かごしま食文化研究会

 鹿児島県主催「平成19年度 かごしまの食文化を生かした地域づくり」受講生の情報交換ブログ

黒糖

2009-01-12 06:28:52 | 食関連情報
鹿児島民具学会 1月例会 その1

 新春の鹿児島民具学会が正月10日に鹿児島市の鹿児島中央公民館が開催された。
新春特別発表で牧洋一郎氏が「種子島の砂糖スメ」、牧島知子氏が「黒島の盆行事」、下野俊見氏が「トカラ口之島の漁具と漁法、祭礼」を発表した。
下野俊見先生の発表があり、会場は満員で県外からの参加者もあった。

 要旨を私なりにまとめてみました。勘違い聞き違いがあるかもしれません。

1、種子島の砂糖スメ    牧洋一郎 (鹿児島市)
 種子島にはかつて300カ所の製糖工場があった。現在では西之表市井関沖ヶ浜田に「沖ヶ浜田黒糖生産組合」1カ所あり、2軒の農家が製糖している。年間600トンの黒糖を生産している。生産された砂糖は地元の浪江野商店で販売している。
 昭和35年に新光糖業が島内に3カ所の製糖工場を開設し従来の小規模な製糖工場は衰退してきた。しかし、この大資本工場は現在では中種子の1カ所に集約された。

 原料のサトウキビは、オーギと種子島では呼ばれ、手作業で収穫される。牧氏が昭和30年代の調査時と比較すると、長さが長くなり2メートル近くあるとのこと。
畑で収穫されたオーギは道路端に集められ、トラックで砂糖小屋まで運搬される。
砂糖小屋では、ローラーを使った小型圧縮機で汁を搾り出す。
絞り汁は1番鍋に入れて煮る。燃料は薪で火力調節のためボイラーも併用する。鍋の温度は100度で、石灰を加え、アクを取り除きながら2番鍋に移す。2番鍋の温度は115度が適温で、再び石灰を加えてアクを取り除きながら煮る。さらに3番鍋に移す。適温は118度から125度で、同様な煮方をし、丹念に練り上げる。この時に空気が入るように工夫する。空気の混ざり具合が製法のコツである。
ステンレスの型に流し込む。1ブロックは600グラム。昭和35年調査時は木製の型だった。

 黒糖は種子島産より奄美産、奄美産より沖縄産と南に行けば行くほど糖度が増しておいしい黒糖が出来る。


 10年くらい前に、南種子島町の製糖を調査したことがある。製糖のあとにサトウキビ酢を醸造していた。大変珍しく思ったことを記憶している。また、今回の発表ではふれられなかったが、サトウキビは2年かかって生長する。植え付けの時には、なぜか石灰に浸けてから植えていた。
貴重な発表でした。 

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