気仙沼市本吉町小泉地区、山中の松の混じった雑木林の中を踏査していると、東に開いた
緩やかな斜面の真ん中あたりで、地際に広がった常緑の葉を見つけました。
これは2~3株が近接しているようで、葉の数が多いですね。
葉柄も含めた葉の長さは20~30cmあり、越冬することと葉の形からエビネかサルメンエビネ
の葉と思われます。植物図鑑等で調べてみましょう。
2020.3.6撮影
エビネの越冬葉はもっと丸みを帯びていて、葉柄部分がかなり短いようです。
葉柄部分の長いところが、サルメンエビネの越冬葉の特徴と合致します。
サルメンエビネは「ブナ帯の落葉樹林下に生える多年草」と記されています。
宮城県内のブナ帯は多雪地域の標高300~1,400mあたりになりますが、ここは雪の少ない
沿岸部の、標高の低い里山なのが気になります。ただ、夏季に湿潤な海風が吹き込みます
から、ブナ帯のような気候になっているのかも知れませんね。
2020.3.6撮影
ラン科エビネ属の多年草で、北海道~九州に分布する。草丈は30~50cm。
低山~深山の落葉樹林、特にブナ帯の林床に自生。多くの都道府県で絶滅危惧種に指定。
根茎は横に連なった偽球茎(バルブ)で、その底部から不定根が伸びる。
根生葉は3~4個付き越冬する。葉身は普通のエビネよりも長く、倒卵状長楕円形で長さ
15~30cm、幅6~8cm。先端は急鋭尖頭、無毛で縦じわが多い。
基部は鞘状になっていて、秋になっても株の基部を筒状にかためている。
花期は4~5月、葉の間から花茎を伸ばし、総状に7~15個ほどの花を付ける。
エビネに比べると花の付き方は疎らで、1つ1つの花は大きく直径3cmほど。
萼と側花弁は淡い黄緑色をしている。中裂片は大きく赤茶色。その縁は波打ち、
中央に隆起が3本走る。距はない。
花後の実は蒴果で、長さ30mmほどの楕円体。
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