里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミヤマシキミ たくさんの幼木

2017-03-19 | 日記
松島町手樽地区の車道を上がりながら、法面岩壁の羊歯などを観察していたら、
常緑の小さな木が生えていました。
幾分つやのある厚めの葉・・・ミヤマシキミの葉のように思われます。
こんな岩壁にミヤマシキミの幼木が生えているということは、山側の林内に自生株が
あるのかも知れません。少し上ったところで足掛かりを見つけ、篠竹の密生した林内
に分け入ると、あちらこちらにミヤマシキミの幼木が生えています。
所々にツボミを付けた小木もありました。




                             二枚とも2016.2.4撮影

さらに別の尾根筋に上がってみると、こちらにもミヤマシキミが点在していて、中には
藪をなすほどの大株もありました。偶然分け入った二箇所で、大株から幼木まで
たくさん生えていたということは、松島町東部に広く分布している可能性があります。
東松島市の宮戸島でミヤマシキミを探した際は、全く見つけられませんでしたから、
ここでの発見にはビックリです。

そこそこツボミがふくらんでいますから、4月には花を観察できるでしょうね。


                                 2016.2.4撮影

ミカン科ミヤマシキミ属の常緑広葉樹で、樹高50~100cmの低木。
福島県以南の本州と四国・九州に分布。宮城県内では沿岸部の丘陵地に見られる。
丘陵地から山地下部の窪地や林内に自生し、日陰~半日陰を好む。
幹は立ち上がり、まばらに分枝する。樹皮は灰色で、若い枝は緑色。
葉は枝先に集まって互生するが、上下の間隔が狭いので輪生状に見える。
葉身は長楕円形で長さ5~10cm、先端は鈍頭、縁に鋸歯はない。
葉質は厚めで、葉表には鈍い光沢がある。葉裏は緑白色。葉柄は赤紫色を帯びる。
雌雄異株で、花期は3~5月。枝先に円錐花序を出し、小さな白い花を付ける。
花の直径は8mmほど、花弁は4個で、長さ4~5ミリの楕円形。萼片も4個。
雄花には4本の長い雄しべがあり、黄色の葯をつける。
雌花は球形で緑色の子房が目立つ。その先に黄緑色の柱頭があって、浅く4~5裂する。
果実は核果で、晩秋に赤熟し直径5~8mm。翌春まで残る。
葉や実にはアルカロイド毒があるので、扱いには注意を要する。


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