こういう人、嫌いじゃないけど近寄りたくないわ。

今週の暗殺教室ですけどさ。

浅野理事長、真面目な人だったんですね。
いや、良い意味でも悪い意味でも。

幽遊白書の主人公の幽助の台詞ですけどさ

「だから嫌なんだよな真面目な奴って。極端から極端にはしりやがる」

昔の一時期（おおよそ１４年くらい前？）周りに真面目な子だったと言われてた子が異常な犯罪を犯してマスコミが

「真面目な子こそ危ない！」

なんて騒いで、それに自分の頭で考える習慣の無い方々が同調して、真面目な人間がディスられてた時代あったじゃないですか。

それとは全然別の意味の危うさですね。
件のマスコミが騒いで居た方は、単に周りの大人の目が節穴で、少年の心の闇に気づいてなかっただけの話ですが。

浅野先生の方は、単一論理でしか動けないという、真面目な人間の欠点ですわ。
何かというと、答えはひとつしかないと、理性ではなく、本能的に思ってしまっているという。

真面目な人って、努力するわけですよ。
何故か？

目指す場所にたどり着くには、それが一番の近道で、それ以外は１００点とは呼べないって思ってるからで。
やるからには１００点を取りたいから、懸命に努力するんです。

でもね。

自分のやり方が間違っていた、と思い知らされるような出来事に遭ってしまうと。

こんなこともあるさ、とか今回はたまたまコンディションが悪かっただけだ、とか言い訳できないのね。
だから真逆に走ってしまう。

あっし、原作の方は読んで無いんですけど、ＮＨＫにようこそ、って作品あるじゃないですか。

あれに、ネズミ講の構成員に身を堕とした人が出てくるんですわ。
（アニメの方だけかもしれないですけど）

その人、確か学生時代は主人公の同級生で、学級委員やってたんですけど。
ようは真面目な人。

月日が流れ、皆が社会人になったとき、その人はネズミ講の構成員に。
で、主人公を騙すという。

何で真面目な人がそうなったのか？
それはなぜかというと、そこに至るまでに真面目に頑張って働いても、経営者が夜逃げしたり。
それだけでもキツイのに、兄貴が引きこもってパラサイトになっていたりで。
給料が貰えなかったり、自分のせいではないのに金ばかり外に出て行ったりで。

ようは報われなかった。

で、思うわけですわ。
努力なんかムダ。この世は騙し騙されるで、利用する側とされる側しか居ない。
だったら、騙し利用する側に回った方が賢いじゃない。

と。

真面目な人は単一論理で世の中を決めちゃうんですね。
そこがいいところでもあるんだけど、悪く出る場合もあるわけで。

浅野理事長もさ、世の中、どうしようもなく邪悪な奴も居る。そういう奴が現れたら、全力で立ち向かい「俺（俺たち）に手を出すとただではすまないぞ」と訴えかけるような強さは必要だ、って教える方向に切り替えればよかったのに。
この世で必要なのは「優しさではなく、強さだ」っていう風に極端に走ってしまったんですね。

あっし、学生時代に居合道をやってまして。
その際に、言われたんですけどね。

剣道と居合道の関係を。

車輪の両輪だ、って。

どっちか片方が重要で、もう片方は意味が無いなんて、そんなことはないんですよ。
ちょうど、実戦という意味では、剣道でしか鍛えられない部分あるけど、昔の天才たちが編み出した「技」は逆に居合をやらないと学べませんしね。それと同じですよな。

……今回の話で、ほとんど浅野理事長の引き出しが開いてきた感じですが。
もうそろそろ、最終章に入ってしまうんですかね？
「暗殺教室」

（作中の季節、秋過ぎてそろそろ冬のはずですな）

面白いからずっと続いて欲しいけど、終わるべきところに来たらスッパリ終わってこその作品です。
３－Ｅの面々の将来も、だんだんと見えてきてますしね。

カルマ君は官僚。寺坂君はカルマ君に薦められてたけど、政治家目指すのかな？
イトナ君は多分技術者になるんでしょうな。

……渚君だけ見えて無いですけどね。
殺し屋は多分選ばないだろうから……

１）カルマ君の愛人　２）寺坂君の愛人　３）♂ハニトラ専門の工作員

この中に正解があるといいんですけど。（ねぇよ）