新年が明けて最初の土曜日でした。パチパチ!
いや、円東寺のような暇なお寺でも、土日は普通にご法事があります。
あれは10日ほど前だったでしょうか。天台宗の尼僧さんが「こんな事件あったよー」とfacebookに書かれているのを読んで、「僧衣を来て運転していたことで、違反切符を切られた方」のことを知りました。その後、僧侶仲間が「衣着て運転できなくなったら、檀家さん回りできないよ!」とか「決まりに従うのが当然でしょう」などと喧々諤々しているのを、年賀状の書き過ぎで疲れた手を休めつつ、ROMってました。
そんなときに#僧衣でできるもん のムーヴメントが起き、私と同じ真言宗豊山派のお仲間が積極的に協力しているのをみて、遅ればせながら私も動画を投稿した次第です。
事の経緯やまとめは、フットバッグ日本一住職のへんもさんのブログを見てください。
「そんなことしている暇があったら修行しろ!もっとご本尊を拝め!」とか「不謹慎だ!」とかいう御意見はごもっともです。なお、「僧侶のくせに不謹慎だ!」という人が、PRINCOちゃんを知ったら、卒倒すると思います(^^;)
さて、念のためにいくつか書かせていただきます。
まず、我々(少なくとも真言宗で)は「僧衣(そうい)」という言葉は使いません。そのものずばりの名称を言うか(下記参照)、せいぜい「衣(ころも)」や「法衣(ほうい)」です。
ちなみに、これが普段のご法事の衣体(えたい)。今日はこのスタイルでした。
紫色の衣は直綴(じきとつ)といい、褊衫(へんざん:上半身の衣)と裙(くん:腰に巻く衣)を縫ってワンピースにしたものです。法要の際は大抵この衣です。お袈裟は割切五条(かっせつごじょう)というもの、白いマフラーのようなものは帽子(ぼうし)といい、嵯峨天皇が自らの白衣の袖をちぎって弘法大師に下賜されたという防寒具です。
これを動きやすいように改良したものが改良服(かいりょうふく)や改良衣(かいりょうえ)というもので、車やバイクの運転時はこのスタイルです。
お袈裟は折五条(おりごじょう)と言って、上写真の割切五条を、極薄の布で作り、細く畳んで首にかけられるようにしています。広げると上写真の袈裟のようになるのです!
皆さん、この格好で運転し、ご法事や葬儀の場所で、着替えるのです。ただ、一日に何件もお檀家さんや門徒さんの家を回る、お盆やお彼岸、月参りなどのときは、着替える時間が無いので、申し訳ありませんがこの格好のまま拝むことが多いです。
一般の皆さんには、上も下も同じに見えるかもしれませんが、我々にとっては、家系と二郎系くらいに違います。
ごめんなさい、分かりづらかったですね。
燕尾服とスーツくらいに違います。
メルカリのCMで草彅剛さんが着ているのは、上写真に近い形の、衣と袈裟でしょう。
直綴に割切五条袈裟で僧侶が運転することはありません(^^;)
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公共の乗り物で移動できるのは都内など交通網の整った一部だけでしょうから、どうしても自動車を使わざるを得ませんよね。
個性的なお坊さんが多く、おもしろいですね。
大道芸はお坊さんの間で実は流行っているのでは…。
昔は衣のことを"袈裟"と思っていました^^;)
本来は袈裟だけを身につけます。衣を袈裟の下に着るのは、日本など寒い国だけですので、誤解は無理も無いと思います(^^;)