肴菜屋「わたり」

季節の魚・野菜を楽しめる和食の店が垂水にオープンしました!

After Twenty Years (二十年後)・・

2011年10月26日 | 肴菜屋「わたり」

前にもブログに登場してもらったオー・ヘンリーの短編小説に”After Twenty Years”というのがあります。僅か数ページの短編ですが、すごく記憶に残っています。短編小説を要約するのは難しいですが、ざっと次のようなストーリーでした。

二人の親友、ボブとジミーが、「20年後のこの時間にここで再会しようぜ、お互いに元気でいればサ・・」と言って別れる。20年後の約束の時間が近づいた頃、ボブはその場所に立ってジミーを待っていた。別れた当時のレストランは別の建物になっていたが、その場所に間違いはない。夜も更けていたので人通りも少なく、警官が一人街を巡回しているくらいなものだった。

その警官が近づいてきたとき、「何でもないよ、お巡りさん、友人を待ってるだけなんだ・・」と、ボブは、煙草に火をつけながら20年前の約束の話をする。その胸には奇妙に見えるほど大きなダイヤのタイビンが輝いていた。「おれは一山当てようと西部に出発したんだ。ジミーはこの街をどうしても出たがらなくてな。あいつにとっての世界はここだけだったんだ。」その警官は、「興味深い話だね。でも20年というのは長すぎる時間だね・・」と呟いてその場を立ち去る。

やがて、もう一人の男が現れ、”ジミー!”、”ボブ!”と互いに呼び合い、あんなにチビだった君が随分ノッポになったものだ・・さあ心ゆくまで昔話をしようぜ・・と腕を組んで歩き出す。が、裏通りからドラッグストアのある表通りに差し掛かった時、「ちょっと待てよ、お前はジミーじゃねえな!」とボブは叫ぶ「20年は長い時間だが、人間の鼻を鷲鼻から獅子鼻に変えるほど長くはあるめえ」。

ジミーと思われた男は言う「善人を悪人に変えてしまうには十分な時間のようだがね。」・・この男は本物のジミー、つまり先ほど巡回していた警官から連絡をうけてボブを逮捕しにやってきた別の警官であった。ジミーは20年前の約束のことを思いながら街を巡回していたとき、自分を待っているボブの顔が煙草に火をつけるライターのあかりで浮かび上がるのを見て、それが指名手配中の男であることを確信したのだ。友人を自分の手で逮捕するにしのびず、同僚にその役割を頼んだのだった・・・

先日、同級生と23年振りに再会したことを書いていたとき、このストーリーを思い出しました。幸か不幸か私達の20年は、ボブほどドラマチックではなく、どちらかと言えば(地味~な)ジミーに近いものだけれど、それでも色んなことが駆け抜けていった20年でした。これからの20年もあっと言う間に過ぎるんだろうな・・そう思うと毎日が愛おしいような気がします・・物思う秋!


☆ ランチメニュー「肴菜御膳」(1800円)および「わたり御膳」2700円)は、恐れ入りますが、前日までに(できれば3日前くらいまでに)予約をお願いします。

☆ 団体様(18名様まで)のご予約も歓迎!ご予算ご希望に応じますのでご用命ください。

肴菜屋「わたり」

神戸市垂水区坂上2丁目1-25
電話番号 (078)751ー7588
営業時間:
(昼)11:30~14:00 (ラストオーダー13:30)
(夜)17:00~22:00 (ラストオーダー21:30)
定休日:水曜日(原則)

 【”神戸っ子ゴハン”記事へのリンク:http://www.kobekko-gohan.jp/2010/06/-50.html

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