うつをしまって

うつ病となってしまった自分の毎日綴ります。うつ病でも普通に生活してますよ。
辛いときもあるけど。

博士の愛した数式

2006-11-19 22:26:05 | 読書
小川洋子作
「私」「博士」私の息子「ルート」が織り成す、素朴なでも特別な時間。
その三人をつなげるのは、数学と阪神タイガース(江夏)
この物語には野球選手の固有名詞しか出てこない・・・

主人公の「私」は記憶が80分しかもたない障害を持った「博士」の
元に家政婦として仕事に就く。
初めての挨拶は決まって数字について、「君の靴のサイズは?」
「電話番号は?」「出生時の体重は?」など。

夕方になると、「ルート」を交えて楽しい時間をすごすが、次の朝は
また同じ質問。

「素数」「完全数」「友愛数」など知っていても深く考えたことが
無い数字の羅列を「博士」は分かりやすく「私」に説明してくれる。

奇跡の物語と書いてあるが、結末は奇跡でもなんでもない。
ただ「博士」はシングルマザーである「私」や「ルート」大きな影響を
与えたのは確かだと思う。

純文学というのはめったに読まないがとても心温まるストーリーで
また切ない運命も感じる。

映画化もされていて、機械があったら見てみたいと思う。
また付け足すなら、今年の文庫本お勧めNo1だそうです。

今は大好きな赤川次郎の三毛猫ホームズを読んでます。