耳は節穴

レコード・CD・オーディオ・歌・楽器などの音楽関係のことを書いていきたいと思います。

ラックスマンのプリアンプ

2006年03月28日 | CD

ネットオークションで珍しくサテンのM-18BXが続けて出品されていたので、何とかもう一つ手に入れたいとがんばっていたのですが、どちらも3万円を超える値が付いてしまい、とてもついて行けません。確かにもう滅多に手に入らないものではありますけど、カートリッジの古いものはプレーヤーなんかと違って自分でいじることはできないので、リスクが大きいです。なのでそう高い値段はつけられないですね。ワタシとしては。

そのハライセで、軽い気持ちであれこれ入札してたらこんなものを落札してしまいました。
ラックスマンのC12という薄型プリアンプです。値段はサテンの半分以下。
ラックスマンのサイトで調べますと、1977年発売で当時の定価が125,000円というものだそうです。入力は、フォノがMMのみで2系統、AUXが2系統、テープが2系統とチューナーというもの。トーンコントロールもなく、その代わりかどうか「LINEAR EQUALIZER」というつまみがついています。なんじゃこりゃ?

届いたものはひどい状態でした。ボリュームの上にざっくりと疵が入っていて、まるで早乙女主水之介です(爆)。それに電源ランプが点灯しません。
端子も汚れてるなんてモンじゃなくて、ピンコネクタを差すと薄緑の粉がはらはらと落ちる始末。これはコネクタを何度も抜き差ししてサビを落としてから、テクニカの接点クリニカでごしごしと磨きます。それで音は何とか出てくれ、幸いメインボリュームにガリはありませんでした。そのかわりその他のスイッチにはすべて接触不良があり、裏蓋を開けてリレークリーナーをかけて各十数回スイッチを動作。それであらかた回復はしたものの、前述の謎のイコライザのロータリースイッチだけは基板の裏にあるので掃除ができず、接触不良が残ってしまいました。音出しをしていると時々左チャンネルの音が途切れます。これは2日間音出しを行った結果どうにか回復。

フロントパネルはさほどでもなかったのですが、つまみ類の汚れがとりわけひどく、ざらざら加工の中に汚れが入り込んでしまっているので台所洗剤でもハヤトールスプレーでもダメ。漂白剤でようやく落としました。あ~しんど。

さて、音ですが、現用のビクターP3030(これも1977年発売)が微粒子散乱型なのに対して、C12は粘っこい音のように思います。滑らかと言った方がいいかな。フライングモールのパワーアンプとの相性はどちらかといえばP3030の方がいいと思いました。もっとも単に聴き慣れているというだけかもしれません。聞き込むと印象って変わってくるものですしね。

C12とペアになるパワーアンプにはステレオのM12とモノラルのB12があるようです。どちらかの組み合わせで、あのオートグラフミニをならしてみたいものです。
(そういう部屋もほしい。切なる願い。)


テクニクス SL-DL1

2006年03月27日 | CD
テクニクスのSL-DL1というリニアトラッキングプレーヤーをだいぶ以前に入手し、使えるようにしてきました。でも、ゴム足が一つ足りないのと、カバーに大きなキズがあるため、部品交換に使えそうな程度のいいジャンク品が出るのを待っておりました。

おあつらえ向きなのを、先日500円で1台ゲット(笑)。
届いてみたら、汚れてはいるものの、磨けばきれいになりそうな様子。
電源を入れてみると、ターンテーブルは回り、ストロボスコープもきちんと静止します。残念ながらアームは下りるものの、水平方向へは動いてくれません。
一応念のため、カバーをはずしてアーム駆動部を見ると、前に手に入れたものと全く同じで駆動ベルトがカチカチに固くなっているのと、ギヤのグリスが劣化してやはり固まっておりました。
こんなこともあろうかと余分に買っておいたベルトに取り替え、グリスを拭き取って新しく塗り直してから動かしてみると、あ~ら、ちゃんと動いちゃいました。

