里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオアワガエリ 帰化植物

2021-08-25 | 日記

一関市花泉町、丘陵地中腹の耕作放棄田を踏査していると、円柱形の長い果穂を立てた植
物が、あちこちと島状に群生しています。草丈は60~80cmで、茎の先に1本だけ果穂を立
てていますからイネ科の植物でしょうが、初めて見る植物なので外来種かも知れません。
それに果穂の形が、スズメノテッポウという小型の植物に似ていますね。

                              二枚とも2021.8.19撮影

スズメノテッポウ似のイネ科の外来種を調べると、オオスズメノテッポウとオオアワガエ
リがあり、双方の写真を見比べるとオオアワガエリの方が私の写真の植物に似ています。
果穂が長く茎がしっかりした印象で、茎に付いた葉を見るとオオアワガエリは果穂のすぐ
下に葉が付いていて、これが私の写真の植物と同じです。
このような最上位に付く葉を「止め葉」というようですが、オオスズメノテッポウには、
この位置に葉が付いていません。よってこの植物を「オオアワガエリ」と同定します。

明治初期に牧草として持ち込まれ、現在では各地で野生化しています。和名は果穂の形が
粟に似ていることから付けられました。英名はチモシー。花粉症の原因植物でもあります。

                                  2021.8.19撮影

イネ科アワガエリ属の多年草で、ヨーロッパ~シベリア原産の帰化植物。
草丈は80〜120cm、根茎は短く叢生し、匍匐根茎を欠く。
茎は楕円形で中空、直立・叢生し基部は膨大する。葉は数枚が茎に互生する。
線形で長さ15〜25cm、幅8〜13mm、やや堅く無毛。葉舌は鋭形、長さ2.8〜5mm。
花期は6〜7月。茎先端に円柱形の花序を付け、長さ8〜17cm、直径7〜8mm、密に小穂
をつける。小穂は1小花からなり、長さ3〜3.5mm。
苞穎は長楕円形、背部に長い開出毛がある。護穎と内穎は薄膜質、長さ1.5〜2mm。
果実は乳白色、光沢はにぶく、長さ1.5〜1.8mm。



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