オジサマ専科 Vol.2 Memories母の手帳の設定を超改変してあります。なのでネタバレも含まれております。BOYSLOVEテイストにしてお届けなので、実際の商品とは一切何も関係ありません。もぐ菜は古川透CV:中田譲治しゃん推しなのでよろ。それと古川透氏は黒髪サラサラ和装で物静かな優しいアーカード様をイメージしてねんVv。
gentleman's&boy(6)
白くぼんやりとして、視界がいまいち見えずらい。 小走りで追い付く距離に、古川が歩いて居る姿を見つけた。
透さん、
声は聞こえる距離のはずなのに、古川は聞こえてないらしく気づくそぶりもない。
藤宮はもう、一度名前を呼ぶ。
透さん!!
藤宮は走り出すが────────────
古川に追い付くはずの距離が近付けない。
どうして、気がついてくれないの?? 透さん。
爪先が何かに躓(つまず)き、身体がふっと軽くなり転んだ。
地面に転がった鈍い痛みに、小さな悲鳴を上げた。
藤宮は眼を覚ました。地面に俯(うつぶ)せに倒れ込んで居るはずなのに、見慣れない天井を目にした。
タクシーに乗り込んだまでの記憶はあるが、そこから先の記憶がぷっつりとない。ベッドから上半身を起こす。二日酔いらしい、頭がくらくらした。
室内を見渡すと洋室でクローゼットがあり、他には向き合う様にソファーが2セットとテーブル。デスクがあるぐらいだった。壁には楕円(だえん)形の鏡が掛かっており、その鏡の縁(ふち)の装飾は美術品の様に施(ほどこ)されている。
まずは起き様と思い、ベッドから下りた。床には絨毯(じゅうたん)が敷かれており、スリッパが一足(いっそく)ある。
遮光カーテンに触れるが、どっしりとした厚地の生地で仕立てられており藤宮のマンションのカーテンとは別物みたいなカーテンである。
頭上の優美なカーテンのドレープを見て、まるで優雅なドレスを想像させる。レースのカーテンも、上品な模様で美しい。カーテン一つ見ただけで、ため息が出てしまう。
カーテンを開けると、ふわりと優しい光りが差し込み藤宮を包み込む。部屋に光りが届き、藤宮は眼をつぶった。
光りに慣れて目を開けると庭園が見えた。立派な日本庭園である、庭の池にして大きく人が歩ける小さな橋が架かっており、散歩してても飽きなさそうな日本庭園。邸宅も大きいが、日本庭園もそれなりの広々とした敷地。
庭の隅に人影が見えた。一人??いや、二人!!ふっと気になり見ると、着物を着た人影と一瞬、視線が合うと姿が消えた。
ガラスのサッシの鍵を開け様とした瞬間に、客室の扉がノックされた。
「透さぁん??」
「あぁ、私だ。」
藤宮は客室の扉へ小走りで向かい、前に着くと勢いよく扉を開けて古川めがかけて飛び付きしがみ抱き着く。
余りにも勢いよく胸に藤宮が飛び込む様に、しがみ抱き着くがどっしりと古川は受け止めた。
藤宮は半ベソで古川の胸元に顔を埋めた。
古川はそんな藤宮の耳元に、そっと唇(くち)びるを寄せて優しく語りかける。
「どうした?? 怖い夢でも見たか??」
藤宮はこくりと頷く、古川は両腕で深く抱きしめて背中を子供をあやす様にゆっくりとさする。
「怖い夢か─────── もう少し、早く目覚めさせてあげれば良かったな。」
「透さん。」
藤宮に透さんと呼ばれて驚く。
「だって、僕を置き去りにするんだもん。」
古川の腕の中で藤宮は身体を震わせて、顔を上げると涙声で言う。瞳には大粒の泪(なみだ)を湛(たた)えて目尻から、ポロポロと零(こぼ)れ落ちては消えてゆく。
「そうか、それは辛い思いをさせた。私は君の泣き顔さえも愛しい。もう、大丈夫だ。此処(ここ)に居る。」
「可愛くなんてないもん。透さんのいけず。」
藤宮はそう古川に言うと、首筋をほんのりと赤く染めた。
「私は嘘は言わないぞ??悠紀。」
くすりと笑う古川の息遣いを感じ、瞳を覗かれてしまう。
古川に初めて悠紀と名前を呼ばれて藤宮は嬉しくなった。
gentleman&boy(7)
gentleman's&boy(6)
白くぼんやりとして、視界がいまいち見えずらい。 小走りで追い付く距離に、古川が歩いて居る姿を見つけた。
透さん、
声は聞こえる距離のはずなのに、古川は聞こえてないらしく気づくそぶりもない。
藤宮はもう、一度名前を呼ぶ。
透さん!!