カートリッジはP-23というT4Pタイプのもの。針が折れていたので、これまた何かの時のためにと買っておいた交換針をつけて一丁上がり!
我ながら用意が良すぎますね。

さて、動くものが2台になってしまってどうしましょう(笑)

テクニクスSU-3500

2006年03月22日 | オーディオ
往年の名機(かな?)テクニクスのSU-3500というアンプを手に入れました。
1974年発売。もう32年も前の製品です。入手価格は1,300円(爆)。送料の方が高かったですね。

当時購読を始めた「FMfan」という雑誌に故長岡鉄男氏が連載していた「体験的製品ガイド」(後に「ダイナミックテスト」と改題)で確か以下のように紹介されていました
「SU-3500、サテンのM-117、クライスラーのCL-1という組み合わせで、非常に涼しげな音がする。」
もちろん当時の記事は参照すべくもありませんが、組み合わせの機種名だけははっきりと覚えています。
これを読んで、当時中学生だったワタシは、無性にほしくなりましたね。
でも、SU-3500は定価が86,800円。夢のまた夢でした。

クライスラーのCL-1はサランネットの代わりにアルミパネルを張った斬新なデザインの2ウェイスピーカーでした。この上に3ウェイのCL-3という機種もあり、たまにオークションで見かけますが、状態のよいものはなかなか出てきません。
サテンのM-117は就職してから早速入手。12,800円だったと記憶してます。これは真っ白の独特なデザインの高出力MCカートリッジで、装置とソースがうまく嵌れば非常に繊細な音が出てきますが、これがなかなかうまくいかない。いまだに悩まされることの多い針です。
残念ながらどちらのメーカーも消えてなくなってしまいました。
白と銀色の組み合わせ。これに合うプレーヤーは何が良かろうかと随分あれこれ悩んだですね。ヤマハのYP-600かYP-800あたりが良かろうという線で落ち着いたと記憶しています。買えるはずもないのにね(笑)
(でも、30年の時を経て、スピーカー以外はこの組み合わせが可能になってしまいました。ネットオークションのおかげです。)

さて、手に入れたSU-3500ですが、当然何もせずに動作してくれるはずがありません。まずは見える範囲で汚れ落とし。スイッチ類は念入りに動かし、コネクタはよく磨きます。
電源を入れてスピーカー端子から変な電圧が出ていないことを確認し、さらに念のため壊れても惜しくないスピーカーをつないで音出し。ヤター!CDではちゃんと音が出ました。
今度は各入力端子に順次繋ぎ換えて接触を調べます。う~ん、AUX2が接触不良ですね。
それとスピーカーのON-OFFでノイズが出ます。

そこでネジをはずして筐体を開けてみます。思ったほど埃も入ってなくて、中はきれいなものでした。接点にリレークリーナーを吹きかけてからスイッチを動かして掃除。ついでに長いジョイントでつながっているセレクタスイッチの、緩んでいたネジも締め直しました。
しばらく乾かしてから再度音出し。AUX2はスイッチではなくて、どうやら端子が壊れている模様。その他は動作に問題ないようです。
現在のアンプと比べるとトランスもコンデンサも小さくて、大きさの割にはとても軽いです。特に高級なパーツを使用しているわけでもなさそうですし、出力も41W/chと小さめ。
それなのに、とてもエッジの立った切れの良い音が出てきます。ものによってはトーンコントロールでHighを少し落としたくなるくらいです。30年も前の機械だってぇのにこの音は何なんでしょうね。
まだ聴き比べていませんが、マランツPM-17SAやミュージカルフィデリティーA-1なんかと比べたら音の密度では劣るかもしれませんが、PHONO入力のクオリティーでは断然SU-3500の方が上ですね。長岡鉄男氏が、これのプリアンプの部分を一時リファレンスに使っていたというのも頷けます。

