大相撲

大相撲についての想い

仕上がり

2006-09-08 05:20:55 | Weblog
白鵬の不調がしきりに報道されている。踏み込みが甘く、左の上手に依存するあまり
前に出る力が出せないでいるようだ。しかし、個人的にはこれで昇進へのストーリー
ができあがったように思っている。

自分の過去の日記を見ると、先場所前の白鵬は、のりにのっていて鳴戸部屋へ出稽古に行って若の里や稀勢の里を寄せ付けなかったようだ。でもふたを開けてみると初日黒星を
喫したばかりか、相撲も終盤になるまで今ひとつだった。

先場所と同じ展開で場所を迎える方が不安感があって、むしろこれで隙のない相撲を
とるのではないだろうか。そして、今ぶちあたっている壁を直前の稽古と精神力で乗
り越えることで一皮むけてまさに横綱に相応しい姿に一歩進化し、ファンも白鵬の先
場所の無念さと現時点の不調を知っているだけに必死で応援する。そして千秋楽結び
の一番、横綱との相星決戦を制し、十三勝二敗で二回目の優勝と共に日下開山の称号
を勝ち取る。こんなストーリーではないか。

おそらく、そろそろ名伯楽の熊ヶ谷親方が動くのではないか。きっと何か目から鱗が落ちるようなアドバイスをする。白鵬の強みは、偉大な父と、そして完全に信頼関係を築いている実質的師匠の二人の庇護があることだ。おそらく、彼らが何かをするだろう。

はっきりいって白鵬の相撲はこの二場所あまりよくない。大関昇進場所がベストだったように思う。左上手を掴んでの右四つが完成したと言っても、そこからの投げは強引でありながら決まってきたのが最近の場所であったように思う。白鵬は、一つの勝ちパターンでないと勝てない相撲でなければ、明らかな負けパターンがあるわけでもない、「負けない相撲」であって、ベストでなくても優勝争いができるわけだから、あとは目先の左上手を立合いの一瞬だけで掴むことにこだわりすぎずに、立合い圧倒する中で結果として左が取れて右を差しているという形になればよし、そうでなければ突っ張っていく中で左を取っていくような形になればいいと達観できればいいだけではないだろうか。

手のひらをいためていたという不安要因はあるが、夏の巡業でもよく稽古していたということなので、迷いを吹っ切れば大丈夫なように楽観視している。

同じく、朝青龍も稽古では相当把瑠都に苦戦したようだが、これも逆に個人的には安心材料になる。だいたい、ああいう大きい力士相手になめてかかったときが横綱が星を落とす最大のパターンなので、稽古で負けまくったことで横綱はよく研究するだろうし相手のスケール感もある程度つかめただろうから、本場所ではそれほど不利にはならないのではないか。把瑠都も、まだ手の内を隠しながら稽古するほどの老獪さはないと思うので、稽古ほどに有利には展開できないように思う。把瑠都のポテンシャルな怖さは、立合いあたって、突っ張るなりしながら体勢を作って、肩越しでなくてしっかりと正規に回しを掴んで、相手を吊り上げてしまう技を完成させたら、たとえ横綱でも何もできなくなってしまうことだ。まあいずれにしても今場所はいよいよ把瑠都と朝青龍の対決があることは確実なので、楽しみに待っていよう。先場所の千代大海戦のように、立合い変化することだけはやめてほしい。