藤宮は走り出すが────────────
古川に追い付くはずの距離が近付けない。
どうして、気がついてくれないの?? 透さん。
爪先が何かに躓(つまず)き、身体がふっと軽くなり転んだ。
地面に転がった鈍い痛みに、小さな悲鳴を上げた。
藤宮は眼を覚ました。地面に俯(うつぶ)せに倒れ込んで居るはずなのに、見慣れない天井を目にした。
タクシーに乗り込んだまでの記憶はあるが、そこから先の記憶がぷっつりとない。ベッドから上半身を起こす。二日酔いらしい、頭がくらくらした。
室内を見渡すと洋室でクローゼットがあり、他には向き合う様にソファーが2セットとテーブル。デスクがあるぐらいだった。壁には楕円(だえん)形の鏡が掛かっており、その鏡の縁(ふち)の装飾は美術品の様に施(ほどこ)されている。
まずは起き様と思い、ベッドから下りた。床には絨毯(じゅうたん)が敷かれており、スリッパが一足(いっそく)ある。
遮光カーテンに触れるが、どっしりとした厚地の生地で仕立てられており藤宮のマンションのカーテンとは別物みたいなカーテンである。
頭上の優美なカーテンのドレープを見て、まるで優雅なドレスを想像させる。レースのカーテンも、上品な模様で美しい。カーテン一つ見ただけで、ため息が出てしまう。
カーテンを開けると、ふわりと優しい光りが差し込み藤宮を包み込む。部屋に光りが届き、藤宮は眼をつぶった。
光りに慣れて目を開けると庭園が見えた。立派な日本庭園である、庭の池にして大きく人が歩ける小さな橋が架かっており、散歩してても飽きなさそうな日本庭園。邸宅も大きいが、日本庭園もそれなりの広々とした敷地。
庭の隅に人影が見えた。一人??いや、二人!!ふっと気になり見ると、着物を着た人影と一瞬、視線が合うと姿が消えた。
ガラスのサッシの鍵を開け様とした瞬間に、客室の扉がノックされた。
「透さぁん??」
「あぁ、私だ。」
藤宮は客室の扉へ小走りで向かい、前に着くと勢いよく扉を開けて古川めがかけて飛び付きしがみ抱き着く。
余りにも勢いよく胸に藤宮が飛び込む様に、しがみ抱き着くがどっしりと古川は受け止めた。
藤宮は半ベソで古川の胸元に顔を埋めた。
古川はそんな藤宮の耳元に、そっと唇(くち)びるを寄せて優しく語りかける。
「どうした?? 怖い夢でも見たか??」
藤宮はこくりと頷く、古川は両腕で深く抱きしめて背中を子供をあやす様にゆっくりとさする。
「怖い夢か─────── もう少し、早く目覚めさせてあげれば良かったな。」
「透さん。」
藤宮に透さんと呼ばれて驚く。
「だって、僕を置き去りにするんだもん。」
古川の腕の中で藤宮は身体を震わせて、顔を上げると涙声で言う。瞳には大粒の泪(なみだ)を湛(たた)えて目尻から、ポロポロと零(こぼ)れ落ちては消えてゆく。
「そうか、それは辛い思いをさせた。私は君の泣き顔さえも愛しい。もう、大丈夫だ。此処(ここ)に居る。」
「可愛くなんてないもん。透さんのいけず。」
藤宮はそう古川に言うと、首筋をほんのりと赤く染めた。
「私は嘘は言わないぞ??悠紀。」
くすりと笑う古川の息遣いを感じ、瞳を覗かれてしまう。
古川に初めて悠紀と名前を呼ばれて藤宮は嬉しくなった。
gentleman&boy(7)