
銀河鉄道といえば誰でも知っている宮沢賢治
賢治の父、政次郎は実父に「父親過ぎる」と言わしめたほど、長男の賢治に思い入れが深い
賢治は成績が良く、政次郎は小学校までしか通わせてもらえなかったが当然進学を希望する賢治を中学校へ
さらに盛岡高等農林学校に
家業の質屋をつぐことを拒み、ほかの事で父親を納得させようというように飴工場を作るとか、人造宝石を作って売るとか言い出す
それでも政次郎は賢治を応援し、賢治の創作した詩や童話の一番の愛読者となる
かなり複雑な宮沢賢治、映画で見た時と同じイメージに血肉がついた感じで面白かった
妹のトシと賢治自身の結核での最後の闘病場面は、ちょっと読んでてきつかった><;


宮沢賢治の生涯をえがいた映画
賢治と妹のとしは子供の頃、アンデルセンの童話を読んで楽しんでいた
その時賢治はとしに「お兄ちゃんがおもしろい物語を書いてアンデルセンになる」と約束する
賢治は家業の質屋を嫌って、中学を卒業後さらに農林学校に進学
鉱石から宝石を作って・・・・
とか法華経に傾倒するなど、、、
父親の政次郎はそんな賢治を全面的に愛して支える
そんな中、妹のとしが結核を患う
賢治はとしに聞かせるために、風の又三郎などwo
創作する
(妹との約束、アンデルセンになる)
注文の多い料理店などが出版されるが、売れないでほとんど買い取ることになってしまう
としの亡き後は政次郎が賢治の作品の一番の読者になるからと、執筆するようにと促す
密度の濃い中身の多い賢治の人生(としと同じ結核で37歳で没)
Wikipediaを参考にしても、ワタシの頭では断片的にしか残らない><;
我が家に、分厚い絵本で注文の多い料理店を持っていたけど、あの本、大事にとっておけばよかったな~
逆転の発想でおもしろい本です@@


今上天皇がイギリスのオックスフォード大学に留学された2年間余りの模様を、ご本人である徳仁親王がご執筆されたエッセイ
4月にこの本が再販されるとニュースで聴き、すぐに図書館へリクエストした
なので、再販された新しい本ではない
1993年発行された内容をそのままに、あとがきを新たに書き加えた文があるらしい
天皇陛下とはいえ、新たな経験に向かうときは緊張しドキドキもする
そして、食堂で想像外のお肉を注文してしまい食べるのに苦労するなどの失敗をしたり、慣れない事に苦労する場面が失礼ながら可笑しい^^;、、、
洗濯やアイロンがけ、寝室のすき間風に悩まされるなどユーモアを交えてとても詳しく書かれている
そんな文章が感情的でなくたんたんと綴られて爽やか
読んでて、こちらがそのまま体験してるようなドキドキ感
景色を描写した文は、読んでて景色が想像できるよう・・・こちらも楽しい気分になる
そうして読み進めている内に、研究テーマの資料集めのため図書館通いに大変な苦労をする場面が出てくる
資料が手書きの英語や古い言い回しなど、コピーや携帯カメラで写しておくなどできない環境で、たいへんな苦労だったろうと想像する
そしてその努力に尊敬する!生半可なことではできない
半面、立場上素晴らしい人たちの協力を得て、2年余りの留学生活が音楽活動(ヴィオラ)スポーツ(テニスなど)史跡めぐりのツアー、ヨーロッパ各国への旅行など、非常に充実している
これだけの内容を消化して、以後の活動に生かされていくべく、身に着けることもある意味辛くないだろうか?
徳仁親王にエールを送りたい!!
再販本を購入したくなった


