経営支援オフィス MMO + 4Ts                         

ММО ~ものづくり・経営改善を もっと おもしろく~
4Ts  ~但馬・丹後・丹波・鳥取を もっと おもしろく~

ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育 / まとめ(共通点・強調点)

2019年12月16日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

2019年最後のブログ記事となりました。
良いお年を。



*******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   第403回(2019年12月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定      
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / まとめ(共通点・強調点)
*******************************************

はじめに
今回の記事は、人材採用・人材教育の3つの記事(①大野孝久先生の「儲かる工場の組織づくり」、②山本昌作先生の「遊ぶ鉄工所」、③諏訪貴子先生の「ザ・町工場」)について、人材採用と人材教育と能力開発の3点から(人材育成は入社から3年程度、能力開発は入社から3年以降のイメージです。)、3つの本に記載されていることの共通点や強調したい点などをまとめてみました。金属加工関係の個別の会社さんで、それぞれの個性が際立っていますが、共通点は特に守りたい・実施していきたい点になると思います。強調したい点は参考にしていただけたらと思います。

人材採用
3者(社)での共通点は採用面接に当たり、「人柄」を重視されていることです。
また、即戦力を期待するあまり採用対象が経験者に視点が行きがちですが、採用対象を未経験者まで拡大することが大切なようです。その理由は入社後の育成プログラム・育成教育でかなりの部分が補完できるためです。経験者は逆に挫折しやすいようにも思われます。
面接の対応者は、社長でない場合が多かった。理由は、入社後は一緒に働くので、一緒に働きたいと思える人を面接の対応者が選ぶことが大切なようです。
強調したい点は、大野先生の会社では転職回数が多い方は入社後転職する可能性が高いとのでNGということです。また、山本先生の会社では面接は長時間だが雑談的な話題が多い。その理由は時間が経過して疲れて油断した時にその人の素の表情が見えると書いてあった点を強調したいです。また、諏訪先生の会社では何らかの引っかかりがある人はNGということです。


ここで、カルビー等で経営者をされていた松本先生の人材採用で見るところという記事がありましたので、見られているところをご紹介しておきます。
①インテグリティ(倫理観、高潔さ)を持っているか。
②「地頭(じあたま)」が良いかどうか
③人に好かれるかどうか
α自分で成し遂げた実績や成功した経験があるか
③が人柄に対応しています。

人材育成
3者(社)での共通点は、どの会社さんもしっかりした育成プログラムをつくられています。具体的には、山本先生の会社ではヒルトップ式教育カリキュラムになります。
また、「失敗OK」という風土がかなり出来上がっています。この点は大切ですよね。
強調したい点は、山本先生の会社では「地頭」のよい人を採用しているという点です。地頭が良いとは、学校の成績が良い人とは違うようですが具体的にどう違うか迄は私は理解できていません。地頭については松本先生の人材採用のポイントでも出てきました。きっと入社後のスキル・能力等の伸びが大きく成果につながるのでしょうね。諏訪先生の会社では、女性ならでわの緻密なコミュニケーションをとることが人材育成に繋がっていると思われます。具体的な事例が交換日記です。

能力開発
さすがに能力開発のステージに来ると3者(社)での共通点は少ないようです。しかし、山本先生と諏訪先生の会社では、「転属(配置転換)」がポイントになっています。山本先生の会社では、転属でテングのハナをへし折る、諏訪先生の会社では能力等が伸びないときには転属を考えることがあると書かれています。
強調したい点は、大野先生の会社では利益の出し方のマニュアルがあり、利益がどこから来ているか社員に自覚させ、経営の意味を伝えることが、能力開発の基礎となっていると思います。報酬も成果給になっています。

井上 直久

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / ザ・町工場 諏訪貴子

2019年11月17日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

*******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   
第401回(2019年11月18日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定  
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / ザ・町工場 諏訪貴子

*******************************************

はじめに
人材採用・人材教育の3冊目の本になります。この本も金属加工業関係になります。社員数は30名程度、社長の眼が届く状態です。
その点から参考になるように思いますが、特記したいことは、著者は女性であり、女性特有の独特の視点があり、独特のコミュニケーション論(230pからの女将のコミュニケーション論を参照)を展開されています。
このことから、経営については失敗の共通点はあるが、共通の成功ポイントは無いと思えてきます。

