先日、某大型古書店で美味しんぼを立ち読みしたのですが、
かつて読んだ時には気づかなかった部分に目が行きました。
ここでは、BC「美味しんぼ」54集に収録されている「日本酒の実力」の廉価版を元に
変な部分を見つけグダグダ書いていきたいと思います。
第一話 日本酒の実力<1>
P18
山岡
「特に、テレビなんかで大々的に宣伝している酒には、
がっかりさせられるものが多いから、
日本酒が低く評価されるのも、
当然といえば当然なんだ。」
この発言自体には別におかしくはありません。
(一升900円以下のお酒が美味しかったら、
高いお酒の立場がないと思いますが。)
しかし、これは「ほんもの酒を!」という本の主張の引用です。
「ドライビールの秘密」でエビスを誉めた部分や
「スコッチウイスキーの真価」でサントリーを貶し
ニッカを誉めた部分でも同じように引用がされているように
「ほんものの酒を!」は美味しんぼに多大な影響を与えています。
この本は「買ってはいけない」の著者の一人として色々な意味で有名になった
船瀬俊介氏が日本消費者連盟名義で1982年に出した本です。
本の内容を要約すると、大企業と国を叩き、
それに反抗する人たちを誉めるというものです。
出版当時の視点で見ても突っ込みどころの多い本ですが、
「日本酒の実力」が書かれた95年には完全に時代遅れになってしまっており
変な部分を生み出す原因になっています。
P20
山岡
「むしろ、料理との相性の幅は、日本酒のほうがずっと広い。
ワインにはどうしても合わない料理というものがあるが、
日本酒に合わない料理というのは考えられない。」
とりあえず、カレーとナンを食べながら日本酒を飲みたくありません。
近城が言うように贔屓の引き倒しでしょう。
日本酒とあう魚介類を食べさせたからといって、
日本酒が全ての料理とあう証明にはならないと思います。
P25
山岡
「えらい!お腹に赤ちゃんがいるのに、酒蔵訪問とは。
将来立派な酔っぱらいに育つことだろう。」
妊娠中にアルコールを摂取することは胎児性アルコール依存症など
胎児に悪影響を与えるとされています。
影響力のある漫画なのですから、少しは配慮した方がよかったのではないでしょうか。
(2)につづく