「月刊・言語」の最新号(2003年2月号)で「米語の悲劇・大阪弁の喜劇」という題の面白いエッセーを読んだのでご紹介したい。筆者は伊藤千尋氏。朝日新聞ロサンジェルス支局長である。伊藤氏は「米語が世界の共通語として使われるのは現代の悲劇ではないか」と思っている。その理由として伊藤氏は次の2点を挙げる。
第一点。他の言葉、例えば、外国語好きの伊藤氏がこれまで学んだルーマニア語、スペイン語、ポルト . . . 本文を読む
この連載19回目の「山・島・沼・浜…共通点は何?」で空間の「間(ま)」の話をしたが、その後、朝日新聞の「天声人語」(2002年9月6日)の記事を目にした。内容が「間」の話題にも関わると思うので、ご紹介したい。
昨年の夏、日本列島が異常に暑かったことを枕に記事が始まる。「大阪では真夏日が70日と過去最高タイ記録だった。東京も平年より2週間多い53日の真夏日を記録した。この暑さに加えて、異様な犯 . . . 本文を読む
前回、「は」と「が」の違いについて書いたら思いがけなく大きな反響があった。多くは電子メールだが、「眼から鱗が落ちた」とまで言う方がいたので、これに気をよくして続編ということにしたい。特に日本語を教えている人達には、「は」と「が」の違いを聞かれて返答に困った経験がどなたもある様だ。
述語との文法関係が「は」では分からないが、「が」なら分かると前回述べた。また、「は」と「が」で言えることは、全 . . . 本文を読む
お待たせしました。今回はいよいよお待ちかねの質問にお答えしようと思う。学生からも読者からもこれまで幾度となく尋ねられた質問、それが「は」と「が」の違いについてだ。これこそはまさに日本語文法に関する質問の定番と言えるだろう。くろしお出版から、その名もずばり「『は』と『が』」という分厚い本が出ているほどだ。(野田尚史著:1996年)
ところが、である。がっかりされるかも知れないが、違いは実は簡単 . . . 本文を読む
みなさんこんにちは。
金谷武洋のブログページにお越しくださってありがとうございます。
管理人のチエ蔵です。
今日は、日本語とはあまり関係ない話題です。
踊るアホウに踊らぬアホウ同じ阿呆ならおどらにゃ損ソン・・・。
とありますが、私は踊って歌える悩めるアホウです。
音楽を聞いたら、「いなかっぺ大将」の如くついつい体が動いてしまうし、
ふと気付くと、何かをブツブツ節をつけて歌っているし、
カラオケ . . . 本文を読む
前回の宿題として、和語(大和言葉)の「やま(山)・しま(島)・ぬま(沼)・はま(浜)」を挙げた。これらの単語の共通点は何だろう。果たしてこれ ら2音節の和語を1音節づつ分けることができるだろうか。
4つも似たような言葉を挙げたら、形の上での共通点は一目瞭然だ。第二音節の「ま」がそれである。それでは次に、意味の上の共通点はと言えば、これらが 全て名詞であること、しかもそれらが悉く「場所」を示 . . . 本文を読む
前回「ケータイさんが行くよ」という題でこの記事を書いたら「あの題は何か意味があるんですか」と後日ある人から聞かれた。実は子供の時に耳にした「兵隊さんが行くよ」をもじったのだった。どうやら駄洒落が通じなかった様である。もうこんな文を聞いた事のない人達が増えているんだなあ、と考えたまではいいが、はて、この「兵隊さんが行くよ」が、そもそも何だったのかが思い出せない。歌のタイトルか。広告のコピーか。やれ . . . 本文を読む
5月に3週間、久々に帰国をした。随分「久しぶり」という気がしたので調べてみると、その前は1994年12月。1週間だけの慌ただしい帰国だった。7年半振りに踏んだ日本の土ということに気付いて、ちょっと驚いた。その前は随分ちょくちょくと帰っていたのに、何でこんなに長く帰国しなかったのだろう。特に帰りたいとも思わない内に、気が付いてみたら時が過ぎていた、と言うしかない。こちらの生活が色々と忙しかったこと . . . 本文を読む
神戸在住の信太一郎さんがインターネットで主宰するおしゃべりの会に2年ほど前から参加している。インターネット上で同好の士が集まるこうしたグループは刺激的で息抜きにも勉強にもなる。ただし星の数ほど様々なグループがあるので、良質でかつ自分の興味に沿ったものを厳選する必要がある。信太さんのは今まで私が参加したものの中で最良のものだ。 http://homepage1.nifty.com/forty-si . . . 本文を読む
今回は、あやうくTimes 誌恒例のPerson of the Yearに選ばれかけ、いくらなんでもテロリストはまずいということで外されたウサマ・ビンラディンという人名と、彼が潜伏している(いた?)辺りの地名を取り上げてみよう。
ビンラディンは世界の様々な言語に例の多い patronym (父称:父親の名前をもとにした苗字)である。アラビア語で bin とは「~の息子」の意味だからだ。ビンラ . . . 本文を読む
9月11日の恐怖のテロ事件に引き続いてAnthrax(炭疽菌)という以前は聞いた事もない厄介な代物がテレビや新聞を賑わしている。今の所カナダまでは被害が及んでいないのがせめてもの救いだが、今回の航空機テロの対象となったニューヨークやワシントンと当地モントリオールとは陸続きでそれほど離れていないことを思うとやはり不安になる。
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今回は去る3月20日にモントリオールで亡くなった増本良夫さんのことを書いてみたい。享年83才であった。この連載「日本語ものがたり」は、モントリオールの日本人コミュニティ紙「モントリオール・ブレテン」に書いたエッセーを元に加筆したものである。そもそもブレテンの記事を書くようになったのが、モントリオールの句会で知り合った増本さんからのお勧めによるものであった。もう6年も前の話である。「日本語の先生か . . . 本文を読む
9月である。日本語教室にも新入生がどっと入って来て、2001年度の新学期が始まった。秋学期は12月まで。その後は1月から冬学期で、4月に学年が終る。当地と反対で日本では入学式は4月だった。俳句の歳時記を繰ってみると、「春」の季語として(二月・三月の)「入学・入学試験」があり、続いて(三月末の)「卒業・卒業式」、(四月の)「入学・一年生」と並んでいる。「桜・入学式・ランドセル」の三点セットは春の風物 . . . 本文を読む
日本語を教えていて必ず一度は聞かれるのが表題の「Je t'aime(=I love you) は日本語でどう言いますか」ではないだろうか。皆さんならどう答えるだろう。「あのね。日本人はそんなことは言わないの」と文化的説明で逃げる手もあるが、学生は納得しないだろう。
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いくら勤勉な学生と言えどもやはり人間。誰だって「最小努力の法則」を可能な限り実践している訳だ。果たして日本語のクラスでも「先生、今学期は単位を多く取りすぎて、あまり時間がないんです。集中的に効果を上げるにはどう勉強すればいいですか」などと聞いてくる学生がいる。考えてみればいい質問だ。日本語をマスターする為の最大ポイントは一体何だろうか。
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