スウェーデンの本
訳者は坂本あおい
映画『オットーという男』の原作本
映画の主人公はオットーという名前だけど、原作ではオーヴェという男となっている
39の章があって、オーヴェの若いころの事が交互に出てくる
長編なのに細切れの時間で読んでいるから、経過が追えなくなって2回読んだ
2回目は若い時の章は読み飛ばした
文章に例えが多くあり、例え(説明)は頭の中で思った事だから今起こっている事と混ざってしまう
不愉快な顔ひとつにしても、主語と述語と修飾語の入った文章で例えているから、ややこしい
読んでてこんがらがって、前の文に戻ってみたり・・・なかなか大変だった
訳者あとがきに
「さて、あらすじの紹介は本のカバー裏に任せるとして、、、、」とあるので、そのカバー裏の文章をそのままお借りした
ー無愛想で頑固な59歳のオーヴェ。いかめしい顔で近所の見回りを欠かさず、ルールを守らない人間には遠慮なく説教する。みなにけむたがられるタイプだ。妻に先立たれ、長年勤めた職場も止めることになった彼は、孤独な日々を送っていた。しかしある日、向かいの家に引っ越してきたにぎやかな若い一家、そして一匹の野良猫と、不本意ながら交流するはめになって・・・・。世界の人々が笑い、そして涙したスウェーデンの感動長編ー
融通の利かない堅物、誰かさんに似てなくもない^^;
それでも関わるみんなから好かれ、頼りにされ、真面目なだけに可笑しみがあって、愛すべきオーヴェという男です
もう一回読んでも良いかな・・おもしろい!!


新型コロナウィルス感染拡大を受けて、緊急事態宣言が発令されて学校も休校となってしまった2020年3月(3年がたったんだな~)
信州の小さな信濃山病院(病床200床)は、地域で唯一の感染症指定医療機関になっている
呼吸器内科医が存在していない中、内科医に限らず外科医も協力して発熱外来の診療を担当している
未知のウイルスに対応して1年が過ぎようとしていた2021年1月、中等症患者の酸素濃度が下がり始め、重症化のリスクがあるため、呼吸器内科医が複数所属している規模の大きな中央医療センターへ搬送している場面から物語は始まる
主人公の消化器内科医は18年目の医師(作者自身)
12月から感染拡大が続き、第三波に入ろうとしている気配
発熱外来に数珠つなぎになる受診者の車の列
車内にいる患者にiPadを持たせてのオンライン診療
CTに見える肺炎の画像は、通常ならば入院のレベルだが、ベッドに空きはなくホテル療養にならざるを得ない
不安な患者は入院を希望しているが、それをホテル療養に振り向けるべく説得している医師の苦悩
正に医療崩壊ではないか!と主人公の医師は考える
そんな緊迫した医療現場の描写が生々しい
作者はそんな診療現場に翻弄されながら、この本を書かずにはいられなかったとあとがきで述べている
これを書かなければ逆に自分はこの異常な医療現場に向かう事が出来なかったと
睡眠を削りながら書いたと
この未知のウイルスとの戦いの、最前線に立たされているここは正に砦、小さな砦なのだ
今、マスクをするしないは個人の判断でよい、と言われる段階になってはいるが、医療現場はまだまだ緊張が続いている事だろう
経済を優先しなければ日本が立ち行かなくなる、と飲食店の経営者の報道が連日TVに流れていたが、医師や看護師は命を張って毎日を頑張っていた(いる)
補償金の不正受給のニュースが腹立たしいワタシです!


先日 観に行った映画『Dr.コトー診療所』
『Dr.コトー診療所』は2003年にフジテレビで放送されていた人気ドラマ
2006年にはシーズン2が放送されて、相当な人気ドラマだった
放送されてた頃に連続して見ていたわけではないが、主役の吉岡秀隆クンが好きで時々見ていた
このドラマの原作本が同名のマンガ(作者は山田貴敏)
このマンガのDr.コトーは、瀬戸上健二郎外科医がモデル
Dr.瀬戸上(せとうえ)氏が鹿児島県にある離島の下甑島(しもこしきじま)にある診療所へ赴任したのは昭和53年5月、37歳の時
6ケ月で退職するとの約束で赴任したが、いつの間にか20年以上たってしまった
離島・僻地医療のさまざまな問題にぶつかりながら、村長の協力によって医療環境を整え、4000人余りの人びとの信頼を得ていく
彼は開胸手術が得意だというくらい、優秀な外科医!
1人しかいない医者ならば、外科医の方がいろいろと対応できるのだろうなと思う
さまざまな患者に向かい合った体験が、リアルなだけに面白い・・と言ったら不謹慎かもしれないが、とても興味深い本でした!!


