里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

エノキグサ ハート形の総苞

2022-10-24 | 日記

石巻市北上町、山地の林道を下って行くと、林道脇の草地にエノキグサらしき植物が何本
か生えています。エノキグサは我家の庭にも生えてきますから、地味ながら馴染みのある
植物です。ただ、少し小振りなような ? 夏場に刈払いがあったのかも知れませんね。
よく見ると、茎頂にハート形の総苞があって、3個の果実(3分果)が載っています。

                             二枚とも2022.10.15撮影

総苞の形ですが、上の写真のようにきれいなハート形は少なく、もっと縦長のハート形の
方が多い印象です。大きさもまちまちで、茎頂の総苞は大きめですが、その下の葉腋から
出た総苞はもっと小さいですね。

エノキグサの果実は3分果で、各分果には1個だけ種子が入っています。
種子の散布方式は「アリ散布型」に分類されます。種子には脂肪酸やアミノ酸からなる、
エライオソーム(種枕)という付属物が付いています。これを好むアリは種子を巣に運び、
エライオソームだけを食べて種子を巣外に捨てますから、それが種子散布になるわけです。

                                 2022.10.15撮影

トウダイグサ科エノキグサ属の1年草で、日本全土に分布する。草丈は30〜50cm。
葉は互生、葉身は楕円形~長楕円形で長さ3〜8cm、浅い鋸歯があり、先端はやや尖る。
葉縁や脈上に毛があるが、毛量には変化が多い。葉脈は表面、裏面ともに凸出し、最下の
側脈が基部から出て、樹木のエノキに似ている。葉柄は長い。
花期は8〜10月、花序は葉腋につき、上部に小さな雄花が穂状につき、基部に編笠状の総
苞に抱かれた雌花がつく。雄花は小さく、8個の雄しべが膜質の花被に包まれ、開花する
と花被は4裂する。雌花の花被は深く3裂し、軟毛が多い。子房は球形で、表面には小さ
い突起と軟毛が密生し、果期にも残る。花柱は3個で、先端が糸状に裂ける。
果実はさく果は直径約3mmの球形で、中に直径1.5mmぐらいの種子が3個入っている。
果実は直径3mmほどの3分果、種子は各室に1個入り、長さ1.5mmほど、種枕が付く。



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