大郷町石原地区西部、農道から山裾の細道へ入って行くと、行く手に溜池の土手があって、
これを登って行くと丈のある草が茂っています。深い草むらに分け入ると、ヨシやセイタ
カアワダチソウにつる草が絡んでいて、濃紫色の花が点々と咲いています。
ヒトデ形の花と長楕円形の葉から、タチカモメヅルの仲間と思われます。
咲いている花は少ないのですが、たくさんのツボミが付いていますから、花の盛期は来週
あたりからでしょうか。
二枚とも2020.8.6撮影
タチカモメヅルが属するガガイモ科カモメヅル属の植物を調べると、コバノカモメヅルの
花がよく似ています。ただ、分布域をみると関東地方~近畿地方となっているので、よく
似た別の種の可能性もあります。ネット記事で更に分布域を調べてみましょう。
ネット記事でも、分布域は関東~近畿となっているものが多いのですが、幾つかの記事で
は「東北地方~近畿地方の太平洋側」となっているので、宮城県内にも分布している可能
性はあるでしょう。よって写真の植物は「コバノカモメヅル」と同定します。
2020.8.6撮影
ガガイモ科カモメヅル属のつる性多年草で、東北地方~近畿地方の太平洋側に分布する。
湿地や池沼周辺、草地や耕作放棄地などに自生し、日当りを好む。
葉は対生し、葉身は長楕円状広披針形で長さ3~11cm、先端は尖り、基部は円形~浅い
心形。両面無毛~わずかに短毛があり、葉柄は7~15mm。
花期は7~9月、葉腋から長さ1~2cmの集散花序を出し、数個の花をまばらにつける。
花冠は5深裂し裂片は尾状に伸び、先の方は捻れる。裂片の長さは4~6mm、無毛で僅か
に微粒状の突起がある。内側には5個の小さな副花冠がある。雌雄しべが合生した黄色のず
い柱を小さな副花冠が囲んでいる。副花冠はずい柱より短い。
果実は袋果。細長い紡錘形で長さ5~7cm、先端は尖る。熟すと裂開する。
種子は扁平な広卵形で長さ6mm、絹糸状白色の長い冠毛があり、風によって運ばれる。
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