里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

コウボウムギ 鹿島砂丘

2024-06-14 | 日記

茨城県鉾田市、渚より3~4m高いあたりにちょっとした段丘が続いていて、そこに車の
轍が続いています。かつて工事車両が通った跡なのか、或いは一帯の管理車両が定期的に
通っているのか、いずれにしても轍は途切れずに北へ向かっています。
私も轍跡を歩いて砂丘を北上しながら、ときに渚を見下ろしたり、上の段丘斜面を見上げ
たりして海浜植物を探します。

砂丘のあちこちに生えているのがコウボウムギで、珍しさはありませんが、ちょうど果穂
が小麦色に成熟していたので撮ってみました。

                                 二枚とも2024.6.5撮影

コウボウムギはふつう雌雄異株で、地下茎を伸ばし節から新しい株を出して増えるので、
群生する傾向があります。当然雄株なら雄株だけで群生し、同様に雌株も群生します。
海岸は風が強いので砂の飛散が多いのですが、コウボウムギが地下茎を張り巡らせて群落
を形成している場所では、砂の飛散がかなり抑えられるとのことです。

                                     2024.6.5撮影

カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、北海道南西部~沖縄に分布する。草丈は10~20cm。
海岸の砂浜に自生し、地下茎を伸ばして増えるので、しばしば群生する。
茎は太く、鈍い3稜があり硬い。基部の鞘は葉身がなく、褐色で繊維状に細裂する。
葉は長さ20~30cm、幅4~8mmの線形で革質、縁はざらつく。
果期は4〜5月、茎の先に穂状花序を出し、淡黄緑色の小穂を多数つける。小穂は無柄、
苞の葉身は目立たない。雌花序は長楕円体で長さ4~6cm、雌鱗片は淡黄緑色で著しく
ざらつく芒がある。果胞は長さ1cmで鱗片とほぼ同長、直立または斜上し、著しく硬く、
縁に不揃いの歯牙のある狭い翼があり、嘴は細長く、口部は2歯。柱頭は3岐。
雄花序は細い円柱形で長さ3~6cm、全面から葯が出る。

 



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