キングって多分、須田の事
『チーム』や『ヒート』に登場している山城が所属している、実業団陸上部の監督になっているのが須田
彼が現役最後の頃の物語
須田は現役の時、ガラスのランナーと呼ばれるほど怪我が多いマラソントップランナー
日本最高記録を持っている須田が怪我を克服して、オリンピック代表選考試合に再起をかける
残り一枠の選考試合
同じ大学時代に陸上部の同級生だった武藤と青山も出場する
ヒロインは青山
青山は優勝経験はないが、常に2・3位と上位入賞する実力者
冒頭、青山にドーピングの誘いが入ってくるところから始まるこの本
青山を中心に須田・武藤のそれぞれが、30歳を超えて引退も視野に入れ、オリンピック選考試合に臨む思い・・・・・
とても面白かった^^v

2021年に書かれた本
夏目金之助は明治33年、文部省第一回の給費留学生としてイギリスに渡る
留学費が支給されるけれどもイギリスと日本との差が大きく、生活は大変だった
少しでも安い下宿を探して数回引っ越しをする
シェークスピア研究に力のある教授に個人授業を受けるが、大学の講座を受講するまでの費用の余裕はなかった
金之助は英文学を学びたかったから、相当数の書籍類を買い込んだ
文部省には半年ごとに近況報告をすることになっていたが、留学費用の少なさに不満があったためこれを怠った
そして誰なのかは不明だが、この書物の山に埋もれて一日中読書をしているらしいと考え『夏目は神経に異常をきたしたようだ』(夏目狂セリ)と文部省に打電したらしい
これらの事が漱石が霧の多いどんよりとしたロンドンの気候のため、神経衰弱(鬱?)をきたし早々に帰国した・・・と誤解されている(ワタシが思っているだけかな?)
金之助は美術館を頻繁に訪れたり、自転車の練習をしたり、スコットランド地方に旅行したりとイギリス生活が有意義なものになっていた・・・・と思う
何しろミチクサ先生の内容は盛りだくさんでここに簡潔に書くことができない^^;
読み終わることが残念で、夏目漱石の本をもう一度読み返してみたいな!と思う^^;
学生の頃に吾輩は猫である・坊ちゃん・草枕・三四郎・それから・門・こころを読んでいるが
夏目金之助は明治33年、文部省第一回の給費留学生としてイギリスに渡る
留学費が支給されるけれどもイギリスと日本との差が大きく、生活は大変だった
少しでも安い下宿を探して数回引っ越しをする
シェークスピア研究に力のある教授に個人授業を受けるが、大学の講座を受講するまでの費用の余裕はなかった
金之助は英文学を学びたかったから、相当数の書籍類を買い込んだ
文部省には半年ごとに近況報告をすることになっていたが、留学費用の少なさに不満があったためこれを怠った
そして誰なのかは不明だが、この書物の山に埋もれて一日中読書をしているらしいと考え『夏目は神経に異常をきたしたようだ』(夏目狂セリ)と文部省に打電したらしい
これらの事が漱石が霧の多いどんよりとしたロンドンの気候のため、神経衰弱(鬱?)をきたし早々に帰国した・・・と誤解されている(ワタシが思っているだけかな?)
金之助は美術館を頻繁に訪れたり、自転車の練習をしたり、スコットランド地方に旅行したりとイギリス生活が有意義なものになっていた・・・・と思う
何しろミチクサ先生の内容は盛りだくさんでここに簡潔に書くことができない^^;
読み終わることが残念で、夏目漱石の本をもう一度読み返してみたいな!と思う^^;
学生の頃に吾輩は猫である・坊ちゃん・草枕・三四郎・それから・門・こころを読んでいるが