著者の紹介

諏訪貴子先生は、2冊の本を出版され、これらの本をベースにしたドラマがNHKで放送されたこともあり、ご存知の方も多いかと思います。工学部出身で、お父さんの経営されていた会社に2度入社して2度リストラされています。その後、急な事業継承を経て、会社の経営を立て直し、2013ウーマン・オブ・ザ・イヤー大賞を受賞されています。

目次

序章  未来が描ける町工場に
第1章 「応募者ゼロ」からの大逆転
第2章 ”見守り”で新入社員を育てる
第3章 「人材マップ」で若手を育てる
第4章 「頼むね」の刷り込みで幹部を育てる
第5章 ベテランを「最高の教官」に
第6章 「女将」のコミュニケーション論

ポイント

本の構成について敢えて言えば、第1章が人材採用、第2章が人材育成、第3章が能力開発でしょうか。ちなみに第4章は幹部育成、第5章はベテラン活用になるかと思います。
①人材採用
・採用するためにはまず採用試験を受けたいと思ってもらわないといけないので、技術のアピールより社風のアピール、そして、アピールの対象は本人もあるが親にもアピールすることが大切とのことです。(38p)
・ハローワークへの求人票の出し方が大変興味を引きました。求人票を出したが、殆ど応募が無いため、実際にハローワークに行かれて調査されました。機械で「キーワード」「給料」「地域」といった項目を検索する仕組みになっていたので早速試したが、「ゲージ」「治工具」のキーワードはまず検索する人がいない。それで、キーワードを「自動車部品向けゲージ」「自動車部品向け治工具」に変更して、「自動車」で検索した場合に引っかかるようにしたそうです。実際に試してみることが大切ですね。ただし、現在は検索の方法が変わっているそうです。(41p)
・経験者ほど挫折することが多いので、募集範囲を未経験者まで拡大されました。理由は、即戦力が欲しいので製造現場の経験者に限定していたが、いざ採用してみると、「今までの経験が生かせない」「前の職場とやり方が違う」などの不満が高じてくるためです。未経験者をゼロから育てることを考えてみることも大切です。(43p)
・採用のポイントとしては、ヒューマンスキルについて「家族のように付き合える人柄」であること(50p)、しかし、何らかの”引っ掛かり”を感じたら不採用にする(60p)が大切とのことです。
②人材育成
・会社に入ったばかりの社員には辞めたいと思う「危険なタイミング」があるそうです。それは、1カ月後、3カ月後、1年後という節目。それぞれの節目に生じる不安や不満を解消し、次のステップに進むことを目的とした「人材育成プログラム」を作成されたそうです。
・たとえば、1カ月後対策としては、「若手生活相談係」を付けることになります(74p)。中小企業では同期の新人は少ないかいないので、身近にいて気軽に何でも相談できる存在が必要だからです。
・また、入社1カ月間は新入社員と社長の「交換日誌」を行っていたそうです。この交換日誌で心の揺れをケアするそうです(88p)。この交換日記で、新入社員さんの性格などが正確にわかるそうです。ただし、1カ月ですっぱりと交換日記はやめるそうです。
・3カ月対策としては、常に次の目標を示し近い将来の自分の姿を見せるようにすることです。具体的には年2回の評価査定のための面接で明確な目標設定を行います。
・1年対策は成功事例で自信を付けさせることです。この時期は「自分は評価されているのか」など周囲の評価が気になるので、発表の場を与えて、必ず成功させることで、自信を付けさせます。
③能力開発
・能力開発のポイントは3つあります。1つ目は人材マップをつくること、2つ目は成長するように追い込むこと、3つ目が仕事と人の相性があるので、能力が伸びないなら思い切って配置転換することです。
・人材マップは各社で作られていることも多いいのではないかと思います。(ただ、個人の意見として言わせていただくと、有効に活用できている会社・部門は少ないように思われます。)
・追い込むことはハシゴを外すことです。具体的には、入社から2~3年が経過して経験と実績を蓄積しつつある若手に対し、特定の機械の使用をフォローする社員が誰もいないとにかく1人でやるしかない状態をつくることです(138p)。(ちょっと荒っぽいかもしれませんね。)
・人の性格等については「交換日記」で把握されています。適性は機械の稼働時間や製造個数で判断が出来るそうです(141p)。(具体的な数値ですので明確で良いですね。)

おわりに
本を読み終わって、内容を整理してみると、実に(女性であるが故の)独特の感性の上にコミュニケーション論があって、会社の経営・運営論が展開されていると思います。
一読されるとこんな考え方もあるんだということに気が付かれると思います。一読をお勧めします。


