*ご注意*
*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*
一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。
眩暈 (3)
片桐は厨房に行き厨房のスタッフに挨拶をする。広々とした厨房には大型の冷蔵庫や真ん中には大きな調理台が設置されていて調理台を取り囲み様に厨房スタッフが居て会話をしている。
厨房スタッフの調理師は白色のコックコートを着ていてコックエプロンを着用し頭にはコック帽子を被っている。皿洗いや調理補助を専門をするスタッフは屋敷が支給したエプロンをして動きやすい服装で仕事をする。
片桐も見習期間の時は厨房で手伝いをしたりと仕事を覚えた。調理台の人の輪の真ん中に居るコックコートに身を包んだ飯窪が話しかけてきた。
飯窪は片桐と歳は同じで細身で身長もあるのでコックコートが良く栄える。温厚な人柄で人なっこいので厨房スタッフにも人目置かれている。飯窪の他に四人のコックが屋敷の厨房に勤めている
「おはようございます。」
「おっ片桐さん、おはよう。今日は深緑色にしたの??」
「はい、一番この深緑のワンピースが気に入っていまして落ち着くんです。」
「そうか落ち着くんだ。じゃ、今日も頼むよメイドさん。あと、函南にも聞いておいて今日の昼飯は何を食べたい??て。」
「こちらこそお願いします。はい、函南君に聞いておきますね」
片桐はペコリと頭を下げると廻りの調理のスタッフも片桐に挨拶をしてきた。半日の勤めのパートの主婦やアルバイトの学生と賑やかな面々が揃っている。
「良いなぁ片桐さん、私もメイドさんのワンピ着たいのよぉ。」
主婦をしている宮根が片桐に話してきた。宮根も片桐と年齢は変わらないどこにでもいる女性で子育てが終わりやっと自分の時間を持てる様になり家から近いので屋敷に勤めている。
ある日に屋敷へ突如、履歴書を持参して直接やって来て面接をして民谷が採用したが宮根はメイドとして屋敷で働くと言ったが屋敷を経営する主人の経営方針により却下された。
「私も着たら似合うと思うのよねぇ。」
他のスタッフにちゃちゃを入れられて宮根は反撃を繰り出す。
「宮根さんは体形的にムリがあるよ。」
「あんたねぇ~しょうがないでしょ。女は子供を産むと体形が変わるのよ。」
「毎日美味しい物食べ過ぎじゃない??昨日も俺の分食ったじゃんか。」
「残すと作ったコックさんに悪いでしょ??主婦はね、作ったコックさんの苦労もよく分かるから食べ残しはしないだけ。」
そんな宮根と厨房のスタッフとのやり取りを見聞きし片桐は微笑んだ。片桐の笑顔…勤め始めには見れなかった作り笑いではない自然な表情。
片桐の毎日はそんな始まりで穏やかで平和である。人通りに挨拶をして厨房の隣の部屋に行く。厨房から続いていて大きな広々とした食器棚部屋でこの部屋に屋敷で使用している食器や小物を収納している。
シルバーのカラトリーを食器棚の引き出しから取り出し専用の布で磨く。 丁寧に一本づつ磨き終えたのはシルバーカラトリーは準備台と呼ばれる大きなテーブルに置かれたケースに入れた。
時間をかけて全て磨き終えると厨房を抜けて屋敷のロビーに向かう。一階は庭に面して窓が大きく広々とした開放的な作りで広い割には客席は設置されておらず窮屈ではない。
窓辺の席が人気があり春と秋は期間限定で天気が良いと庭にテラスがありテーブルと椅子を出してオープンカフェになる。
二階は完全に個室で二階からの眺めも良く二階は完全予約制でネットでの予約のみ受付となり利用時間は二時間と決まっていてほぼ毎日予約で埋まっている。
昼は軽食でアフタヌーンティーメニューを手頃な価格で楽しめ庭の景色が人気あり一階席は予約制ではなく席が空きしだい順番に呼ばれて利用時間は二階席と同じく昼も夜も二時間と決まっている。
夜は庭をライトアップし昼間とは違う雰囲気でまるで忍び逢う者同士が逢瀬をする場所となりイタリアンコースとなり各種コースがあり予算に応じて楽しめる様になっている。
屋敷のホールに入る前にロビーがありソファーとテーブルが設置されてそこで待機して来館者は順番を待つが広く重厚で豪華なので初めての利用客はこのロビーが大広間と思う。
待っている間も紅茶が出されてのんびりといらつく事なくゆったりと待つので待つのも楽しい時間となり来館者に喜ばれている。
接客も遠くなくやに馴れ馴れしくなく来館するお客様をもてなす設定は屋敷の主人の親しい知人と云う設定なので来館者の希望する名前で呼ぶ。
派手に広告はしてないがしっかりと黒字経営でかなりの人数が屋敷に勤めているが安泰で待遇も良いのでスタッフも満足しているのでスタッフ同士も雰囲気良い。
ロビーに片桐が居ると函南が声をかけてきた。燕服のポケットからシルバーの懐中時計を取り出し時間を見ていた。
「片桐さんもうそろそろ、お客様が入館される時間になりますのでお出迎え致します。」
「はい。」
そういうと本日一番に来館したお客様がロビーに到着して二人で出迎えた。
眩暈 (4)