文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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この事件は中国共産党政権が自国民の生命よりも社会の支配を優先する実例として政権の弱さを露呈し、全世界の中国に対するイメージを激しく変えるだろう

2020年02月11日 22時49分32秒 | 全般

今、もっとも、まともな新聞は産経新聞であることを証明する記事が今日も幾つかあった。本稿ではNHKの報道だけについて言えば、NHKの報道は、中国の真実を全く伝えていない、或いは伝えようとしない、伝える事に及び腰であり報道機関としては致命傷である。反トランプ報道についてだけはNYタイムズ等の論説を引用するが、事が中国に対する批判となると、全くNYタイムズの論説を引用しない不自然さには呆れる。
感染症が暴いた習体制の病弊
米国では中国でのコロナウイルス感染症の爆発的な広がりに対して共産党独裁の根本的な欠陥の露呈ととらえ、とくに習近平体制の失態と危機とみなす認識が広まってきた。
今回の事件は全世界の中国への見方を変え、中国を実際に弱くするという見解でもある。 
米国の官民あげてのいまの中国コロナウイルス論議では日本と異なり「肺炎」という言葉がまったく使われない。
この感染症を肺炎だとする根拠はなく、実態はなお不明だという思考からだろう。 
米国各界ではこの感染症を公衆衛生の危機だけでなく中国という国家のあり方に連結させて習独裁体制を非難する見方が2月上旬までには定着してきた。 
ニューヨークータイムズ紙のベテラン外交記者で中国研究の権威としても知られる二コラス・クリストフ氏は同紙コラムに「コロナウイルスが広がり、全世界が中国の独裁への代償を払う」という見出しの論文を載せた。
脇見出しには「習近平(国家主席)は自分自身の強力な支配を感染症の阻止ではなく情報の統制に使った」とあり、習主席の強権独裁による情報隠しがこの感染症拡大の真の原因だと断じていた。
同記事は武漢市で昨年12月初めにコロナウイルス感染者が確認され地元の医療関係者が警告しても、習政権がその情報を隠し、同医療関係者を国家への反逆容疑で懲罰した経緯を詳述していた。
習政権が感染症を認めた後も対外的に感染症は武漢市内だけに抑えられたという虚偽の報告をしていた点も強調していた。 
クリストフ氏はさらに習主席の責任として以下の点を指摘していた。  
情報隠蔽は習主席が近年、公共への情報開示に不可欠なジャーナリズム、ソーシャルメディア、非政府組織(NGO)、法律家集団という存在を体系的に抑圧し、その機能を奪ったことが背景にあった」その結果、予防や治療ができず、武漢市内からは感染者を含む500万人が中国や世界の各地へ移動した、というのだった。 
スタンフォード大学フーバー研究所のアジア問題の権威、マイケル・オースリン研究員もウォールストリートー・ジャーナル紙に「ワシントンから武漢まですべての視線が習近平に」と題する論文を発表し、コロナウイルス感染が中国共産党政権の独裁の弱みを露呈したと指摘した。
感染症急拡大の原因としては「共産党政権が習体制下でさらに弾圧、秘密、排外を強めたこと」が大きいというのだ。 
そのうえで同論文は今回の感染症と中国の国家のあり方について次のように主張していた。  
この事件は中国共産党政権が自国民の生命よりも社会の支配を優先する実例として政権の弱さを露呈し、全世界の中国に対するイメージを激しく変えるだろう。国際社会での中国在住や対中経済取引の安全性への懸念が深刻になるわけだ」 
中国国内では最初に感染症への警告を発した李文亮医師の死などにより共産党政権への国民の怒りや不信、とくにその統治能カヘの軽蔑が限りなく高まり、習近平独裁体制にかつてない危機をもたらした」 
こうした非難の標的となる習主席をまもなく国賓として招くという日本政府の計画の不適切さはあまりにも明白だろう。
古森義久(ワシントン駐在客員特派員)

 


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