ネットオークションで珍しくサテンのM-18BXが続けて出品されていたので、何とかもう一つ手に入れたいとがんばっていたのですが、どちらも3万円を超える値が付いてしまい、とてもついて行けません。確かにもう滅多に手に入らないものではありますけど、カートリッジの古いものはプレーヤーなんかと違って自分でいじることはできないので、リスクが大きいです。なのでそう高い値段はつけられないですね。ワタシとしては。
そのハライセで、軽い気持ちであれこれ入札してたらこんなものを落札してしまいました。
ラックスマンのC12という薄型プリアンプです。値段はサテンの半分以下。
ラックスマンのサイトで調べますと、1977年発売で当時の定価が125,000円というものだそうです。入力は、フォノがMMのみで2系統、AUXが2系統、テープが2系統とチューナーというもの。トーンコントロールもなく、その代わりかどうか「LINEAR EQUALIZER」というつまみがついています。なんじゃこりゃ?
届いたものはひどい状態でした。ボリュームの上にざっくりと疵が入っていて、まるで早乙女主水之介です(爆)。それに電源ランプが点灯しません。
端子も汚れてるなんてモンじゃなくて、ピンコネクタを差すと薄緑の粉がはらはらと落ちる始末。これはコネクタを何度も抜き差ししてサビを落としてから、テクニカの接点クリニカでごしごしと磨きます。それで音は何とか出てくれ、幸いメインボリュームにガリはありませんでした。そのかわりその他のスイッチにはすべて接触不良があり、裏蓋を開けてリレークリーナーをかけて各十数回スイッチを動作。それであらかた回復はしたものの、前述の謎のイコライザのロータリースイッチだけは基板の裏にあるので掃除ができず、接触不良が残ってしまいました。音出しをしていると時々左チャンネルの音が途切れます。これは2日間音出しを行った結果どうにか回復。
フロントパネルはさほどでもなかったのですが、つまみ類の汚れがとりわけひどく、ざらざら加工の中に汚れが入り込んでしまっているので台所洗剤でもハヤトールスプレーでもダメ。漂白剤でようやく落としました。あ~しんど。
さて、音ですが、現用のビクターP3030(これも1977年発売)が微粒子散乱型なのに対して、C12は粘っこい音のように思います。滑らかと言った方がいいかな。フライングモールのパワーアンプとの相性はどちらかといえばP3030の方がいいと思いました。もっとも単に聴き慣れているというだけかもしれません。聞き込むと印象って変わってくるものですしね。
C12とペアになるパワーアンプにはステレオのM12とモノラルのB12があるようです。どちらかの組み合わせで、あのオートグラフミニをならしてみたいものです。
(そういう部屋もほしい。切なる願い。)