旬のはなし

日々のあれやこれや

2011年04月13日 | 音(おと)のこと
母親を病院に連れて行き、診察を受けるまでかなり待ち時間があるので後楽園に行った。
今がちょうど桜が満開の時で、見える範囲の土手が桜の花で覆われていた。
しかしいつもと違うのは出店が一軒も出てない事、花見の客もほんの僅かだった。
東日本大震災の為、今年は自粛と言う事らしい。

例年ではここで桜祭りが華やかに行われる。
桜祭りの開会式では鼓空も2度太鼓を叩いた。
夕方演奏の後ロールを叩き、ドンの一発ですべて夜桜に一斉にライトが照らされた。
出店も一杯出るし、花見客も処狭しとシートを敷きB.B.Q.をし酒盛りをする。
夜桜の下での人の賑わいは楽しい。

天気も快晴だったし私はダラブッカを桜の下で叩こうと持ち出した。
暫くぶらぶらした後、ちょっと奥まった処にベンチがあったので腰掛けダラブッカを叩き始めた。
青空の下桜を見ながら叩いていると景色と音が一体化して来る感じだ。
奏者は徐々に消えて行く。
暫くすると両親に連れられた男の子が遠くからダラブッカに興味を示す。
私は手招きをすると、男の子は両親に連れられ私の処に来る。
「叩いてみる・・」とダラブッカを差し出すと元気よく叩いた。

また私が目を瞑って叩いていて、目を明けるとおばさんが前にいた。
「良いわねぇ~」と声をかけてくれた。
私も大道芸人になろうかと思った。
しかし本当は私は人の前で演奏するよりは、人のいない自然の中で演奏する方が好きである。
どうしたものか?

2時間程叩いてまたぶらぶらしていると少ない花見客の処からB.B.Q.の匂いがして来る。
私もお腹が空いて来た。
そして思った。
土手の上にダ0マと言う焼肉屋があり、毎年この時期には大勢の花見客の為に簡易こん炉を貸し出し、B.B.Q.の材料を売っている。
それが今回自粛になった為に予めたくさん仕入れていた肉などが全く売れず、店の存続まで危ういとの情報が私の耳にも入っていた。
各成る上は私も多少ながらも売り上げに協力しようと思った。
店に入ると1階のどのテーブルも一杯、しかも皆6人がけ、私は一瞬躊躇した。
私は果たして店に協力する事になるんだろうか?
しかしながら優しきウエートレスは私を1つだけ空いていた6人がけのテーブルに案内した。
私はお薦めだと言う珍味セットを頼んだ。
頬肉等何種類か載っている皿が来た。
しかし私は何が何かわからぬままに急いで口の中に放り込んだ。
後に客が来てつかえたら悪いなぁと思ったからである。
幸い誰も入っては来なかったが。

B.B.Q.はやはりゆっくり食するものだ。

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