大相撲

大相撲についての想い

初場所千秋楽・初場所総括

2006-01-28 01:06:07 | Weblog
今1.800文字書いたら、ブラウザがとんでしまって書き直し。気を取り直して。

千秋楽、印象に残ったのは白鵬が先場所の借りを返して琴欧州にかったこと。この調子が維持できれば来場所11勝(三場所合計33勝)は余裕だろう。それ以上必要、とか協会が言い出しそうな気もするが、それ以上求めると大関の基準じゃなくて、その上の基準になっちゃうよ。

同じことは栃東にも言えて、今場所は間違いなく大関相撲を超えた相撲だったけど、来場所優勝できなかったり13勝できなかったら上がれないのかな。優勝争いすればあとは優勝しようがしまいが、12勝でも13勝でもいいのでは。結局それで上げた方が相撲界は発展するよ。横綱のポテンシャルは十分にあるでしょう。

で、そのときに一つ横審や協会にお願いしたいのが、日本人横綱待望、とかいわないこと。まず、栃東は十分な実力あるのだから、それを正当に評価すればよい。それと、今、有望な人たちはたまたま外国人が多いけれど、彼らは日本人と同じように入門して稽古して上がってきた人たちだということ。その努力は過大評価する必要もないが正当に評価すればいいのであって、それによって横綱のなりやすさが変わってはいけないということ。もはや大相撲はグローバルスポーツなので、日本人優遇みたいなつまらないことは横審にも協会にも決して言わないでほしい。もっと、世界のすごいやつが相撲界の門を叩くようになった方が絶対に相撲は発展する。それで切磋琢磨して日本人で強いのが出れば正当に拍手をおくればいい。そうでなくても、イコールコンディションで稽古して上がってきた外国出身者を賞賛すればいい。アメリカ大リーグでホワイトソックスに高津と井口が入って日本人二人だ、すごいね、なんていうことを言うんだったら、各部屋外国人一人までなんていう規制もやめるべき。自分がもし祖国を離れて異国でその国の国技に挑戦する立場だったらと考えたら?そこまでして守りたいものは何?そうしないと守れないものがもしあるのなら、それはなぜ?本当に、外国人ばかりが上がってくるのはいけないこと?彼らは本当に相撲の心が日本人よりもわかっていない?今後も、何国人であろうと、気風のいい相撲を取る人がどんどんあがってくることを望むのみ。

そういう感情の発露ではないと思うが、なぜ安馬は三賞の条件付候補にもならなかったのか?横綱には確かに技能相撲で勝った。ほかの相撲も敢闘精神がいつものように人一倍あった。立会いの呼吸は多少問題ありだったが。これで千秋楽勝って10勝してたらどうなった?下の番付の北桜がもし10勝できたら敢闘賞だったが、そのとき、同じ勝ち星を挙げてしかも横綱に勝った安馬は何もなし?何か、三賞は選考プロセスがうまく機能していないに違いない。ちなみに、個人的には北桜に賞をあげることは大賛成だったが。それで北桜にはヒーローインタビューで号泣してほしかった。でも、負けてもインタビュールームに現れて、残念な想いを語っていった北桜。そのプロ根性には拍手を送りたい。

今場所、栃東や三賞力士、各段優勝力士以外でハッピーだったのは誰?新三役確実の露鵬か?寶智山の悲願達成?久々復帰の玉力道?新婚で好成績を残し奥さんにプレッシャーを与えなくてすんだ北勝力?

成績は伸びなかったが、新入幕嘉風は、流れが悪くてもがむしゃらに取ることで自分の方に流れを引き寄せられるような精神力の強さを感じることがあった。幕内残留できる可能性もあるので、来場所どうさらに成長してくるか期待したい。

稀勢の里はどうしちゃったのか。ブレークスルーじゃなかったのか。このまま最高位小結くらいで終わっちゃうのか。あの、負けたときの悔しそうな顔に伸びしろを期待したい。しかし、鳴門部屋の力士は若の里しかり、隆乃若しかり、どうもポテンシャルあるのに伸びきらない人が多いように思う。出稽古しないから?

