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『臨床の砦』-夏川草介-

2023-02-19 21:16:43 | 映画DVD&本


新型コロナウィルス感染拡大を受けて、緊急事態宣言が発令されて学校も休校となってしまった2020年3月(3年がたったんだな~)
信州の小さな信濃山病院(病床200床)は、地域で唯一の感染症指定医療機関になっている
呼吸器内科医が存在していない中、内科医に限らず外科医も協力して発熱外来の診療を担当している

未知のウイルスに対応して1年が過ぎようとしていた2021年1月、中等症患者の酸素濃度が下がり始め、重症化のリスクがあるため、呼吸器内科医が複数所属している規模の大きな中央医療センターへ搬送している場面から物語は始まる

主人公の消化器内科医は18年目の医師(作者自身)

12月から感染拡大が続き、第三波に入ろうとしている気配
発熱外来に数珠つなぎになる受診者の車の列

車内にいる患者にiPadを持たせてのオンライン診療
CTに見える肺炎の画像は、通常ならば入院のレベルだが、ベッドに空きはなくホテル療養にならざるを得ない
不安な患者は入院を希望しているが、それをホテル療養に振り向けるべく説得している医師の苦悩

正に医療崩壊ではないか!と主人公の医師は考える


そんな緊迫した医療現場の描写が生々しい
作者はそんな診療現場に翻弄されながら、この本を書かずにはいられなかったとあとがきで述べている
これを書かなければ逆に自分はこの異常な医療現場に向かう事が出来なかったと
睡眠を削りながら書いたと

この未知のウイルスとの戦いの、最前線に立たされているここは正に、小さななのだ


今、マスクをするしないは個人の判断でよい、と言われる段階になってはいるが、医療現場はまだまだ緊張が続いている事だろう

経済を優先しなければ日本が立ち行かなくなる、と飲食店の経営者の報道が連日TVに流れていたが、医師や看護師は命を張って毎日を頑張っていた(いる)

補償金の不正受給のニュースが腹立たしいワタシです!




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