『ヒート』から話が続く『チームⅡ』
東海道マラソン大会でペースメーカーの甲本と、ゴールまで50メートルという所までなお並走していた山城
山城がテープを切ると思われるところで『ヒート』のストーリーは終わっている
『チームⅡ』は山城が左膝の怪我の手術後、術後の受診のためアメリカに訪れているところから始まる
この左膝のケガは東海道マラソン大会からのものらしい
東海道マラソン大会から数年後
『チーム』の駅伝から7年後
山城はそのケガと実業団の所属チームが解散する話などが持ち上がる
30歳になる山城はこれらのことから引退を本気で考える
山城らしい引き際をさせたいと、浦たちがチーム山城を立ち上げてサポートしようとする
チーム山城は始動するが・・・・・
最後がやはり感動的で読後感最高!!
『チームⅢ』もぜひ読みたい!!


前作『チーム』の2冊目
といっても内容がそのまま引き続きというわけではなく、トップランナーの山城の話
と、もう一人、ハーフマラソンの日本新記録保持者の甲本と2人ヒロイン
箱根駅伝は10人のチームで2日間、1人20キロづつ走る
大学駅伝だから選手は大学の名前をしょって走る
宣伝効果は大きく、大学側は力を入れる
そんな状況で42.195キロを走るマラソンの低迷が続いていることに、神奈川県知事が憂う
そして、東海道マラソンを新設
新たに作るマラソン大会
県職員の音無(おとなし)が企画を進めていく
知事の思惑は、この東海道マラソンで日本のトップランナーである山城に世界新記録をだしてもらおうという事
そのために音無が山城に会って出場を要請するが、あっさりと拒否される
マラソンにはペースメーカーという存在があって、甲本にペースメーカーを依頼
前作の『チーム』のキャプテン浦も登場して、なかなか面白い!!
不安(夫の事)があって何かと集中できない昨今のワタシ
このスポーツ小説がとてもスッキリ時間が過ぎる
身につまされるような不幸がない、から^^;


図書館にリクエストしてから2年越し
それだけ人気の本なんですね
瀬尾さんの本は5冊目
優子の母親は優子が幼いころに亡くなり、記憶にない
小学入学の頃、お父さんは梨花さんと再婚する
優子が5年生の時に、ブラジルに転勤することになったお父さん
この時、お父さんと梨花さんは離婚し、優子は日本に残ることを選び、実の父親と別れることになる
それから梨花さんの愛情に包まれながら、梨花さんの再婚などに振り回される形で父親が変わる結果に
瀬尾まいこの本は善人しか出てこない^^;
最後には優子はしあわせに、そして実の父親との事も・・・・・謎が解ける
この言葉に感銘を受けました
自分じゃない誰かのために毎日を費やすのって、こんなに意味をもたらしてくれるものなんだ。
自分のために生きるって難しい。何をしたら自分が満たされるかさえわからないんだから。
高校1年から結婚までの期間を育ててくれた森宮さんのセリフ
まさに今のワタシに言ってくれているよう


円紫さんと「私」シリーズの5冊目
この本は3つの短編からなる
1つ目の山眠るには、俳句の事が登場人物の口からいろいろと出てくる
大学4年の『私』は、アルバイトをしていた出版社に就職が決まり、姉には婚約者が登場する
の2つ目走り来るものはリドル・ストーリーの小説が出てくる
『私』は入社して2年になり、姉には女の子が生まれる
3編目が朝霧で、漢文字ばかりが並んだ暗号のような謎
『私』は仕事が忙しいなか、意中の人に気付く
と、『私』の成長と共に年数を消化していく
2つ目のリドル・ストーリーってワタシは知らなかったのですが、話の中に出てくる課題(謎)の結末を読者に読み解いてもらう物語(小説)
だから中途半端で終わっている話
この本も難しい内容でした;;
