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ものづくり・工場改善 5S (1) はじめに

2016年03月27日 | ものづくり・工場改善 5S

第156回記事(2013年8月5日(月)配信)
(次回は夏休みをいただきますので、8月19日(月)の配信となります。)

<はじめに>
 バランス・スコア・カード(BSC)について、約半年書いていましたが、連載が終わりましたので、新しく「5S」について書いてみたいと思います。
 しかし、普通の「5S」・一般的な「5S」にならないようにするにはといろいろ考えた末に、
「企業の成果に繋がる5S」というテーマ
で調べてみます。

<本のリスト>
 「5S」について調べていくと、課題としてよく出てくるのは、
 (1)5Sを行う人の納得性が低い
 (2)5S活動が組織的にマンネリ化しやすい
 (3)5Sが企業の成果(利益)に繋がらない
といった点です。
 そのため、複数の本(末尾に掲載)を読んで、「企業の成果に繋がる5S」という視点でセレクトをします。現在のところは以下を考えています。
 (番号)タイトル(著者:出版社)・・・ピックアップポイント
 (1)大不況に勝つ山名式5Sの進め方(山名敏文:三修社)・・・タイトル「大不況に勝つ」
 (2)5Sによるコストダウンの進め方(吉原靖彦:中経出版)・・・タイトル「コストダウン」
 (3)人づくりによる儲ける5S実践マニュアル(長谷川祐三:日本規格協会)・・・タイトル「儲ける
 (4)5S定着化ワン・ツー・スリー(平野裕之:日刊工業新聞)・・・全体の内容から
 (5)見えるわかる継続できる5S導入ハンドブック(西沢和夫:かんき出版)・・・サブタイトル「利益が増える」
 (6)トヨタの片づけ((株)OJTソリューションズ:中経出版)・・・サブタイトル「成果を出す」

<理想像は三方よしの5S> 
 私の考えている「5S」について記載しますと、
  三方よしの5S
 
ということになります。三方とは、①5Sを現場でする人、②5Sを現場で実行する人以外の周囲の人、③会社になります。具体的には、
 5Sをする人は納得して実行し、スキルアップし、
 周辺の人は、迷惑を受けず、むしろ恩恵を受け、
 企業も成果・利益があがる
様な状態がベストと考えます。
 しかし、本来の「三方よし」のエリア(領域)で抜けている「お客様・世間」をさらに入れると、
 四方よしの5S
がベターでしょう。

 詳細は今後記載するとして、上記以外の参考文献は以前の記事を参照ください。

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ものづくり・工場改善 地元企業編 (9) 「マックアース」

2016年03月21日 | ものづくり・工場改善 地元企業編

下記記事は、「晴耕雨読 in 神鍋高原」では、経営の本棚のジャンルに入れていますが、このブログでは、「ものづくり・工場改善 地元企業編」という別のジャンルに入れています。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」
 第280回記事(2016年3月14日(月)配信)・・・・・毎週月曜日配信予定
 ものづくり・工場改善 (9) 「マックアース」 一ノ本達己 
 ~異色のスキー場再生人~
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今回は、タイトルに「本棚」という言葉が入っていますが、「テレビ番組」からの企業・経営者の紹介です。

紹介するのは、TV東京をキー局として放送されている経済番組の日経スペシャル「カンブリア宮殿」(司会は作家の村上龍さんと女優の小池栄子さん)に2016年2月25日(木)に出演された

 株式会社マックアース 代表取締役CEO 一ノ本達己さん

です。番組のタイトルは

 「斜陽産業にチャンスあり!異色のスキー場再生請負人」

です。このカンブリア宮殿は2006年からの放送ですから今年で約10年、約500社の企業の経営者の方が出演されていますが、

 初めての生粋の「但馬人」・「但馬企業」の登場

です。一ノ本さんの育たれたのは兵庫県の北部の但馬地方にある鉢伏高原スキー場です。私の生まれはその近くにある奥神鍋スキー場です。大変近くのスキー場の出身者ということで、TVの予告編を見たときから放送までの1週間、私は一ノ本さんの番組登場を心待ちにしていました。

◆プロソーグ(出会い)◆
株式会社マックアース。

私がその会社名を聞いたのは、数年前のお盆の前の墓掃除の時だったと確かに記憶しています。神鍋高原でスキーの民宿を営み、スキー指導員の資格を持っていた叔父さんから、「鉢伏高原スキー場で大変業績を伸ばしている会社がある。」とのことでした。長い間、スキー関連産業の栄枯盛衰を見てきて、現在の斜陽産業化したスキー関連産業でそんな会社があるのかとびっくりした記憶があります。

私の2回目のマックアースさんとの出会いは、2015年10月3日の但馬産業フェアの会場でした。展示会のブースで見せていただいた会社案内から、日本全国に散らばった事業所の数にびっくりしました。その数96箇所。また、奥神鍋スキー場(山田区)の周辺にもマックアースさんの事業所が多数できており(神鍋高原カントリークラブ(東河内区、北隣りの区)ブルーリッジホテル(栗栖野区、東隣りの区)、万場スキー場(万場区、南隣りの区))、私の実家は既に包囲されているように思ってしまいました。
会場でその時にいただいた会社案内の一部です。
会社案内表紙    
代表挨拶・企業理念
(一ノ本さんの顔写真も小さいですが載っています)
会社概要・会社沿革
スキーリゾート展開 
(北は北海道から南は四国まで、多くの事業所があります。)

