小林美希さんの著作『看護崩壊 病院から看護師が消えてゆく』(アスキー新書)を紹介します。
この本は、看護師に焦点を当て、看護師不足の実態やその原因である看護師の労働状況、医療現場に関する国の制度の問題点などをまとめています。患者さんの命を預かる看護師がどのように働いているか、あなたは知っていますか?
国による看護師の労働実態についての調査はほとんどないため、地域や労組、一病院など小規模の調査がもとになっていますが、それでも看護師の労働条件のひどさが浮かび上がってきます。
まず、印象的なのは、毎年10万人の看護師が疲れ切って「バーンアウト」し、仕事を辞めているという事実です。全国の看護師数は約143万人で、年々1.5万人程ずつ増えていますが、その裏で毎年10万人もの看護師が離職しています。ある調査によると、仕事を辞めたいと「いつも思う」が21.7%、「ときどき思う」が57.6%おり、合わせて8割にものぼります。仕事を辞めたい理由の上位5つは「人手不足で仕事がきつい」(46.1%)、「賃金が安い」(37%)、「思うように休暇が取れない」(35.4%)、「夜勤がつらい」(30.5%)「思うような看護ができず仕事の達成感がない」(30.5%)となっています。
看護師の仕事のきつさの原因は、時間外労働を申告できない職場の雰囲気によるサービス残業と、24時間患者を看るための交代制にあります。以前このブログで紹介した看護師の村上優子さんの過労死もそうでした。優子さんの勤務実態に近い、過労死の危険がある看護師は全国で2万人に上ると推計されています。実際、「日勤-深夜」という実質24時間勤務ともいえるシフトが月9回あり、他の夜勤も合わせれば月15回もの夜勤に入るという状況が各地で起こっているといいます。
こういった労働条件のひどさが、看護師不足の大きな原因となっていると小林美希さんは指摘します。患者の高齢化による合併症や認知症への対処、医療訴訟が増えるなかで看護記録を詳細につけることが求められるようになったなど、看護師の業務は増大し続けています。しかし、看護師の絶対数が不足しているため、大病院に看護師が偏在するようになり、病院によっては病床数の減少や入院病棟の閉鎖が現実のものとなり始めています。
過労死するような労働条件を変え、看護師が定年まで勤め上げられるような職場を作らなければ、看護師不足で医療は崩壊してしまいます。
小林美希さんの『看護崩壊』から見えてくるのは、自分たちの健康を犠牲にして医療を行う看護師の悲惨な職場の状況です。看護師の置かれている大変な状況に対し、適切な人員配置による個々人の負担軽減などの措置を早急に取る必要があるのではないかと思います。
***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************
「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
働き続けざるを得ない人々が大勢います。
厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
制定を求める運動に取り組むことにしました。
1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと
【署名へのご協力のお願い】
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
≪署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。
まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
【連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会準備会
HP:http://www.stopkaroshi.net/
twitter:@stopkaroshi ブログの更新のお知らせや過労死についての情報をお届けしています。ぜひフォローしてください!
◆東京事務所(本部)
〒104-0033
東京都中央区新川1丁目11-6 中原ビル2階
Tel・Fax:03-5543-1105
◆大阪事務所
〒545-0051
大阪市阿倍野区旭町1-2-7
あべのメディックス2階202
あべの総合法律事務所内
TEL:06-6636-9361
FAX:06-6636-9364
この本は、看護師に焦点を当て、看護師不足の実態やその原因である看護師の労働状況、医療現場に関する国の制度の問題点などをまとめています。患者さんの命を預かる看護師がどのように働いているか、あなたは知っていますか?
国による看護師の労働実態についての調査はほとんどないため、地域や労組、一病院など小規模の調査がもとになっていますが、それでも看護師の労働条件のひどさが浮かび上がってきます。
まず、印象的なのは、毎年10万人の看護師が疲れ切って「バーンアウト」し、仕事を辞めているという事実です。全国の看護師数は約143万人で、年々1.5万人程ずつ増えていますが、その裏で毎年10万人もの看護師が離職しています。ある調査によると、仕事を辞めたいと「いつも思う」が21.7%、「ときどき思う」が57.6%おり、合わせて8割にものぼります。仕事を辞めたい理由の上位5つは「人手不足で仕事がきつい」(46.1%)、「賃金が安い」(37%)、「思うように休暇が取れない」(35.4%)、「夜勤がつらい」(30.5%)「思うような看護ができず仕事の達成感がない」(30.5%)となっています。
看護師の仕事のきつさの原因は、時間外労働を申告できない職場の雰囲気によるサービス残業と、24時間患者を看るための交代制にあります。以前このブログで紹介した看護師の村上優子さんの過労死もそうでした。優子さんの勤務実態に近い、過労死の危険がある看護師は全国で2万人に上ると推計されています。実際、「日勤-深夜」という実質24時間勤務ともいえるシフトが月9回あり、他の夜勤も合わせれば月15回もの夜勤に入るという状況が各地で起こっているといいます。
こういった労働条件のひどさが、看護師不足の大きな原因となっていると小林美希さんは指摘します。患者の高齢化による合併症や認知症への対処、医療訴訟が増えるなかで看護記録を詳細につけることが求められるようになったなど、看護師の業務は増大し続けています。しかし、看護師の絶対数が不足しているため、大病院に看護師が偏在するようになり、病院によっては病床数の減少や入院病棟の閉鎖が現実のものとなり始めています。
過労死するような労働条件を変え、看護師が定年まで勤め上げられるような職場を作らなければ、看護師不足で医療は崩壊してしまいます。
小林美希さんの『看護崩壊』から見えてくるのは、自分たちの健康を犠牲にして医療を行う看護師の悲惨な職場の状況です。看護師の置かれている大変な状況に対し、適切な人員配置による個々人の負担軽減などの措置を早急に取る必要があるのではないかと思います。
***「過労死防止基本法」制定実行委員会が求めていること***********************
「過労死」が国際語「karoshi]となってから20年以上が過ぎました。
しかし、過労死はなくなるどころか、過労死・過労自殺(自死)寸前となりながらも
働き続けざるを得ない人々が大勢います。
厳しい企業間競争と世界的な不景気の中、「過労死・過労自殺」をなくすためには、
個人や家族、個別企業の努力では限界があります。
そこで、私たちは、下記のような内容の過労死をなくすための法律(過労死防止基本法)の
制定を求める運動に取り組むことにしました。
1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
2 過労死をなくすための、国・自治体・事業主の責務を明確にすること
3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと
【署名へのご協力のお願い】
私たちは「過労死防止基本法」の法制化を目指して、「100万人署名」に取り組んでいます。
≪署名用紙≫(ココをクリックお願いします)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入いただいた上で、東京事務所もしくは大阪事務所まで郵送をお願いしたいと思います。
まずは過労死のことや過労死防止基本法を多くの人に知っていただきたいので、ツイッターでつぶやくなどして広めてもらえると助かります。記事の一番下についているボタンからも気軽にツイートできますので、ぜひともご協力お願い致します!
【連絡先】 ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会準備会
HP:http://www.stopkaroshi.net/
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