里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

アオダモ ブラシ状の白花

2018-05-13 | 日記
気仙沼市本吉町南部、田束山頂から北東に下る主稜線上には防火帯が設けられていて、
毎年刈り払われているので起伏に富んだ草地のようになっています。
防火帯からは林際の木々が望めますから、梢に咲く花を撮影するには好都合です。

本吉町山田地区から主稜線まで登り、ここからは防火帯を北東方向へたどって、同小泉
地区へ下ることにします。標高差で50mほど下ると、東側の林際の木に白い花が枝いっぱい
に咲いているのが見えます。今の時季に、樹木に咲く白花といえばウワミズザクラが多い
のですが、花の付き方がちょっと違うようです。




                             二枚とも2018.5.6撮影

時々見かける花ですが、まだ素性を調べたことはありません。
科属名さえも判らないので、樹木図鑑を1ページ目からめくっていくことにします。
葉は奇数羽状複葉、花は白花で粗いブラシ状ですから、写真を見ればすぐに同定できるはず
なのに、なかなかそれらしき樹木に行き着きません。
7~8割もめくり終えた頃、漸くそれらしき樹木にたどり着きました。
「アオダモ」ですね、野球のバットにする木として知られています。
なお、アオダモにはアラゲアオダモとマルバアオダモの2種があって、若枝や花序に生える
粗毛の有無で区別するようですが、高い位置にあるそれらを観察できないので、ここでは区別
しておりません。おそらく・・マルバアオダモでしょう。文末のデータはマルバアオダモで
まとめています。

名の由来は、切り枝を水に浸けておくと、水が青みを帯びることから。
それはエスクリンという成分が水に溶け出すことによるもので、殺菌効果があるとか。




                             二枚とも2018.5.6撮影

モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹で、樹高10~15ⅿの高木。雌雄異株。北海道~九州に分布。
山地の谷沿いや斜面、山裾などの日当たりの良い場所に自生し、やや湿り気を好む。
樹皮は暗灰色、枝は灰褐色で、ともに円形の皮目が多い。
葉は対生し、長さ12~25cmの奇数羽状複葉で、小葉が1~3対付く。葉柄は1~1.5cm。
小葉は長楕円形で長さ5~10cm。先端はやや長く尖り、基部は広くさび形。鋸歯は低く不明瞭。
表面は鮮緑色で、裏面は灰緑色。小葉柄はほとんどない。
花期は4~5月、枝先と葉腋から円錐花序を出し、たくさんの白い小花を密に付ける。
花弁は細く4枚が離生、裂片は長さ6〜7mmの線形。雄花には2個の雄しべがあり、両性花には
雌しべ1個と雄しべ2個があるが、自家不和合性。
果実は翼果で、長さ2〜2.7cm、幅4〜5mmの倒披針形。10月頃に熟す。
種子は細長い紡錘形で、長さ10mmほど。


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