「カンブリア宮殿」でのマックアースさんの紹介は、私にとっての3回目の出会いです。中小企業診断士の資格を持ち、会社経営に関心のある私としては、どのようにして斜陽産業であるスキー関連産業で業績を伸ばしておられるのか知りたいと思っていた中での、願ってもない放送となりました。

◆メインローグ(番組の中身の紹介)◆
株式会社マックアースさんは、スノーリゾート事業や旅館業等を行う会社で、
会社設立は2008年、(ただし、それ以前から旅館業等をされていた)
この8年間で急成長されて売り上げは約160億円になります。

マックアースさんの一ノ本さんの実践されている(スキー場)再生術は2点あり、
 そこにしかない役割を与える
 変化を恐れず新たな景色をつくる
です。
「そこにしかない役割を与える」の事例は、北海道小樽市のスノークルーズオーンズスキー場が挙げられました。近隣に多数有名・有力なスキー場がある中で、フィットネスクラブ的役割を与える事で(具体的にはシーズン券の価格を3分の1にした)、需要を掘り起こされています。
「変化を恐れず新たな景色をつくる」の事例としては、岐阜県郡上市のダイナランドスキー場が挙げられました。スキー場の景色はこの20年間変わっていないとのことですが、夜間のLEDのイルミネーションがなされ、とっても幻想的なスキー場にかわりました。若い人がとっても来やすい雰囲気になっています。

素晴らしいですね。

これらの再生術の原点にあるものはと考えると、番組の冒頭近くに出てきた、次の言葉に集約される思います。

 スキー関連産業はサービス産業である

◆エピローグ(番組を終わって)◆
私が番組を見て感じた点をまとめると、2点に集約されます。それは、スキー関連産業をサービス産業ととらえるなら、サービス産業としての(それは経営では共通のことでもあるのですが)基本に忠実ということです。具体的には、
 1点目が、「ドラッガーの顧客の創造そのもの」、
 2点目が「近江商人の三方よしの世界の実践」 
です。
まず、「ドラッガーの顧客の創造そのもの」ですが、スキー人口が減少して斜陽化したスキー関連産業を嘆いてみても仕方がない。むしろ、どんな需要が掘り起こせたり、新たに創造できるか考えて、そのターゲット市場に向かった企画・宣伝をされています。その点で、基本に大変充実です。
また、「近江商人の三方よしの世界の実践」ですが、自社と顧客(スキー客)とスキー場のある地元の3者が上手くいくようにされています。スキー場が無くなれば、地元は打撃を受け、ますます寂れますから。企業は利益を追求するものですが、むしろより企業経営の基本となる部分をしっかり認識されて経営をされています。

これらの基本に忠実な経営術をどこで身につけられたのだろうと想像していた時、経歴の中に思い当たるものがありました。(私の想像ですが。)
 「経営学部出身」

◆モノローグ(私の独り言)◆(想像して書いている部分があります)
スキー関連産業は斜陽産業ですかと問われれば、「YES」と答えるしかないだろう。
私も、同じ兵庫県の神鍋高原で、約55年間スキー関連産業を見てきたから。
確かにスキーブームは過去のものになっている。
株式会社マックアースの本社のある兵庫県養父市丹戸(鉢伏高原スキー場)は中山間地域ですかと問われれば、「YES」と答えるしかないだろう。
私の生まれた神鍋高原も、同じ中山間地域だから。
むしろ、中山間地域というより、「ド田舎」(大変な田舎)と言う方が正しいだろう。
しかし、ド田舎のスキー関連産業から出発して、株式会社マックアースは約160億円もの売り上げを挙げている。

ド田舎と言われるような土地で生まれた会社が、約160億の売り上げとなるまでには、多くの壁があったと想像される。
たとえば、
 冬の1シーズン営業から、夏を含む多シーズン営業へ、
 家族とアルバイトで運営する家業から、社員を雇う必要のある企業へ、
 経営者の目が届くワンロケーション企業から、目が届きにくいマルチロケーション企業
一ノ本さんは色々な壁を破ってこられたからこそ、今のマックアースがあり、世界をめざすマックアースがあるのだと思う。

顧客の創造 × 三方よし = マックアース

これからの更なるマックアースさんの発展を祈念したい。

                                                   井上三右衛門

PS
長年赤字だった長崎のハウステンボスを見事に再生されたHISの沢田会長の言葉に次のような趣旨の発言があります。

 売り上げを2割アップし、経費を2割下げれば、再生できない案件は無い。

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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(10) 値引き要求・短納期に応える77の鉄則 近江堅一

