アメリカの元ウェルター、ジュニアミドル級チャンピオン。
デビュー当初はたしか「レナード2世」と言われてたっけ。
スタイルは違うと思うが、きっとそのくらい勢いがあったんだろう。
初戴冠は1988年、タイロン・トライスに勝ってIBFウェルター
タイトルを獲得。以後7度防衛する。
サイモン・ブラウンはネームバリューがないわりに強いので、対戦相手から
避けられていたイメージがある。
当時ボクシング雑誌の企画「パウンドフォーパウンドランキング」でも
トップテン入りしていた記憶がある。
1991年WBC同級のモーリス・ブロッカーと統一戦を行い10回TKOで
勝ちIBFのベルトを返上する。
しかし同年ジェームス・マクガートに判定負けしてWBCの初防衛に失敗した。
初タイトルを獲る前にもマーロンス・ターリングに負けていて、ブラウンは
技巧派タイプのボクサーに弱さを見せた。
王座を追われたブラウンは1993年、クラスを上げテリーノリスに挑戦する。
ノリス優位の見方が多かったが、自分はノリスがトロイ・ウォータースに打たれ
脆さを露呈し苦戦していた試合を観て、強打者ブラウンを迎えて危ないのではと
思っていた。
予感は的中し結果はブラウンの4回KO勝ち。
この試合初回からノリスはブラウンのパンチでグラついていて完敗だった。
しかし2度目の防衛戦でノリスと再戦しアウトボックスされて判定負けをする。
その後今度はIBFのビンセント・ペットウェイに挑戦し左フックでダウンを奪うが
5回、逆に左フックで強烈なKO負けを喫した。
さらに階級を上げミドル級でもタイトルに挑戦するが、ついに獲得することはなかった。
年齢的なこともあっただろうが、ミドル級では体格に無理があったように思う。
ブラウンのボクシングは、クラウチングスタイルから強烈な左フック、いわゆる
オーバーハンドの右を狙うファイタータイプ。
攻めてくる相手には強いが、スターリング、マクガート、アウトボクシングに徹したノリス
のように、ボクシングが上手い相手にはあしらわれることが多かった。