データ

著者  :諏訪貴子
サブタイトル:”女将”がつくる最強の職人集団
出版社 :日経BP社
出版年 :2016年
ページ数:261p
定価  :1600円+税
表紙

井上直久

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 遊ぶ鉄工所 山本昌作

2019年10月20日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

******************************************* 
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   
第399回(2019年10月21日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 遊ぶ鉄工所 山本昌作
*******************************************

はじめに
 この本も、金属加工業関係です。しかし、人材採用・人材教育を主題に書かれた本ではありません。
 この本を読むにあたって3つのキーワードがあると思います。①ヒルトップ、②ロングテール戦略、③ヒルトップシステム。まず、それぞれの言葉について、本文からの抜き出して説明をします。
①ヒルトップ:(金属加工業を仕事にしている)自分たちにしか登れない(技術的な)「丘の上」のことで、「余裕を持って、楽しみながら登れる場所」。「高く険しい山頂」ではない。
(25p)
ロングテール戦略:ニッチであまり販売されていない商品を多様に揃えることによって、全体の売上を上げる戦略。(84p)
ヒルトップシステム:HILLTOP社(旧社名山本精工株式会社)で開発された、多品種単品加工向けの24時間加工システム。(96p)本文でヒルトップ式教育カリキュラムについて説明します。
 尚、本の正確なタイトルは「ディズ二・NASAが認めた遊ぶ鉄工所」です。また、タイトルの中で大切なのは「遊ぶ」だと思います。「遊ぶ」の意味は、「楽しく仕事をする」というふうに考えていただけたらと思います。

著者の紹介
 著者の山本昌作先生の講演を約10年前に聴講したことがあります。とにかく、すごいこと(24時間無人加工)をされているとの強い印象を受けた記憶があります。今回、本をお出しになったので読ませていただきました。改めてすごいことをされているなとの印象を深くしました。企業経営の原点になっている、独特の考え方と死生観はご参考になると思います。
 一読をお勧めします。

目次
プロローグ:有頂天の私を襲った大惨事 チャプター1: 脱下請!楽しいことしか仕事にしない「夢工場」
チャプター2:業界初!24時間無人加工にした「ヒルトップシステム」の秘密
チャプター3:社員みずからが動き出す!モチベーションが自動的に上がる方法
チャプター4:初公開!どんな社員でも入社半年で一人前になる育て方
チャプター5:この新卒採用で会社が変わり始めた!

ポイント
 
本の構成を読み解くと、(敢えて書かせていただくと)チャプター1が経営方針、チャプター2はコアコンピタンスとなるヒルトップシステム、チャプター3が能力開発、チャプター4が人材育成、チャプター5が人材採用について書かれていると思われます。
 それぞれのチャプターから人材採用や人材育成等に関係する部分を拾ってみます。
・人材採用
 就活生には本社に来てもらうことで、会社自体を包み隠さず見てもらう。(当然、本社のすごさを見てもらい、他社との違いを見てもらうことになります。)
 社長が長時間に渡りプレゼン就活生に行う。(会社の経営者から会社の考え方や方針を説明し理解してもらう。)
 就活生の対応の中心は入社数年目以内の社員。(就活生の考えや気持ちを理解しやすいですよね。)
 結局、「
オープン」という言葉がわー」キーワードになります。216pにはこんな記述があります。「(3~4時間の面接をして)集中力が途切れてからが勝負。なぜなら、その人の本性や本質は緊張や集中が途切れたときにあらわれるから」
・人材教育
 方針は
アメ8割ムチ2割ということです。アメは褒めること、とにかく褒めることになります。ムチは異動でしょうか。このことは能力開発の項目で書きます。
 そして、一番のポイントは独自の「
ヒルトップ式教育カリキュラム」(177p)になります。入社前はプログラムさえ知らなかった就活生が入社半年でプログラムをつくれるようになるカリキュラムです。特徴は、①職人のノウハウを「歴史」と「理論」と「技術」の3つにわける②「リアル」と「バーチャル」の両方を通じて、ものづくりを学ぶ③「振り返りシート」を使って、PDCAを回すです。①については、昔気質のノウハウは歴史(記録)として知っておくだけでよいので、職人のノウハウの1/3は覚える必要がないそうです。(確かにそう思います。)
・能力開発
 人材教育と能力開発を敢えて別々に私は書いています。人材教育は、入社3年目までの教育で能力開発は入社4年目以降の自分で行う能力の開発と思っていただけたら良いと思います。
 
