大相撲

大相撲についての想い

三叉路

2006-09-23 07:47:51 | Weblog
もう十三日目の取組の結果は出ているが、ビデオ録画したので、あとでそれを見るのを楽しみにしているためインターネットのニュース関係のページは一切見ない。というのも、結びの一番及び他の力士の成績次第では、実質的に今場所の賜杯レースが終わってしまっている可能性があり、ニュースの少ない日だと大きく報道されてしまっている可能性があり、見出しが目に入ってしまうとビデオを視るわくわく感が激減するため。

しかし、なんとなく安馬を白鵬そして朝青龍に当てることについては不満感が残っている。横綱の優勝決定を早めることにしかならないと思っているのだろうか。まだ心のどこかで朝青龍と安馬の間は力に数段の差があり、賜杯レースの行方を離れて、一番の取組だけとしてみたときの魅力が乏しいように感じているのだろうか。今場所の安馬は、体重が若干増えたが、相撲がこれまでと大きく違っているわけではなく従来の延長の中で取っていていい結果が出ている(言い換えれば安馬の実力も上がってきていて今の地位では家賃が安くなっている)という展開なので、対横綱ということに限って言えば番狂わせはさほどおきなそうな気がしているのかもしれない。でも、安馬はもうちょっとエレベーター力士の期間がかかるかと思ったけれど、着実に幕内上位の常連になってきた。最近のように負け越しが続いても、奮起して必ず結果に結び付けてくるところが素晴らしい。数日前のNHKゲストの小島太調教師が「強くなる前の千代の富士みたいだ」と言っていた。以前、何かの取材で安馬が「貴ノ花(父の方)になりたい」と言っていたのを読んだ記憶がある。安馬はいずれ小結の最高位は塗り替えるだろう。彼の道は三つのパターンが開けているように思う。千代の富士(横綱、それも大横綱)か、貴ノ花(大関、それも名大関)か、名関脇(体格的には寺尾など)。何かブレークスルーがあれば、大関くらいは期待できるだろう。でもそれより上を目指してほしいし、可能でもある。そうなるかもしれないと思って見ると、ますますこれからが楽しみになる。

雑感・九月二十日

2006-09-21 13:28:17 | Weblog
芝田山親方が「全国スイーツ巡業」なる著作を出した模様。どうやら、各地でふれた美味しいスイーツを連ねたものらしい。さすが、現役時代からケーキ作りを趣味としていた親方だけのことはある。

これで思い出すのが、以前名古屋場所で観戦後に食事をしていた店に芝田山親方もおられ、会話がぎりぎり端々が聞こえてくるくらいの距離でカウンターに数人の間を置いて並んで座っていたときのこと。店の主に「デザートでパンプディングもありますよ」と言われて「え、パンプキン?」とききまちがえて聞き返していた親方。このときも、この会話が断片的に聞こえてきて、その瞬間、この人は甘党だったのだと思った記憶がある。

さて、雅山が六敗目を喫し、残る三役陣も五敗となり、把瑠都も休場ということで俄かに来場所の上位がどうなるかが読めなくなってきた。今の三役全員勝ち越すかもしれないし、ぼろぼろ負け越すかもしれない、微妙なところ。この数日が当たり前だがカギになる。

今日白鵬、明日朝青龍と当たる安馬。さあ明日終わった時点で何勝になっているか。

栃東と朝青龍の今日の対決が今場所の賜杯争い(がいつきまるか)のカギとなりそうである。

九月場所十日目

2006-09-20 08:00:31 | Weblog
朝青龍があそこまで確実に琴光喜に勝つのは何か理由があるのかもしれない。三役定着力士とほぼ毎場所取って二十回以上続けて負けないというのはよほどの集中力をもっていないと難しい。その原動力は何か。もちろん、上がってきた頃にライバルと目していたことはあるだろう。でも今や大横綱と名関脇ではかなり開きがある。それでも集中力が切れず取りこぼしがないのはなぜだろう。もしかしたらまだ取的の時代、相撲エリートの琴光喜に対して、高校中退して叩き上げの朝青龍が忘れられないような何か大変悔しい想いをしたことがあったのかもしれない。ほんの些細なことで、エリートの人間は一瞬で忘れるような出来事を、叩き上げの人間が一生覚えているようなことは、一般人の世界でも間々ある。

