石巻市の十三浜地区には、海蝕台地が再浸食されたような地形が続いていて、
その端には崖地が続くため、ここに日当たりを好むヤブツバキが群生しています。
今回は大室漁港周辺を歩いて、花の多い樹を探して撮影しました。
二枚とも2017.4.9撮影
梅や桜のように一斉に開花することはなく、好条件が得られた樹から順に花を咲か
せるようですね。また、1本の樹の中でも、既に散りかけた花もありますし、開花した
ばかりの花もあり、これから咲こうとする大きくふくらんだツボミもあるなど、長い
期間咲き続ける樹種のようです。
2017.4.9撮影
ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、樹高10~15mの高木。
本州~沖縄に分布し、沿岸部や丘陵帯に多く、暖地では山地にも自生する。
樹皮は灰白色でやや平滑。小瘤状の皮目が多く、ときに微細なしわがある。
生育が遅いため、材は緻密。
葉は互生し、葉身は長楕円形で中央に明瞭な葉脈があり、先端は尖る。
縁には細かい鋸歯があり、質は厚い革質、表面には光沢がある。
典型的な照葉樹で、表面の光沢は厚いクチクラ層によるもの。
海岸での潮風や直射日光などから葉身を守っている。
花期は2~4月で、枝先に赤色の花が1個ずつ下向きに咲く。
花弁は5枚で厚く、平開しない。雄しべは多数あり、下半部が合着して筒状になる。
雄しべの筒の内側には、多量の蜜がある。早春の虫が少ない季節に咲くツバキは、
メジロ、ヒヨドリなどの鳥が花粉を運ぶ。
果実は蒴果で、直径3~4cmの球形、熟すと3裂して、暗褐色の種子を2~3個出す。
種子からは椿油を採る。
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