ジョブローテーション(異動)がムチかと思います。業務に習熟したでは(少し)テングになってきていますが、この時にジョブローテーションを行いテングの鼻をへし折る。
 「
5%理論」というものがあり、社員のモチベーションを維持するためにも、時間の5%だけでもいいから楽しいことをやる。その結果、能力開発(人材育成)と技術蓄積がなされます。(146p)

最後に
 私の勤めている会社の創業者の言葉として、「機械ににできることは機械に任せ、人間は」より創造的な仕事をしよう」というものがあります。山本先生の考え方も全く同じですね。
 また、私自身は「ものづくりを、もっともっと、おもしろく」したいと考えて日々工夫をしていますが、その点とも通じるものがあります。
 共感する部分の多い本でした。

 モチベーションが先、生産性は後(140p)

データ
タイトル :ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所
著 者  :山本昌作
出 版 社:ダイヤモンド社
出 版 年:2018年
ページ数 :227p
外観:

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 儲かる工場の組織づくり 大野孝久

2019年10月13日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

先日の9月8日のNHKのイッピンの放送で、以前記事を書いた城崎温泉の麦わら細工の放送がされていました。
取材した神谷民芸店の神谷勝さんも出ておられ、お元気に活躍されているいることが分かりました。
また、自分が書いた記事以外の視点で麦わら細工の編集がされており、分かりやすく伝えるという点で参考になりました。
記事はこちら → ものづくり・工場改善 会社編 ⑦ かみや民芸店

そのせいでしょうか、当ブログの9月8日のアクセス数がはねあがっていてびっくりしました。

*******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   第397回(2019年9月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育 / 儲かる工場の組織づくり 大野孝久
******************************************

はじめに
 この本を3冊の中でまず最初に紹介する理由は、第1章および第2章に人材採用・人材育成に関する基本データが書かれているからです。このデータをまず最初に頭に入れていただきたいと思います。
 また、本の正確なタイトルは「超人材難でも儲かる工場の組織づくり」です。上記のタイトルでは、長くなるので「超人材難でも」の部分は省かせていただいています。
 そして、正直に書かせていただくと、本を読むだけでは具体的に理解できない点が私にはいくつかありました。たとえば、具体的にはどんな組織構造になっているか組織図がわからなかった。また、評価基準が具体的にはどのようになっているのかわからなかった。そんな中で以下を書いていきますので、ご了解をお願いします。

目次
 本の章立ては以下のようになっています。第1章で採用難のデータを示し、第2章で著者の主張の総論が述べられ、第3章と第4章と第5章で具体的な3つの実行ポイントについて記述がなされ、第5章は今後のことについて書かれています。
 第1章:人材を有効に活用できない「ダメな組織」が会社を破壊に導く
 第2章:「人」に任せない組織のつくり方
 第3章:仕事体社員のシンプルな構造が企業を成長させる
 第4章:徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる
 第5章:時間単位の「稼ぎ」を認識させる
 第6章:人材難時代を生き残るための第一歩
章のタイトルについては、もう少し記載があるのですが、その点は以下で説明します。

著者の紹介
 著者の大野孝久さんは、デンソー、製造会社の営業職を経験後に、大野精工を創業。現在代表取締役。職人的な経験と勘に頼ったものづくりでなく、指導者を立てない独自の人事教育システムを構築して、ほぼ毎年売上高20%以上アップを達成。

