文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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中国というのは政治的に乱暴な国家で、かつて毛沢東が「国民が餓死しても核兵器を開発する」と発言したことがあった。

2023年01月25日 08時31分43秒 | 全般

以下は2022/12/28に、2023年中国の真実、習近平、最悪の5年間が始まった、と題して出版された添付写真の本からの抜粋である。
今を生きる梅棹忠夫と言っても過言ではない宮崎正弘氏と有数の中国通である石平さんの対談本である。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
p171―p176 
腐敗した共産王朝も明と同じように滅びる!
宮崎 
ともあれ、中国というのは政治的に乱暴な国家で、かつて毛沢東が「国民が餓死しても核兵器を開発する」と発言したことがあった。
国民が飢えて死んでも、食料をロシアに提供して代わりに核開発をした。
極端な話、習近平にとって上海市民が半分死のうが関係ないのでしょうね。
石平 
ちなみに、党大会が終わってから、中国国内から出た情報では、上海市に住んでいる資産家たちが一斉に所有していた豪邸を急いで、売りさばいているらしい。
価格は急落している。
だけど、もう価格はどうでもいい。
半値でも売って兎に角、現金を手にして海外に逃げる算段を開始しているそうです。
宮崎 
今は4割安くしても売れないらしいね。
石平 
今、上海で豪邸を買うチャンスですよ。
ただ買った後に、もっと下がる危険性がある。 
いずれにしても極端な習近平独裁政権が出来た。
取り巻きは「イエスマン」ばかりで、有能な人は去っていく。
ということは、我々にとって素嘖らしい政権です。
ようするに中国経済成長の神話は完全に崩れ、経済はドンドン悪くなっていく以外にない。 
ただ、得るものがあれば失うものが出てくる。
前章でも論じ合ったように、経済悪化を糊塗するために、台湾へ侵略戦争を仕掛ける可能性も高まってくる。
しかも、このイエスマンを集めた政治体制下では、習近平が戦争を発動しようとしたら誰も、止める人物はいない。
中国国民も止めることはできない。
というわけで、あらゆる面から見ても、非常に危険な政権です。 
確かに中国政権は、これまでも一党独裁でしたが、党の中で各派閥がけん制し合い、バランスが取れた仕組みがあった。
毛沢東時代でさえ、林彪もいたし、周恩來は毛沢東の子分ではなく終始、毛沢東は彼を警戒していた。
胡錦濤は温家宝とほぼ平等な立場で、とくに経済運営に関しては、温家宝が責任を持って指揮していました。
これからの習近平政権は、首相が習近平国家主席の第一の子分という、前代未聞の体制下でのスタートです。
宮崎 
胡錦濤は、バックに江沢民がいて院政を敷いていたから、彼自身の自由な裁量権はあまりなかった。
だから江沢民支配下の人民解放軍の腐敗には手が出せなかった。
まあ、民主国家の三権分立ではないけど、へんな意味で、権力分立状態だった。
いまにして思えば、まだマシだったと言える。
石平 
習近平は毛沢東になろうとしている。
しかし、悪さの点は変わらないが度量、器量の面で習近平は劣ります。
毛沢東は人を使うのが上手でした。
たとえば、周恩来をずっと首相として使っていたでしょう。有能だったからです。
あるいは毛沢東は2回、鄧小平を追放したけど、必要となれば、再び鄧小平を呼び戻して使った。
もちろん、毛沢東は鄧小平が自分に対して敵愾心をもっていることを知っていました。
しかし、それでも鄧小平が必要なら使いこなすわけです。
しかし、習近平は、イエスマンしか使いこなせない。 
もし、前述したように、李克強を政治局に残し、汪洋を首相に就任させ、胡春草を筆頭副首相にしたら今の局面は全然、違ったものになっていたでしょうね。
中国民衆も外国資本もそれほど失望しなかった。
宮崎 
庶民にとって毛沢東は酷い指導者だったけれど、周恩来がいたから、何とか納得していた。
今度、それがない。
誰に周恩来の役を託したらいいのか、その代わりがいません。
石平 
昔、中国は貧困であれほど酷い状況下でも、周恩来がいるから、何か希望が持てたのです。
しかし、周恩来になるような有能な人物を習近平は使いこなせない。
仮にそのような期待できる人物がいても、自分の地位を脅かすのではないかと疑心暗鬼になって切り捨ててしまう。 
だけど、李克強・汪洋らはむしろ、排除されたことでホッとしたかもしれない。
胸をなでおろしたかもしれない。
というのは、もし汪洋が首相になったら習近平のために『火中の栗を拾う』ことになり、大変な仕事をさせられるところだった。
宮崎 
それで、しかも報われない。
失敗したら責任を取らされるだけ。
石平 
党大会の閉幕式で汪洋たちが排除されることを知りながら憮然として座っていただけなのは、おそらく逆に安心したのかもしれない。
これで自己矛盾から解放される。
後は、李強たちに任せようという心境になっていたのかもしれない。
宮崎 
それと、もう習近平たちの顔を毎日、見なくてよくなったから喜んでいたのかもしれないね(笑)。
石平 
ただ、それって、中国王朝の末期症状を彷彿させます。
明王朝が滅亡したころと同じ。
有能な大臣であればあるほど排除されて、無能なイエスマンたちだけがバカ殿様、バカ皇帝の周辺でウロウロするようになる。
そして最後には、みな一緒に滅ぶしかない。
それが歴史の必然であり、歴史は悲劇として繰り返されるのです(笑)。
宮崎 
ウルムチで2022年11月24日に、コロナ対策の都市封鎖が原因で消防隊出動が遅れ10名が焼死体となった事件をきっかけに、11月27日から28日にかけて、中国全土で反・習近平抗議集会が行われました。
いわゆる「白紙革命」。
このデモの背後に、共青団やディープステート、がいると見る向きもあるかもしれないけど、これは、自然発生の抗議でしょう。
逆に、反習近平の怨嗟に対して、当局側が一種の「ガス抜き」として、デモを暗黙に許可したのかもしれない、だとしたら、かえって火に油を注ぐことになったともいえる。                          石平 
それにしても中国国内で「反習近平」「自由がほしい」の叫びが谺したのは画期的でした。
宮崎 
東ドイツのベルリンの壁も民衆の抗議によって瞬時に崩壊したし、ルーマニアのチャウシェスクもあっというまに独裁者の地位を失い銃殺刑に処せられた。
もしかしたら、「習近平最後の5年間」が始まったのかもしれない。
武漢ウイルスによるコロナ拡散で世界に迷惑をかけた「共産皇帝」が任期をまっとうできずに失脚するとしたら、それは自業自得、因果応報で結構なことでしょう。



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