もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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Fate/Zeroで気まぐれビミョーなBL言時(6)

2013-07-15 07:51:54 | 腐女子の御伴
※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。



*腐はムリな方は回れ右*



         2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL  『素知(そし)らぬ朝 (6)』






時臣は、まどろみ気配(けはい)で朝と感じた。昨日は終わらない悪夢を見続けて、眩暈(めまい)さえ感じた。まるで、お伽話(とぎ)話しの様な、得体の知れない夢魔が自分の意識を奪い─────── 思い出したくもない。


ベッドから上半身を起こし部屋を見渡す。何も変わらず、静かな寝室である。壁掛け時計に目をやり、今が何時なのか気がついた。朝の8時をやや過ぎだった。

いつもなら、もっと早く起きると言うのに。時臣は屋敷に居るはずのない、人物の微量な魔力と気配(けはい)を察知した。

いつもの定例報告時間に報告がないのを心配し、屋敷に言峰が駆け付けたのか?? それにしても緊急であるなら、まずは自分の寝室に来るはずである。

言峰が発してる気は静かで落ち着いてる。何かに集中をしている気である、いったい何をして居るのだろう。

時臣はモスグリーンの寝間着にダークブラウンのガウンを羽織(はお)り、ベッドから足を下ろしルームシューズを履いた。朝の着替えを置く、リネンテーブルには下着と、いつもの着替えセットと横のフックにはスーツ上下が掛けられいた。

こんな丁寧に用意してくれるとは。時臣はありがたく感じる半面、言峰がここまでする理由も知らなければならない。


(昨日、何が、あった??  しかし、私、自身が何も覚えていない。綺礼から聞くしか他ない。)


時臣は夫妻寝室から足早に歩き、言峰が発する微量な魔力と気を辿(たど)り向かう。



廊下を歩き階段を下り辿(たど)り着いたのは半地下の厨房(ちゅうぼう)だった。 そこはいつも使用人達が遠坂家の食事を作る厨房(ちゅうぼう)である。

家族だけ使用するプライベートキッチンとダイニングルームもあるが、言峰はメイン厨房(ちゅうぼう)に居る様である。

時臣はスライド式の自動ドアに手を軽くタッチし開けた。



広々した厨房(ちゅうぼう)には、業務用と同じぐらいな容量がある冷蔵庫と冷凍庫があり、あらゆる料理器具が設置されていてまるでレストランの様な設備。

言峰は既(すで)に時臣の気配(けはい)を察して居て、時臣が来るのを深々と腰を折(お)り頭(こうべ)を下げて待って居た。

「おはよう、綺礼。顔を上げなさい。」

そう時臣に言われると、綺礼は身体を真っ直ぐに姿勢を正し頭(こうべ)を上げた。

「おはようございます。我が師よ。」

言峰は時臣を見つめると形の良い眉をやや寄せて、時臣の出(い)で立ちに表情が厳しくなった。

時臣は、つい気が競ってしまいダークブラウンのガウンを羽織(はお)りモスグリーンの寝間着のままだった。

言峰のそんな表情を見つめて、時臣は物柔らかな微笑(びしょう)を浮かべた。

「君が私の事で、気を悪くする事はないよ。」


「いえ、我が師は遠坂家の当主です。その様なお姿で、この場所にお出(い)でになるとは。私の気配(けはい)で分かると思っており驚きました。」

「この屋敷は、英雄王と私しか居ない。だから、綺礼が来たと分かったよ。昨日の晩に私は寝る前に、ワインを飲んだ後の記憶が消失していて、気がついたら朝だった。私は寝室で目覚めた。君は私が記憶を消失した時間が、何時で何があったか知ってるはずではないかっと。」


「はい、時臣様と私は二人でワインを飲みました。時間は21時頃で、久しぶりのワインの愛飲(あいいん)で二人で深く飲み交わし、少々ほろ酔いになり私が寝室へご案内を致しました。勝手に夫妻の寝室に入った事は、非常識であると思いました。どうか、お許し下さい。」


ふっと時臣は夢魔を思い出し、一瞬意識が遠のき目の前が真っ白になった。

自分の躯(からだ)を抱く夢魔の黒い幻影が!! 時臣は夢魔を振り払った。


「止めろ!!私から手を離せ───」


厨房(ちゅうぼう)の床に倒れ込んだ時臣を、言峰が膝立ちし両腕で抱き込む様に上半身を支えた。


「時臣様、気をしっかりと。」


時臣は青ざめ額(ひたい)から冷たい汗が滲み出る。言峰の声を聞かなければまた、夢魔に連れ去らわれそうになった。

こばわり小さく震えた時臣の冷えた身体を言峰は優しく抱きしめ、背中をあやす様に撫(な)でさすった。

「お食事は後ほどに致しましょう。寝室へ、ご案内致しますが、宜しいでしょうか??」

時臣は腕を言峰の首に廻し瞳を閉じ、言峰の体温に心の安(やす)らぎを感じた。

それを時臣からの返事であると了解し、言峰は時臣を抱きかかえ寝室へ向かった。

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