来場所の展望としては、栃東がそろそろフルポテンシャル発揮で横綱に、白鵬大関に、という気がする。朝青龍は、数ヶ月のツケが出ているので、数ヶ月しないと戻らないのではないか、と思う。古参二大関は、千代大海は勝ち越しくらいはするだろう。魁皇も稽古さえできる体調に戻れば角番脱出はなんら問題ないが、そうでないとXデーもあるかも。琴欧州は今場所の十勝から一つくらいは上積みできるだろう。ただ、なんとなく相撲の風格が薄く、優勝というところまではもう一歩かかりそう。琴光喜は今場所並みか。上位で今場所大負けした多くの力士たちに来場所は奮起してほしい。誰か意外な人が大ブレークしないか。たとえば十文字とか。

とにかく、3月まで相撲が見られないのが残念。

初場所十四日目

2006-01-22 12:15:40 | Weblog
この日の横綱にはプロの意地を感じた。一昨年秋場所だったかの九勝どまりだった時のように、十三日目の負けで優勝も消え体も痛く、気持ちが切れて残り全部負けて無様な姿をさらす可能性なきにしもあらず、と危惧していた。場合によっては休場してしまうことすらも。特に今場所琴欧州にまた負けてしまうと、苦手を作ってしまうこともあり。しかし、横綱の横綱たる所以、はっきり言って調子のいいときなら立合いすぐ仕留めていたとは思うが、相手の体勢を崩すように腕を手繰り出し投げを打ち、で琴欧州を土俵に這わせた。逆に、琴欧州には今後綱とりが話題になっていくためにはこういう取り組みで風格を見せてほしいと思うし、そのためにはもう一皮か二皮むける必要があるように感じられた。とにかく、今日はあくまでこの前の二番、白鵬-時津海、栃東-北勝力が優勝争いという点で重要な取り組みであったのは間違いない。しかし、優勝の可能性がなくなった横綱と琴欧州の二人がどのような精神状態で臨んでどれだけポテンシャルを出し切るのかという点で、結びの一番もやはり見逃せない取り組みであると思っていた。そして、横綱が心技体のバランスを欠く中でも「心」で気迫の相撲を見せてくれたところに、やはり今の大相撲は面白いんだという満足感がひたすら感じられた。

もう一つ、ここにきて感動しているのが、玉乃島の姿。中日まで一勝しかできていなかった上、一番一番とり終わってから分厚いテーピングをしている肩をおさえてうずくまってしまうような状態だったので、またいつものように三役と平幕のエレベーターか、と見てしまっていた。が、どうだろう、十四日目まで五分の星に戻してきたのは見事な精神力と言わざるを得ないのでは。今場所の経験を経て、新しい何かを掴んでくれないだろうか。横綱大関陣と対等に戦い得て、もしや勝つかも、と思わせてくれる数少ない力士の一人なので何かブレークスルーがあれば三役定着は十分できると思うので。そういう意味で千秋楽の岩木山戦に勝って勝ち越せば、ウラ敢闘賞をあげたい。

しかし、そうなってくると、三役の空席は旭天鵬が落ちる一個だけ。NHKでは露鵬当確と言っているが、仮に露鵬が九勝止まり、筆頭の雅山が千秋楽の相撲で勝ち越せば、雅山が上がる可能性もあるのではないか?ゆえに、千秋楽の露鵬-北勝力、雅山-安馬も見逃せない。

ということでアンラッキーなのが横綱と二大関をやぶった黒海。下位に負けて今日勝ち越しをかけるということになってしまった。悲願の三役はいずれにしても先送り。でも勝ち越せば殊勲賞あげてよいのでは?千秋楽はやはり勝ち越しがかかる高見盛。展開の予想としては、立合い黒海攻め込むも、土俵際で高見盛の例の粘り腰でいつのまにやら体勢入れ替わり、高見盛の勝ちというような画像が思い浮かんでしまうのだが...

勝ち越しをかけての対決、ということでは、若手ライバル対決の稀勢の里-豊ノ島も面白い。十四日目に嘉風に圧倒されてしまった稀勢の里の状況からは、豊ノ島の勝ちのような気もする。

あとは、琴奨菊-北桜戦。北桜は今場所が人生のピークなのでは?十勝したら敢闘賞をあげてほしい。

それから、土佐の海、嘉風あたりは今日勝てば幕の内に残れる可能性も出てくるので、なんとか残って来場所も幕の内でとってほしい。とすると、落ちるのは駿傑、片山、若兎馬、栃栄、あたりか。十両からは栃乃洋、皇司は間違いなくあがるだろう。潮丸、大真鶴、玉春日、琉鵬あたりにとっては千秋楽が大事な相撲になるだろう。その意味で十両も見逃せない。