琴冠佑の事件は本当に残念だ。本当に永い間大相撲の世界にいて、先代佐渡ヶ嶽の薫陶を受けて関取にまでなって、ピークを過ぎてもなお土俵にこだわってきたような人がなぜあんなことを、と訝しくすら思う。本当に単にカッとなっただけなのか。何か引き金になるような伏線があったのではないか。時々人というものはまったく意図していなかったことをしてしまって事件に巻き込まれてしまうことがある。というか、そうとでも考えたいというのが正直なところだ。

白鵬と雅山がやっとそれらしくなってきた。白鵬は熊ヶ谷さんのカミナリが落ちたらしいが、逆にそれで目が覚めてもう大丈夫かな、という気がする。雅山はもし今日の横綱戦を含めて残り全部勝つことができれば、上げてあげたい。

把瑠都は自分の体をうまく取り扱うこと、怪我対策もそうだし体重対策もあるが、それが今後の最大の課題の一つになっていきそうだ。

今場所、横綱大関戦で最も横綱に土をつけそうなのは、栃東ではないかという機運が出てきた。こういう期待を抱かせてくれるので、綱とりに失敗しても、しょっちゅう怪我をしても、やはり目が離せない存在である。

九月場所九日目

2006-09-19 15:00:39 | Weblog
琴欧州は単に体が大きいだけでなく、賢さも備えているから、スピード出世を果たしてきたのだと思ってきた。今回のクレーム事件、取組結果については誰がどう見ても黒海の手は先に着いているのに、誰も問題として取り上げなかったということは、言い換えればそれだけ琴欧州の体が明らかに死んでいたということに琴欧州本人が気付けなかったのだろう。しかし、勝負が決まったときの体勢を見ると、勝負として勝った手ごたえはいずれにしても琴欧州にはあまりなかったのではないか。ともかく、琴欧州はそんなに貧しいCPUの持ち主ではないはずだと期待したい。例えば、この一番での判定に異議を唱えることによって、かつて師匠が朝青龍に勝っていたのに取り直しにされた一番がやはり誤審だったということの問題提起をするための師匠想いからでた勇み足だったのではないか...なーんて訳もないだろうから、素直に反省してほしい。急激な外国人バッシングにつながりかねないので。

黒海のダメ押しは酷い。あれは厳重注意してほしい。師匠からも協会からも。

琴光喜が急に失速。タニマチに占い師がいて、「九」が呪いのアンラッキーナンバーだと宣告されたのではないか。気がついたら勝ちすぎていたのであわてて千秋楽で「八」で着地するために調整をかけているのでは。と勘繰りたくなる失速。

安馬は、把瑠都に対してやはり立合い突いていった。そのあと組んだのは作戦なのか、突ききれなかったのか。うがった見方をすれば、朝青龍戦法(突き押し)と普天王戦法(双差し)のどちらか一方だけでは勝算が薄いと思ったか、立合いの突きで懐を空かせて、そのあと双差しを有利に組もうと考えたのか。しかし、結果としては安馬の白星にはなったが、踏み出しということで勝負には負けている。とはいえ、肩越
しに抱え込まれた軽量力士であってもあそこまで抵抗できるということがわかったということは、今後さらに攻め方の追求をするネタになるだろう。

露鵬は、朝青龍の右差しを封じることに執着して自分が左上手を取ることに失敗してしまったように思える。横綱に差されても自分がそれ以上に早く左を掴んでその瞬間に投げに行くような勝負を掛けていったほうが良かったのではないか。そうもいかないか。

把瑠都対策

2006-09-18 15:14:19 | Weblog
把瑠都の突き押しへの抵抗力の弱さがかなり如実になってきた。千代大海・朝青龍・白鵬と。今日の安馬戦では安馬にはあえて同じように突き押しで徹底してせめてみてほしい。安馬が立合いであの巨体を押しまくって勝ったらさぞ会場は沸くだろう。

把瑠都はこういう攻め方をされないためにも立合いの鋭さを磨くとともに、やはり突っ張りを絡めた攻撃を攻め手のオプションに入れていくべきだろう。

把瑠都に対しては組んでも勝ちうる人は露鵬のほかは白鵬・琴欧州くらいか。190㌢級でもよほど力がないと、肩越しに上手を取られて負けてしまう。例えば旭天鵬のように。

先場所の普天王のように双差しになって完全に腕を返してしまうという手もあるが、かなりのスピードが必要だろう。

ということで、今一番、誰でも試してみられそうで可能性が高そうなのが立合いでの徹底した突き押しだろう。

先場所苦杯を喫した琴欧州は、今場所どのような取り口で当たるのか、今から楽しみである。