古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

下益城塚原村小木大明神 笹踊り

2018-01-12 22:44:51 | 享保年間の熊本藩古文書

享保四年九月四日

一、下益城塚原村小木大明神之祭礼 九月九日にて候 前々より宮下の氏子共神前に於いて笹踊り仕 神事勤め来たり候 当年も旧例之如く軽ク笹踊りにて神事相勤め度由 御惣庄屋廻江彦左衛門書付御郡奉行衆より相達せられ候に付例書相添へ御家老中へ相達し願いの如く仰せ付けられ候事

 塚原村というのは塚原古墳群で知られる所で、現在は熊本市と合併して所在の名称は熊本市城南町塚原である。塚原の小字に小木という集落がありそこに小木大明神はある。現在の社名は小木阿蘇神社。上記古文書は御郡方役人の起案による紋切型の文章であるのだが一カ所だけ単調を破る修飾語がある。「当年も旧例の如く軽ク笹踊りにて・・」という箇所の「軽ク」である。公文書に似つかわしくない主観語でよくも見過ごされたものだと思うのだがこの欠点があるために後世の者には却って面白い。


六殿社 流鏑馬神事

2018-01-12 15:33:27 | 享保年間の熊本藩古文書

写真は六殿社ホームページより転載させていただきました。

享保四年九月四日

一、下益城守富庄木原村六殿大明神之祭礼九月九日にて候 前々より流鏑馬にて神事相勤め候 然る処宝永七年より当日一日 操仕神事相勤め候に付当年も旧例の如く神事相勤め申し度吉 杦嶋次左衛門 廻江彦右衛門書付御郡奉行衆より相達され候に付例書相添え御家老中へ相達願いの如く仰せ付けられ候事

 ここの流鏑馬神事は現在も行われている。毎年10月、第2日曜あたりに設定されている。住民参加型の笹踊り神事は廃れてしまっているのに、何故この神事が現代に受け継がれているのであろうか。