ポイント
・人材採用と人材育成のデータ
 データから、特に確保できていないのが技能人材(16p)で、その傾向は大企業より中小企業が強い(17p)ことが分かります。また、中小企業では技術・技能人材はベテラン中心で技術継承が困難になっています(19p)。以上から、どう人を採用して、どのようにして教育・育成するかがポイントになります。
 次に、人が辞めていく(高い給料の会社に移っていく?高齢化?)ために、現場の技能が失われ、現場は人手不足で生産性が低下して品質低下などが起きています(20p)。どう生産性を上げるのかもポイントになります。
 結局は、人が辞めて、残った人に負荷がかかり、人が採用できないので負荷の低減が出来ず、さらに人が辞めていくという、悪魔のサイクルが回っているように思われます。
・著者の主張
 著者の主張は「社員が勝手に育ち、勝手に稼ぐ組織をつくれば問題を解決できる。」ということになります。具体的なつくり方が、
 ●フラットな組織図(第3章)、
 ●「人」に頼らない教育の仕組み(第4章)、
 ●平等で明確な評価基準(第5章) 
の3点になります。それぞれの項目についてはそれぞれの章の中で確認いただけたらと思います。ただ、概略を掴もうとしたら、各章の表紙をまず読み砕かれたら良いのではと思います。私が読み砕いた事例を下記に記載しています。
・人材採用について
 社長さんは採用面接はされないそうです。しかし、2つの条件を付けられており、社員が一緒に働きたいという人を採用するようにされています(33p)。理由はいくら社長がいいと思った人でも、現場の人が一緒に働きたいと思わないといけないから。そのため、従業員が友達を誘って入社されることもあり、人手不足にはならないそうです。
・人材育成について(4章のタイトルの読み砕き)
例えば、第4章のタイトルは、「徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる」となっていますが、章の表紙には
 利益の出し方をマニュアル化し、
 徹底的に
 「今やること」を
 遂行させる
 つくり方②「人」に頼らない教育の仕組み
となっていますが(文字の大きさや行変更もほぼ同じにしました)、これらを入れ替えをして、「人」に頼らない教育の仕組みをつくるには、①利益の出し方をマニュアル化し、②徹底的に「今やるべきこと」を遂行させる というように並べ変えていただくと大変分かりやすいのでではないかと思います。つまり、①利益の出し方をマニュアル化することと、②今やることを徹底的に遂行させること になります。ですから、①-1利益はどうしたら出るのかを説明し、①-2具体的にするべきことをマニュアル化する、②-1(上司の指示で動くのでは無く)仕事と社員のシンプルな構図(組織)をつくり、②-2仕事を徹底的に遂行させる が大切になります。
 
でも、既に述べたように、具体的にはどんな組織構造になっているか組織図がわからなかった。また、評価基準が具体的にはどのようになっているのかわからなかったというのが正直なところです。(そんなものはなかなか外部には出せませんよね。)
・マニュアル化(①-2に関係して)
 上記で書いたマニュアル化という点では徹底されています。事例を2点挙げると、124pに具体的なムダのマニュアル化の事例が載っています。また、大野精工の価値観を共有するためのルール(これも私はマニュアルに等しいと思うのですが)が43pに記載されています。この中で面白いと思ったのは、会社の中ではマスク使用は原則したらいけないそうです。理由は、表情が見えないからコミュニケーションの妨げになるからだそうです。コミュニケーションが一番大切との考え方です。(このようなことまで決められていることは独特の価値観がありますね。)

終わりに
 先ほど具体的にわからないと書きましたが、大事なことは、書かれていることを理解することではないですね。むしろ、本を読んだそれぞれが、それぞれの会社で書かれている改善の方向性で改革・改善を進めることが大切です。
 3冊の
本の著者は皆さん共通に、2008年のリーマンショックを経験され、大変なご苦労をされています。その中から今の会社を築かれていますので、参考になる点は多いと思います。以下の言葉を敢えて書かせていただきます。

 ブレークスルーが大切(突破口は必ずある)

データ
タイトル :超人材難でも儲かる工場の組織づくり
著 者  :大野孝久
出 版 社:幻冬舎
出 版 年:2018年
ページ数 :207p
外観:

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育  はじめに

2019年10月06日 | ものづくり・工場改善 人材育成・人材教育

*******************************************
 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
   
第396回(2019年9月2日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定       
 ものづくり・工場改善 人材採用・人材教育  はじめに
*******************************************

最近、(従業員が辞め)人材採用が出来なくて倒産に至る新聞記事をよく見かけるので、
人材採用・人材教育に関する本を集めてみました。

①人材難でも儲かる工場の組織づくり 大野孝久 幻冬舎
②ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所 山本昌作 ダイヤモンド社
③ザ・町工場 諏訪貴子 日経BP社 

共通なのは、金属加工業で、中小企業で、現在伸び盛りの会社である点。

金属加工業は3Kの職場なので敬遠される、
中小企業より(給与の高い)大企業の方がいい?
そんな中で、工夫を重ねて現在伸び盛りの会社となった。

人材採用・人材教育は私の専門分野から(大きく)外れるのですが、
本を読んでいるうちに、
工夫を重ねることの大切さ、
新たな分野に踏み出していかず現状維持のままだと、
将来は無いと感じました。

そんな点をお伝えできたらと思います。

井上 直久

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする