久しぶりにアナログ盤をかけてみました。
トレヴァー・ピノックが演奏したバッハのチェンバロのためのトッカータ集。
Archev 2533 402と403の2枚。1977年録音で1978年発売。
1980年頃に購入したものと思います。
ピノック氏は1946年生まれなので、この録音は30台前半のものということになります。
裏ジャケの写真が若い。
オフィシャルサイトを見ますと、これがアルヒーフへの最初の録音かもしれません。
この時代、アルヒーフの看板だったヘルムート・ヴァルヒャが1977年に引退し、カール・リヒターが1981年に亡くなっています。
一方でテレフンケンのダス・アルテヴェルクやセオン、ハルモニアムンディといったレーベルからバロックの作品をピリオド楽器で演奏した盤が次々とリリースされるようになりました。
アルヒーフも世代交代で、このピノックやムジカ・アンティカ・ケルンなどを起用したわけです。
当時、このトッカータ集(BWV910~916)は他に録音がなかったので、この盤を購入したと記憶しております。(少し後にグロテスクな演奏のグールド盤が出ました)
バッハの若い頃の作品で、17世紀風に楽想がめまぐるしく入れ替わる情熱的な作品群ですが、ピノック氏はこれを早めのテンポで壮快に演奏しています。
その後CD時代になって数種類の演奏を購入しましたが、最初に聴いた印象がよかったせいでこの盤が今もいちばん気に入っています。
ちなみにこの盤もCD化されていますが、単売ではなく「バッハ大全集」という110枚組のセットの中の1枚という形でしか手に入らないようです。
チェンバロを聴くときに必ず使うカートリッジがサテンのM-117。1979年に購入以来ずっと気に入っているものです。
サテンは他にいくつか入手しましたが、チェンバロの繊細感を出すにはこれが一番です。
上位機種のM-20。これは扱いが難しいというか、盤によっては歪みだらけで音にならないのですが、この盤はわりと普通に再生できました。
M-117よりも芯のある力強い音が出ます。針先のチップを交換するとよいのかもしれません。