峰は理解に苦しむ。あらゆる俗物の頂点に立つ、英雄王ことギルガメッシュの優雅な美笑(びしょう)を思い出した。


言峰はうごめく時臣をがっちりと拘束し身体を抱き寄せかかえ持ち上げて、客間から退室し時臣の寝室へ向かって行った。

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