これなら入力端子とスピーカー端子を金メッキのものに換えて、ついでにコンデンサも換えて・・・と、またまた夢が膨らんでしまうのでありました。(アホ)

アンプの上に乗っているのは、同じくテクニクスのジャケットサイズプレーヤーSL-7です。
これも昨年競りに競ってようやく手に入れたもの。これもいい機械です。

オーレックスの小型ステレオ

2006年03月22日 | オーディオ
一度手に入れながら、修理に失敗して壊してしまったオーレックス(東芝)のパワーアンプSC-M15K。なんとかもう一台をとオークションでねらっていたのですが、なんと一揃いで手に入ってしまいました。
上からパワーアンプのSC-M15K、プリアンプSY-C15K、FMチューナーST-F5K、ADRESユニットAD-15K、カセットデッキPC-D15Kです。

ただし完動品はチューナーのみ。
プリアンプはEQ DIRECTとOUT OFFのスイッチが引っ込んだまま出てこない。
パワーアンプはSPEAKERSのBのスイッチがやはり引っ込んだままなのと、前に壊したのと同じくリレーが接触不良。
ADRES(東芝独自のノイズリダクションシステム)は右チャンネンルの音が出ない。
カセットデッキは内部のゴムベルトが伸びてしまっているらしく全く動きません。

とりあえずプリアンプのスイッチは、筐体を開けて何とか戻すことに成功。ただし、もう一度押すと自力では戻りませんので、この二つのスイッチは触らないことにします。
パワーアンプは蓋を開けてもどうしようもなく、入りっぱなしのB系統のスピーカー端子を使用。小音量では音が出ないのですが、普通に聞く程度にボリュームを上げれば音は出るので、これで我慢することにして、基本の3点セットは何とか使えるようになりました。
カセットデッキは簡単にいじれないようなので、いずれ専門の修理屋さんに頼もうと思っています。ADRESは用途がありません。

1970年代末頃の製品でしょうか。高級品ならまだしも、こういう普及価格帯の古い製品でちゃんと使える物ってなかなか出ませんねぇ。
音が出ただけマシですかね。今のところはオブジェになってます(笑)

アンサンブル・カプリース(2枚目)

2006年03月07日 | CD
先にご紹介したコレッリに続き、今回はサンマルティーニです。
収録作品は次のとおり。

[1] ソプラノリコーダーと弦楽のための協奏曲 ヘ長調
[2] トリオソナタOp.2-6 ニ短調(2リコーダーと通奏低音)
[3] サンマルティーニ風協奏曲(リコーダー、フルート、2ヴァイオリンと通奏低音)
[4] ソナタ「Sibley」ト長調(リコーダーと通奏低音)
[5] 協奏曲 ニ長調(フルート、2ヴァイオリンと通奏低音)
[6] トリオソナタOp.1-6 ロ短調(2フルートと通奏低音)

1を除いて比較的珍しいレパートリーですね。
[3]は演奏者マウテ氏の作品ですが「サンマルティーニのモチーフに基づいて作られている」と解説に書いてありました。
これがまず滅法おもしろい。バロックの書法で、しかも各楽器がやりたい放題してます。

[2]のトリオソナタは4楽章がトレモロの連続で知られている曲で、普通ダブルタンギングでめちゃめちゃ早く演奏されるのが常ですが、この演奏はそれほど早くなく、でも装飾をめいっぱい入れて楽しく演奏しています。
こんな真似はちょっとできんなぁ。

サンマルティーニは緩状楽章がどれもなかなか美しいのですが、とくに[5]はシチリアーナで出色の出来です。

どれもサラッと演奏したらあまりおもしろい曲ではないと思うのですが、それを腕によりをかけて料理してしまう腕前はたいしたものです。
すごい人たちだ。

古楽方面ですてきなタイトルをたくさんリリースしているカナダのATMAというレーベルです。
(ATMA ACD22273)