『情事』 - L' AVVENTURA - (1960年 129分 イタリア)
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
原案 ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本 ミケランジェロ・アントニオーニ
トニーノ・グエッラ
エリオ・バルトリーニ
撮影 アルド・スカヴァルダ
音楽 ジョヴァンニ・フスコ
出演 モニカ・ヴィッティ
ガブリエル・フェルゼッティ
レア・マッセリ
「言葉なんて役に立たない」人間
父親とアンナ
父親 「彼はお前と結婚しないよ」
アンナ 「結婚を望まないのは私よ」
アンナとサンドロ
アンナ 「いいえ話し合う必要があるわ」
サンドロ 「結婚すればもっと話し合える」
アンナ 「結婚なんて無意味よ、それにもう夫婦みたいなものよ」
サンドロ 「話し合ったって時間の無駄さ、言葉なんて役に立たない」、先に、結婚すればもっと話し合える、と言ったのだけど?.
言葉なんて役に立たない、ならば、何が役に立つのか?.(後々の出来事から行くと、彼にとって役に立つのはSEXだけらしい)
魚取りの男
「こんな時間から私が欲しいの」、彼が女の顔を見ただけで、女はこう言った.
男が覗き込むと、女は黙って足を上げた.そして、男は女の胸に手を入れる.
男も女も、情事をするのに、何も言葉を交わさなかった.情事に言葉はいらない.
サンドロとクラウディア
アンナが「一ヶ月も会えないなんて」と言った時、彼は「すぐ、慣れる」と言った.
でも、列車の中で、彼がクラウディアを求めたとき、クラウディアは「アンナが居なくなって、未だ3日しか経っていない」と言うと、彼は「短くはないさ」と答えた.
(物事を考える尺度が、自分の都合で変わる男であった)
「昔の建築の寿命は数世紀.でも今は、20年.だけど、やはり他人の設計した建物の構造計算をするより、自分で設計の仕事をしたい」、教会の屋上で言った、彼のこの言葉、とてもよく分かる気がする.
でも、翌日の設計者のエットレの家では、もう、気が変わっていたみたい.
クラウディア、「明日はあまり首を突っ込み過ぎないで.エットレと手を切るんじゃ」
サンドロ、「確かに、そう言ったけど」
(すぐに、気が変わる男であった)
教会の屋上で「結婚しよう」と、彼はクラウディアに言った.
翌日、「駄目、駄目、もう離さない」と、クラウディアは歌い出すけど、
「それじゃ後で」と、彼は1人で、博物館へ出かけた.
クラウディアが何か言っても、彼は知らん顔だった.
(自分の言いたいことを言うだけで、相手の言うことは聞こうとしない、人間であった)
博物館が開館時間を過ぎても、開いていなかった.「観光客をなんだと思ってるんだ」、怒った彼は、その博物館の建物を描いていた、若い画家のデッサンを、インクをひっくり返して駄目にしてしまった.
「わざとだろう」と言われても、彼は「わざとではない」と、言い張ったのだけど.結局は謝ったのか、いや、彼は謝りはしなかった.彼は殴りかかった若い男に、「自分も若い頃は血の気が多かった」と、こう言っただけで、ごまかしてしまった.
(意味不明のことを言って、ごまかす、人間であった)
友人のアンナが失踪し、その恋人のサンドロを好きになってしまったクラウディア、ラストシーンの直前の、彼女の気持ちを表す言葉.
「アンナが戻ってきて、彼と一緒にいるような気がして」、クラウディアはサンドロを探し求めていた.
「数日前まで アンナは死んだと思って、自分も死んだような感じがした」
「今は悲しみが消えて、彼女が生きてないかと恐れている」
サンドロを好きになったクラウディアは、アンナが戻って来ないことを願った.彼女はアンナが戻ってきてサンドロと一緒にいるのではないかという不安から、寝ることができなくて、邸宅の中をサンドロを探し求めた.そのサンドロは、別の女と寝てたのね.
そして、ラストシーン.
サンドロは泣いた.泣いて謝ったのでしょうが、そのサンドロに対してクラウディアは頭を撫でた.撫でただけで何も言わなかった.
(なんとも言いようが無い事をする男である.SEXすることしか考えていないから)
話を初めに戻して、
アンナは、一ヶ月も会えないなんて、耐えられない、いつも一緒にいたい、そうした気持ちでサンドロと話し合おうとしたのだけど、サンドロは「話し合ったって時間の無駄さ、言葉なんて役に立たない」と言って、彼女の話を聞こうとしなかった.
好き合った男女から、『一緒に居ること』、と、『話し合うこと』、を無くしたら、何が残るのか?.言葉のいらない、情事だけが残るのね.
アンナは、情事だけの関係のサンドロと、これ以上関係を続けることに耐えられなかったので、失踪した.
サンドロは、彼の言葉通り、「言葉なんて役に立たない」人間であった.きっと、クラウディアにも、よく分かったと思うけど.
口では良いことを言う人間なのだが.....
その美しい建物の、その前で、
やることは陰険そのもの.....
いったいどういう性格なのだろうか?
実に白々しくとぼけて、
口車は上手い.が、何を考えてるのか、さっぱり分らない人間.
