
さて、ベスト100と言いながら101位以下を紹介していた前3回だったが、ようやく本題に入る
101位まではタイトル紹介だけで、いくつかピックアップして紹介記事を書いたが、ここからは全作品に短めの、時には長めの、紹介記事をつけていこうと思う。
では、第100位から98位をご紹介
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98位 デジャヴ (トニー・スコット)
99位 バックトゥザフューチャー (ロバート・ゼメキス)
100位 ターミネーター (ジェームズ・キャメロン)
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100位 『ターミネーター』
101位まではタイトル紹介だけで、いくつかピックアップして紹介記事を書いたが、ここからは全作品に短めの、時には長めの、紹介記事をつけていこうと思う。
では、第100位から98位をご紹介
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98位 デジャヴ (トニー・スコット)
99位 バックトゥザフューチャー (ロバート・ゼメキス)
100位 ターミネーター (ジェームズ・キャメロン)
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100位 『ターミネーター』

前回記事で101位を『ターミネーター2』とした。もちろん2も好きだし、1と2はセットでオススメしたい作品ではある。
だがしかし、どちらか選べと言われれば、私の場合『1』である。
映画としては『2』の方が優れていると思う。しかしSFとしては『1』の方が優れていると思う。
いや「映画ベスト○○」なんだから映画として優れている方を上にしなさいよ、と思われるかもだが私は「映画として優れている映画」より、「SFとして優れている映画」の方が好きなんだ。ん、なんだか自分でもよくわかんなくなってきたぞ。
タイムトラベル作品に多いのは歴史を変えてしまうことである。でも、そうした展開には昔から疑問を感じていた。ターミネーターの場合、未来のコンピュータ「スカイネット」の反乱がなくなったら、カイルがサラに会うことは無くなるし、ジョンが生まれることもなくなってしまう。最近のSFはマルチバースという便利な考え方で、歴史が変わっても、歴史を変えた本人はそれを認識できないまま、自分以外の世界が、新しい世界線で再設定されることが当たり前になってきた。
でもそもそもマルチバースに私は否定的である。人生を、人間を軽視しすぎてやいないか。
歴史変えちゃう系タイムトラベル作品より、何をしても歴史は変わらない系タイムトラベル映画の方が好きなのである。
ドラえもんでいうと「白百合のような女の子」の回みたいのが。
と言いつつドラえもんの基本設定はのび太の未来を変えるためにだったりもするが、こういう矛盾もまた楽しむのだ
話をターミネーターに戻す。ラストの「嵐がくる」というメキシコの少年の台詞を聞くサラの表情。すべての運命を受け入れ、しかし抗おうとする悲壮な決意を感じて、『2』の溶鉱炉サムズアップよりよほど深い感動を覚えるのである。
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99位 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

歴史変えちゃう系タイムトラベル映画はどうこうと言っておきながら、これはないだろと、われながら思う
とはいえ、バック・トゥは私を映画好きに覚醒させた作品でありベスト100に入れないわけにもいかないと思ったのだった
でもな、1985年に戻ったマーティだけが立派なお父さん世界線マクフライ家の16〜17年の記憶を持っていない。
ダメダメだった父との間にも素敵な思い出はあったろうし、愛していたはずだった。
ドラえもん例えをまた持ち出せば、「木こりの泉」における、「きれいなジャイアン」を選んで「本物のきたないジャイアン」は泉の底に置いてきぼりにするようなラストと言えなくないだろうか?
時間という泉に落とした父との思い出
マーティ、あなたが落としたのはこのビフをぶん殴ってママのハートを射止めたかっこいいパパですか?
いや、そんなかっこいいパパじゃないよ
あなたは正直です。このかっこいいパパをどうぞ

けれども、アラン・シルベストリのテーマ曲が鳴り響けば自動的に胸は熱く、心は昂り、タイムパラドックスなどなんのその、軽快なテンポと楽しいギャグで一気に見せてくれる、やっぱり傑作だし、あの素敵な中学時代の思い出とともに心に蘇る大切な作品である。
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98位 『デジャヴ』

大好きなトニー・スコットの多分最高傑作
こちらは過去に干渉できるタイムテレビの話。またどこでもドア的に過去に飛ぶことも可能。ただし片道だけ
本作は過去を変えてしまった。しかしただ変えてハッピーエンドなわけではない。とてつもなく大きな代償を払うことで歴史を修正したのである。全てを得ることはできない。しかし何かと引き換えならできるのかも。大きな歴史変更のためにはより大きな対価を払う。
そこが切ない。
それを言えば『ターミネーター2』だって、T-800シュワ型ターミネーターという代償を払ったし、『バックトゥザフューチャー』だって気弱で頼りないお父さんを時間の生贄にして素晴らしい未来を手に入れたし…
けれども本作の犠牲はやはり大きく感情を揺さぶるし、一方でその犠牲が完璧なまでに美しく感動的なハッピーエンドへと導いていく脚本はとてもうまい
ターミネーターやバックトゥなんかは今さらネタバレなど恐れずにいくらでも語れるが、そこまで有名でもない本作は最低限のネタバレで留めねばならず、具体的に言えなくてもどかしい。
早い話が『デジャヴ』は是非観てください!
なんだか、「おススメ タイムトラベル映画3選」みたいな100位~98位になりました
それではまた映画ベスト100でお会いしましょう
次回は97位〜96位、日本映画です