黒い回転ゴミ日記

日々のあれこれ。

仁義

2005-01-13 15:35:29 | インポート
もう間もなく”一柳慧「オペラ横尾忠則を歌う」”という歴史的なアルバムがCDで再発される。1969年に世界初のピクチャーレコードとして発売された伝説のレコード。
僕がデザインの仕事をしていた頃、猛烈に横尾忠則にあこがれていた時期があり、このレコードの存在を知ったとき、必死になって探し回った。もちろん発売から20年位経っていたので、簡単に買えるわけもなく、それでも必死になり探しまくった。もちろんインターネットなどの時代でもなく、ひたすら電話しまくりそして遂に探し当てた!探し初めてからかなりの月日が流れていた。もう言葉で表現できない歓びだったのを覚えている。電話で話したそのレコード店のお姉さんが偶然にも仙台出身で、しばし色々と話しをしたことも覚えている。そして送られてきた荷物を御開帳し、手にしたときは合掌もので、「もう死んでもイイ」と思えるほどの感動だった。未だに僕の所有するレコードの中でも1,2のお宝である。
それがCDで再発されるとは嬉しい!でも少し悔しいかな。僕個人にとってもかなり思い出深いレコード。
内容は一柳慧と横尾忠則のコラボレート・アート作品。一柳慧が一番尖っていた頃の作品で最高!横尾忠則が歌っていたり、サウンド・コラージュがあったりのサウンド・アート。横尾忠則は未だに尖っているが、でも一番充実していた頃とも言える時代の作品がジャケットやピクチャー盤に描かれていて、レコードそのものが紛れもないアート。オリジナル・レコードは世界中のコレクターから未だに探し求められている逸品!!!

このレコードに高倉健や内田裕也がフューチャリングされているのだが、その高倉健で思い出す出来事が一つある。僕が小学生のガキの頃、両親が健さんの映画を揃って見に行くことになったのだが、ガキの僕を預ける人もいなかったのか、僕がダダをこねた為にそうなったのかは定かじゃないが、なんとその任侠映画に連れて行かれてしまった。もちろんガキが見て楽しめる代物であろうはずもなく、俺様は「帰る」とグズりはじめてしまい、親たちも仕方なく帰る羽目になった。僕も家に帰ったはいいが「仁義を知らぬ大馬鹿者!」とばかりに怒られる始末。しかし、任侠映画をキャッキャいいながら見るガキがいたら末恐ろしいだろう・・・任侠映画に連れて行かれた僕も迷惑な話。それにしても僕にとって後々その映画は、知らず知らずに様々な影響を与えていた気がする。だってその後、小学生の僕は高倉健のレコードを、貯めた小遣いで買い聞きまくっていたもの・・・ガキの聴く音楽じゃないって!今思うと。