監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
原案 ミケランジェロ・アントニオーニ
脚本 ミケランジェロ・アントニオーニ
トニーノ・グエッラ
エリオ・バルトリーニ
撮影 アルド・スカヴァルダ
音楽 ジョヴァンニ・フスコ
出演 モニカ・ヴィッティ
ガブリエル・フェルゼッティ
レア・マッセリ
「言葉なんて役に立たない」人間
父親とアンナ
父親 「彼はお前と結婚しないよ」
アンナ 「結婚を望まないのは私よ」
アンナとサンドロ
アンナ 「いいえ話し合う必要があるわ」
サンドロ 「結婚すればもっと話し合える」
アンナ 「結婚なんて無意味よ、それにもう夫婦みたいなものよ」
サンドロ 「話し合ったって時間の無駄さ、言葉なんて役に立たない」、先に、結婚すればもっと話し合える、と言ったのだけど?.
言葉なんて役に立たない、ならば、何が役に立つのか?.(後々の出来事から行くと、彼にとって役に立つのはSEXだけらしい)
魚取りの男
「こんな時間から私が欲しいの」、彼が女の顔を見ただけで、女はこう言った.
男が覗き込むと、女は黙って足を上げた.そして、男は女の胸に手を入れる.
男も女も、情事をするのに、何も言葉を交わさなかった.情事に言葉はいらない.
サンドロとクラウディア
アンナが「一ヶ月も会えないなんて」と言った時、彼は「すぐ、慣れる」と言った.
でも、列車の中で、彼がクラウディアを求めたとき、クラウディアは「アンナが居なくなって、未だ3日しか経っていない」と言うと、彼は「短くはないさ」と答えた.
(物事を考える尺度が、自分の都合で変わる男であった)
「昔の建築の寿命は数世紀.でも今は、20年.だけど、やはり他人の設計した建物の構造計算をするより、自分で設計の仕事をしたい」、教会の屋上で言った、彼のこの言葉、とてもよく分かる気がする.
でも、翌日の設計者のエットレの家では、もう、気が変わっていたみたい.
クラウディア、「明日はあまり首を突っ込み過ぎないで.エットレと手を切るんじゃ」
サンドロ、「確かに、そう言ったけど」
(すぐに、気が変わる男であった)
教会の屋上で「結婚しよう」と、彼はクラウディアに言った.
翌日、「駄目、駄目、もう離さない」と、クラウディアは歌い出すけど、
「それじゃ後で」と、彼は1人で、博物館へ出かけた.
クラウディアが何か言っても、彼は知らん顔だった.
(自分の言いたいことを言うだけで、相手の言うことは聞こうとしない、人間であった)
博物館が開館時間を過ぎても、開いていなかった.「観光客をなんだと思ってるんだ」、怒った彼は、その博物館の建物を描いていた、若い画家のデッサンを、インクをひっくり返して駄目にしてしまった.
「わざとだろう」と言われても、彼は「わざとではない」と、言い張ったのだけど.結局は謝ったのか、いや、彼は謝りはしなかった.彼は殴りかかった若い男に、「自分も若い頃は血の気が多かった」と、こう言っただけで、ごまかしてしまった.
(意味不明のことを言って、ごまかす、人間であった)
友人のアンナが失踪し、その恋人のサンドロを好きになってしまったクラウディア、ラストシーンの直前の、彼女の気持ちを表す言葉.
「アンナが戻ってきて、彼と一緒にいるような気がして」、クラウディアはサンドロを探し求めていた.
「数日前まで アンナは死んだと思って、自分も死んだような感じがした」
「今は悲しみが消えて、彼女が生きてないかと恐れている」
サンドロを好きになったクラウディアは、アンナが戻って来ないことを願った.彼女はアンナが戻ってきてサンドロと一緒にいるのではないかという不安から、寝ることができなくて、邸宅の中をサンドロを探し求めた.そのサンドロは、別の女と寝てたのね.
そして、ラストシーン.
サンドロは泣いた.泣いて謝ったのでしょうが、そのサンドロに対してクラウディアは頭を撫でた.撫でただけで何も言わなかった.
(なんとも言いようが無い事をする男である.SEXすることしか考えていないから)
話を初めに戻して、
アンナは、一ヶ月も会えないなんて、耐えられない、いつも一緒にいたい、そうした気持ちでサンドロと話し合おうとしたのだけど、サンドロは「話し合ったって時間の無駄さ、言葉なんて役に立たない」と言って、彼女の話を聞こうとしなかった.
好き合った男女から、『一緒に居ること』、と、『話し合うこと』、を無くしたら、何が残るのか?.言葉のいらない、情事だけが残るのね.
アンナは、情事だけの関係のサンドロと、これ以上関係を続けることに耐えられなかったので、失踪した.
サンドロは、彼の言葉通り、「言葉なんて役に立たない」人間であった.きっと、クラウディアにも、よく分かったと思うけど.
口では良いことを言う人間なのだが.....
その美しい建物の、その前で、
やることは陰険そのもの.....
いったいどういう性格なのだろうか?
実に白々しくとぼけて、
口車は上手い.が、何を考えてるのか、さっぱり分らない人間.