登米市東和町米川地区北西部、国道から西側の林道に入り、沢沿いにどんどん上がって行
くと、やがて沢の水音が無くなります。その辺りから、林道は山腹を折り返して上がって
行き、尾根筋が近くなると紅葉した広葉樹が目立つようになります。
その多くがコナラで、林の木の半分くらいはコナラかも知れません。この木は紅葉した状
態での持ちがよく、雪が降る頃まで紅葉を楽しめることもあります。
二枚とも2020.11.12撮影
今年は山里や都市近郊で熊の出没が多く、人が襲われることもあるようです。
熊の出没が多い年は、山の稔りが少ないからと言われています。山の稔りとは木の実のこ
とで、その中で最も多いのが「ドングリ」でしょう。ドングリが生るのはコナラやミズナ
ラ、クヌギなどですが、東北地方の里山に多いのはコナラです。それが今年は殆ど生って
おらず、私が山を歩いてもコナラのドングリを拾うことができませんでした。
コナラに限らず木の実には年によって豊凶があって、それが2~3年周期で繰り返される
と言われています。なぜそのような豊凶があるかというと、実を付けることで樹体内の養
分を消費するため、その回復を待つためであるといわれています。
ほかにも花の時季の4~5月に長雨が続いたりすると、風媒花であるコナラの花粉の飛散
が阻害され、受粉できずに実生りが悪くなるということもあるようです。
詳しくは岐阜県森林研究所で公開している、参考文献「ドングリの豊凶」のURLを貼り付
けますので、そちらを参照願います。
http://www.forest.rd.pref.gifu.lg.jp/rd/ikurin/9902gr.html
二枚とも2020.11.12撮影
ブナ科コナラ属の落葉広葉樹で、樹高20mほどの高木。北海道〜九州に分布する。
雑木林を構成する代表的な樹種で、日当たりのよい山野にふつうに生える。雌雄同株。
成木の樹皮は灰白色~灰黒褐色で縦に不規則に裂け、裂けた部分は黒っぽく見える。
本年枝は灰褐色〜淡褐色、はじめ絹毛が密生するが後に無毛となる。
葉は互生し、葉身は倒卵形で長さ5〜15cm、先端は鋭く尖り、基部はくさび形。縁には粗
い鋸歯がある。質は洋紙質でやや厚い。葉柄は長さ1cmほど。
花期は4~5月、葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ2〜6cm、新枝の下部から多
数垂れ下がる。雄花の花被は直径1.5mmほどで、5〜7裂し、外側に軟毛が密生する。
雄しべは4〜6個。雌花序はふつう短く、新枝上部の葉腋から出て、小さな雌花が数個つく。
雌花は軟毛が密生した総苞に包まれている。柱頭は3個。
果実は堅果で、長さ1.5〜2.5cmの長楕円体。その年の秋に褐色に熟す。殻斗は浅い杯状で、
小さな総苞片が鱗片状に密着して並ぶ。
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