映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

現金に手を出すな (ジャック・ベッケル)- フランス/イタリア、1954年 96分 -

2013年01月18日 01時08分38秒 | ジャック・ベッケル
『現金に手を出すな』
フランス/イタリア、1954年 96分

監督  ジャック・ベッケル
原作  アルベール・シモナン
脚本  ジャック・ベッケル
    モーリス・グリフ
    アルベール・シモナン
撮影  ピエール・モンタゼル
音楽  ジャン・ウィエネル

出演
    ジャン・ギャバン
    ルネ・ダリー
    ジャンヌ・モロー
    リノ・ヴァンチュラ
    ポール・フランクール
    ミシェル・ジュールダン
    ドラ・ドル
    デリア・スカラ





裏社会の者たちが集くレストラン.たまたま表社会のお客がやってきたら、『感じの悪い客』と言って追い返してしまった.つまりここからは、裏社会の考え方で描かれる事になる.
まあ、表社会の人達はこれ以上映画を観るなとは言わないまでも、裏社会の価値観で映画が描かれて行くことを前提にご覧になってください、と言うことでしょう.

金塊泥棒の二人.一人の男はは女に裏切られ、その裏切りが元で最後は命を落とすことになる.他方、今一人の男は随分女にもてたようだけど.
二人とも、もう年で、一山当てたら足を洗おうと考えていたらしい.けれども、結局は仲間の二人が命を落としただけで全てが水の泡に終わってしまった.
一山当てたら、一山当てたら、誰でもそう考えている内に、やり直しの出来ない歳になってしまうもの.
『女にもてる内が花、女に裏切られ命を落とすことになる前に、足を洗うんだ』と、ジャック・ベッケルは裏社会の者たちに、こう言っているのでしょう.


義理、私はこの言葉、嫌いなのですが、一応、辞書を引いてみましょう.
【義理】[名]
(1)物事の正しいすじ道。道理。▽―を通す。
(2)他人に対してしなければならないつとめ。▽―に欠ける。
(3)つきあい上、しかたなくする行為やことば。▽―で寄付する。
(4)肉親ではないが、肉親同様な関係を結ぶこと。▽―の兄。
以上、三省堂国語辞典より

ギャング仲間の二人は、兄弟同様の間柄、迷惑ばかりかける手間のかかる相手であっても、見捨てるわけには行かない.
つきあい上、しかたなくやったのではない.物事の正しいすじ道を通し、肉親同様の親しい友人を救うためにやったのだけど.
と言った具合に、義理という言葉が持つ意味の、よい方だけを連ねて描いた作品です.































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