2016年03月13日 | ものづくり・経営改善 トヨタ生産方式

第116号(2012年10月15日(月)発行)
      (次回10月22日(月)発行予定)

この本はトヨタ生産方式などについて書いてあるのか正直よくわからないなというのが感想です。
ちなみに、本のシリーズ名、本のタイトル、本のサブタイトルは以下になります。
シリーズ名:トヨタに学びたければトヨタを忘れろ
タイトル:値引き要求・短納期に応える77の鉄則
サブタイトル:中小メーカのためのトヨタ生産方式
シリーズ名では、「トヨタを忘れろ」とあり、タイトルには「トヨタ」の文字は出てきませんが、サブタイトルではしっかり「トヨタ生産方式」とあります。
本の中を読んでいると、著者は「トヨタ生産方式の真の伝道者」から教えを受けたと書いてあるのですが、その真の伝道者の名前は書いてありませんし、なぜ書かれていないのか理由も書かれていません。
でも、まあそんなことはどうでも良いじゃないですか。とにかく値引きに、短納期に、その他のことにいろいろと苦しんでおられる中小企業に、今後の解決の糸口が他の本よりもよりストレートに見つかればとの思いで取り上げています。
ですので、取り上げたポイントは、工場改善という視点から挙げています。

他の本とは違い、頭をガーンと殴られる思いの方もおられるかもしれません。一度読んでみてください。

1.タイプ
 
 いいとこ取り型: TOC・TQM・ISO・トヨタ生産方式のいいとこ取りをされています。その分、トヨタ生産方式を導入するというイメージは薄い。

2.内容
 トヨタ生産方式の導入の進め方記載はありません。

3.読書後の感想
 
本の全部が参考になリますが、気に入ったところを1ヶ所紹介しておきます。
114pに以下の様なタイトルの記載があります。
 「4-1 1日1時間、時間をつくり改善に使おう
 この習慣が多くの発見と成果を出させる」
 記載文を少し紹介しますと、「経営者は部下へ「不良を減らせ」と指示するだけでなく、自ら、不良を発生させている作業を観察し、その作業に潜んでいる不良をつくっている原因を追究していく。この姿勢が大切である。
もっともですね。

 
 

 
4.本の情報
 タイトル:値引き要求・短納期に応える77の鉄則
 出版社:日刊工業新聞社
 価格:2000円
 出版年:平成22年
 ページ:182p

5.著者略歴
 著者は、近江堅一さんと近江良和さんの2名ですが、近江堅一さんがシリーズの本を主に書かれているので、近江堅一さんの略歴を記載しておきます。
 大手電気メーカにて、32年間工場管理に従事。この間、トヨタ生産方式の真の実践者より7年間(月1回)現場指導を受ける。また、TQMの指導も受ける。これらをベースに工場改善を重ねFL法(中小メーカ向けトヨタ生産方式)を確立し協力会社に適用。

 
6.外観
Photo

                                            井上三右衛門

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ものづくり・工場改善 トヨタ生産方式(9) 御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか 若井吉樹

2016年03月06日 | ものづくり・経営改善 トヨタ生産方式

(2012年10月1日(月)発行)(次回10月8日(月)予定)

トヨタ生産方式の導入の本では、6冊目になります。
タイトルの 「御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか?」 が衝撃的で、思わず手にとってしまいました。
(タイトルの 「なぜ」 の部分はわざわざ赤字にしてあるので、そのまま再現しています。)
しかも、サブタイトルが 偽りの「かんばん」 となっています。
また、本の帯には、 まったく新しいトヨタ生産方式の入門書 と書いてありました。

ただし、本は、現在は在庫が無く、増刷の予定も無く、手に入りにくい状態になっています。
近くの図書館などにあれば借りて読んでいただけると、
大変参考になるのではと思います。

1.タイプ
 
ジャストインタイム型

2.内容
 第6章 本当のトヨタ生産方式の進め方 (163p~201p) の中の、
 3 トヨタ方式導入のステップ 以下 (182p~201p)に記載があります。
 項目は以下になります。
  3.トヨタ生産方式導入のステップ
  4.トヨタ生産方式の導入ステップ1 「モノづくりの流れづくり」
  5.トヨタ生産方式の導入ステップ2 「ジャスト・イン・タイムのしくみつくり」
  6.トヨタ生産方式の導入ステップ3 「永遠に続く絶え間ない改善」
 
 になります。

3.読書後の感想
 社内の改善だけなら社内でクローズも出来ますが、ジャストインタイム生産は社外との関わりが出てきます。社外展開のところが他の本に比較してわかりやすかった。

 

 
4.本の情報
 タイトル:御社のトヨタ生産方式はなぜ、うまくいかないのか?
 出版社:技術評論社
 価格:1580円
 出版年:平成19年
 ページ:205p

5.著者略歴
 NEC系の会社で、システムエンジニアとして、十数年に渡り製造業・装置向けに生産管理情報システムパッケージ開発などをされていたようです。
 その後、トヨタ生産方式導入コンサルタントの支援メンバーとして活躍されたようです。

 
6.外観
 Photo_3

                                           井上三右衛門

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