耳は節穴

レコード・CD・オーディオ・歌・楽器などの音楽関係のことを書いていきたいと思います。

「オーディオ巡礼」を読んでみた。

2011年01月22日 | 書物

五味康祐氏は、オーディオフェアで講演をしているのを見たことがあります。五反田のTOCでやっていた頃だから、随分昔のことになりますなぁ。
展示されていたパラゴンを指して「こんなもの日本に持ってきたっていい音が出るわけないんだ!」と喝破していたのを覚えています。すごく尊大な態度という印象でした。

作品はこれまで読んだことがありません。剣豪小説は趣味の範疇外だったし、たまにオーディオ雑誌に掲載されている文章をよんでも、正直あまりいい印象は持てなかったですね。
先日購入した「analog」誌の永六輔氏へのインタビュー記事で五味氏のことを少し話しておられたのがきっかけで、何となく読む気になり「オーディオ巡礼」(ステレオサウンド)と「いい音いい音楽」(中公文庫)を購入してみました。

読んでみて、やはり自分の聴いているものなんかとは次元が違いすぎるため、あまり面白くはなかったです。「いい音~」の方はFM放送のエアチェックの記事が多く、最早昔話です。懐かしくはありますが。
でも、ベートーヴェンやモーツァルトだけではなく、ヴィヴァルディの「ヴィオラダモーレ協奏曲」や「ラ・チェトラ(作品9の協奏曲集)」を聴いていたのには少々驚きました。モノラルの時代にそんなレコードが既に存在していたのですね。

記憶に残った記述としては
「若いうちは、あまり装置はいじらず一枚でも多くレコードを聴くこと、音楽そのものに時間をさくことを、私はすすめる。」
そして、
「安価な装置で適度な美音を鳴らすより、高級な装置で真に高級な美しさをひき出す方がはるかにむつかしい。一般に知られざるこれはオーディオの罠だ。泥沼は実にこの、『高級な』と錯覚されたものへの『期待』からはじまってゆく。理屈はともかく、要するに高級な装置ほどうまく鳴り難いと知っておいた方がいい。」
これはそのとおりですな。まあ裕福ではありませんから罠やら泥沼にもはまりようもありませんけど。
でも、今のオーディオ装置ってそういう「高級な」ものばかりになってしまっています。適度な美音はi-podか・・・

「オーディオ巡礼」で取り上げられている音盤の中で1枚だけ持っているものがありました。フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」です。五味氏は「E.Biggsなるオルガニストの弾いたコロンビア盤」を最初に聴いたと書いています。エドワード・パワー・ビッグス(1906-1977)のことですね。さすがにこれは現役盤はありません。
後年シャルラン・レコードから出たので聴き直したと書いているのが写真のガストン・リテーズ(1909-1991)演奏のもの。マスターテープの傷みが気になりますが、今聴いても録音は悪くありません。ワンポイント録音だけに音場に独特の広がりが感じられます。演奏もすばらしい。個人的には「前奏曲~」よりも「コラール第3番」の方が感動的に思われます。

ついでにワタシのおすすめのフランクとしては、ジェニファー・ベイト盤がなかなかいい演奏でした。それとジャンヌ・ドゥメシュの1959年録音のものがベストとおもわれるのですが、これは中古盤を探すしかありません。


楽譜直輸入

2008年05月20日 | 書物

オルフェウスエディション (UT ORPHEUS EDITIONI)という、イタリアのボローニャにある楽出版社のサイトを見ておりますと、他では見かけないような曲の楽譜がたくさんあります。特に全く名前の知られていない17世紀頃の作品、それもリコーダーでできそうな二重奏曲がやけに充実しています。
17世紀後半はリコーダーのレパートリーがほとんど存在しない時代ですので、その空白を埋めるような作品は興味をそそられます。

というわけで、試しにサイトのオーダーフォームから注文してみました。送料は9ユーロでした。恐らく「ディ・アレッツォ」なんかより安いのではないでしょうか。そして、注文からわずか1週間程度で届きました。これは早い!アカデミアへ注文するのと大差ないかも。

届いた中から、フィオレンティーノという作曲家のリュート曲をぼちぼち練習しております。イタリア式のタブラチュアと五線の楽譜が平行して印刷されていてとてもわかりやすい譜面ですが、結構難しくて、曲としてまとまりをつけるには時間がかかりそうです。


レパートリーの候補

2008年04月25日 | 書物

リコーダーは、もうバスばっかり吹いてます。年齢とともに高い音は耳につらくなってきたようです。
(そのくせ声は高いところが出るようになってきました。それもトシのせいらしいです。)

バスリコーダーのためのオリジナルのレパートリーというのは知っている限りで2曲だけ。
どちらも同じ編成で、C.P.E.バッハとグラウンのバスリコーダー、ヴィオラと通奏低音のためのトリオソナタが1曲ずつあるだけです。もしかしたら現代曲があるのかもしれませんが、あったとしても手が出ないでしょうね。

というわけで、バッハのチェロ組曲のアレンジを練習しているわけですが、それ以外にも何かやってみたくて楽譜を探してきました。ドメニコ・ガブリエッリという17世紀後半あたりの人の「無伴奏チェロのための7つのリチェルカーレ」というものです。これの1曲目と2曲目が何とか吹けそうなので、取り組んでみたいと思っています。

CDはもちろんチェロで演奏したもので、アンナ・ビルスマ、ジェローム・ペルノー、ベッティーナ・ホフマンと3枚持っておりました。こいつらを参考にしたいと思っています。

今月後半は怒濤の忙しさ。でも、明日から四連休にできました。お天気も良さそうなので、石鎚山へ行く予定です。


モンテヴェルディのマドリガーレ集

2008年04月12日 | 書物
Doverからマドリガーレ集の4巻と5巻が1冊になった楽譜が出ています。これを購入しました。アマゾンで1,932円(安っ!)
エディターはマリピエロ(作曲家としても有名)で、初版は1927年と古いものの、オリジナルのミスを修正した箇所がきちんと明示されていてしっかりとした内容です。
一緒に写っているのはコンソートオブミュージックのCDですが、どうもこの版を使って演奏しているようです。

先日歌った「Quel augellin」(4巻の14曲目)はPetersの楽譜を使ったのですが、この版とはアルトのパートが少し異なっています。Dover版では低いレ(五線の下に加線が4本)まで出てきて、明らかに男性が歌うパートです。Petersの方は、おそらく女性が歌いやすいように音を替えているのでしょう。

「とことんおでん紀行」

2006年02月12日 | 書物
おでんでこんな本があるのを思い出しました。
おでんを求めて単車で日本中を走り回り、果ては韓国や台湾にまでおでんを探しに行ってしまうという、なかなかに破天荒な紀行です。
黒はんぺんのこともちゃんと書かれていました。
ちなみに中部地方では、さつま揚げ全般をはんぺんというらしいです。

(光文社 知恵の森文庫)