古文書を読もう!「水前寺古文書の会」は熊本新老人の会のサークルとして開設、『東海道中膝栗毛』など版本を読んでいます。

これから古文書に挑戦したい方のための読み合わせ会です。また独学希望の方にはメール会員制度もあります。初心者向け教室です。

鉄砲玉薬の下げ渡し 南郷野尻手永

2018-01-09 17:35:16 | 享保年間の熊本藩古文書

享保四年九月四日

一、南郷野尻手永山付きの村々、猪、鹿大分出、作毛荒れ候に付き、鉄砲の薬、弐貫五百八拾目拝領なされ下され候はば、猟師共へ相渡し打たせ申度由、御御惣庄屋、野尻清右衛門書付御郡奉行衆より差し出し申され候に付き、御家老中へ相達し願いの通り拝領なられ候に付き、則其の段右御郡奉行衆へ此の方より申し遣わし候事 

 鉄砲の玉薬は藩が管理していたようである。現代でも銃は警察の許可のもと、弾薬の数量は厳重な管理下にある。野尻手永は高森峠の向こう側草壁村あたりが手永の中心地。日向、豊後と国境を接する山間地で、猪、鹿の生息地でもある。その猪、鹿も増え過ぎると駆除されるのは現在も同じだが、現代社会は山間地人口の減少と高齢化により駆除がままならないという問題を抱えている。


薄場渡に仮橋を架ける

2018-01-09 16:06:51 | 享保年間の熊本藩古文書

享保四年九月六日

一、白川筋薄場渡に例年の如く仮橋を懸け、往来の者共より壱銭宛取り申し度由飽田郡嶋新村御百姓共願い奉る通り村庄屋書付郡奉行衆より差し出され候に付き、例書相添え御家老中へ相達し願いの如く仰せ付けられ候事

 田崎方面から川尻へ行く際、薄場橋を渡るコースが最短である。長六橋コースは東へ大きく膨らむので遠くなる。そのために仮橋が懸けられたのであろう。通行料金が1文というのは安い。普段の渡し船ではそんな安値にはできなかったであろう。