おまけに幕下も確か八人くらいで決勝戦のはず。とにかく千秋楽まで今場所は見逃せない相撲ばかりで実に満足感が高い。

最後に、三賞予想:
殊勲:白鵬、黒海(勝ち越せば)
敢闘:北勝力、時津海、北桜(十勝すれば)、白鵬(優勝すれば)
技能:安馬

ちょっと大盤振る舞いかもしれないが、今場所は大目に見てもいいのでは。

千秋楽、チケット売り切れでうれしいながらも残念ながらテレビ桟敷観戦だが、北の富士・舞の海コンビの解説で思う存分楽しみたい。


初場所十三日目

2006-01-20 23:00:48 | Weblog
今日は天覧相撲。そうでなくても今日は国技館に見に行きたい重要な取り組みのある日。両陛下も実にいいときに来たものだ。今日国技館に行ってた観光できてた外人客はさぞ嬉しかっただろう。きっと帰国したら知り合いに、エンペラーを見たというに違いない。今日結びで横綱が負けたら、天皇の前で座布団は舞うのだろうか。しかし、自分が天皇だったら、貴賓席の解説は理事長じゃなくて北の富士さんあたりを指名したい。だって北の湖って木で鼻をくくったようなことしか言わないんだもん。シラクが来た去年の大阪でもほとんど理事長はシラクとしゃべらないで安藤忠雄と駄弁っていた。天覧相撲の土俵入りはたまにしか見られないから一度本番で見てみたい。

笑ったのが、序の口臥牙丸の優勝のインタビューで、アナウンサーが「今場所は前に出てましたね」と訊いて、通訳をうけた臥牙丸が日本語で「はい」と答えたところ、通訳のグルジア人の人が「前にでてました」と通訳したこと。しかし、外国出身の若い衆は「目標は」と訊かれて明確に「横綱」と答えるのに、日本人はなぜ控えめなのだろうか。部屋に帰って苛められるということもあるまいに。

一つ気になるのが、旭鷲山が11枚目でこれまで7敗してること。いつもの帳尻合わせの計算が少し狂ってきたか、衰えが来てるのか。さすがに今日は勝った。

そういう意味では、土佐の海も大丈夫か?

初場所十二日目

2006-01-20 22:25:01 | Weblog
結びの一番、白鵬の勝ち。横綱が両差しのまま腕も返さず褌もつかまず、別人のように漫然と寄って出るところ、白鵬が極めかけながらの小手投げであっさり土俵際逆転し、横綱は俵を割った。小手投げの具合、極まり具合、終わってから肘を痛そうにさする横綱の姿、いずれも、白鵬が往年の魁皇、横綱がなんども魁皇に肘をぶっ壊された玉乃島の姿にだぶって見えた。やはり横綱はかなり普通じゃない。この終盤に来てそれがより一層鮮明。この調子だと休場してない残りの両大関にも負けるな。

初場所十一日目

2006-01-20 01:04:42 | Weblog
この日はほとんど結果的に意外だった取り組みはなく順調に進行。

しかし、優勝争いがもつれそうな雰囲気になってきて、千秋楽まで優勝の他にも三役、三賞、入幕、十両昇進といったあたりが楽しみな展開になってきたのでチケットを買い求めようと思ったが、もはや千秋楽は桝席どころか椅子席も売り切れだという。いつもの東京場所でも週末は枡席AやBが売り切れることはあったが、椅子席が全て売切れなんていうのはこの数年、まったく記憶がない。おそらく、平日だって開始時刻さえ遅ければ今の状態だったら売り切れるのではないか。日本人の格闘技好き、昨年の稽古総見公開やふれあい感謝祭の集客力、そして今場所の土俵の充実ぶりからすれば、決して不思議ではないが、やはりライブとしてのレベルが高くなってくれば足を運ぼうという意思のある観客がこれだけいるというのは安心する。おそらく今の主力の顔ぶれは数年このままかそれ以上にふくらむだろうから、これを機会に協会は大相撲の人気がsustainableになるような打ち手を根本から考え直してほしい。もちろん桝席の広さや開始時刻の見直しもそう。横綱・大関昇進基準が厳しすぎるのもそう。メディア戦略もそう。もう高見盛のような飛び道具に依存するのはやめて、相撲競技の魅力や力士の格好よさなど、本来の姿をいかに大衆に理解してもらえるかを考えるべきだ。横綱審議委員会もそういう提言をもっとしてほしい。