金谷武洋の『日本語に主語はいらない』

英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を論破する

第14回 「常用漢字の不思議」

2005-09-06 08:45:24 | 日本語ものがたり

 9月11日の恐怖のテロ事件に引き続いてAnthrax(炭疽菌)という以前は聞いた事もない厄介な代物がテレビや新聞を賑わしている。今の所カナダまでは被害が及んでいないのがせめてもの救いだが、今回の航空機テロの対象となったニューヨークやワシントンと当地モントリオールとは陸続きでそれほど離れていないことを思うとやはり不安になる。


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3 コメント

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嬉しい傾向 (たき)
2007-09-18 22:49:50
この記事を書いて5年半後、2007年9月18日付け読売新聞の社説を目にした。新しい傾向が出て来た事が書かれている。これは大変嬉しい変化である。ここに全文引用する。

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「国語世論調査 パソコンで漢字を多用する時代」
パソコンやメール機能が付いた携帯電話の普及により、文章を書く際に漢字を多用する人が増えている。

 文化庁が発表した「国語に関する世論調査」結果だ。

 文書作成のためにパソコンなどの情報機器を使ったことがある人は全体の57%を占め、このうち43%の人が「文章の中で漢字を多く使うようになった」と答えている。情報機器を利用することによって「漢字の知識が増えた」と回答した人も、利用者の25%を占めた。

 正確に覚えていない漢字でも、パソコンや携帯電話などに読みを打ち込んで変換キーを押せば、難なく画面に表示される。漢字が今まで以上に馴染(なじ)み深いものになってきているのだろう。

 例えば、「憂うつ」ではなく「憂鬱」と書くと答えた人は、手書きの場合わずか14%だったが、情報機器を使う場合では、72%にも上った。

 手で書くことの意義も忘れてはならないが、パソコンや携帯電話で文章を書く人は、今後ますます増え続けるだろう。その結果として、漢字が多用されるならば、文章の奥行きも広がる。より豊かなコミュニケーションが、可能となるのではないか。

 若い人の間では、携帯電話を辞書代わりに使うことも定着しているようだ。漢字が書けない時に調べる方法として、携帯電話の漢字変換を挙げた人は、20歳代では79%を占め、辞書で調べると答えた人を大幅に上回った。

 調査結果は、情報化時代に対応した漢字政策のあり方について検討を進めている文化審議会に報告される。

 社会生活で使用する漢字の目安とされている常用漢字表には、1945字が掲げられている。学習指導要領では、高校修了までに「常用漢字の読みに慣れ、主な常用漢字が書けるようになること」を求めている。

 最近のパソコンには約1万の漢字が搭載されている。1981年に制定された常用漢字表とのギャップは大きい。

 文化審議会国語分科会漢字小委員会では、常用漢字表について、字数を増やす方向で見直しを進めている。

 その結果、常用漢字の数がかなり多くなってしまう場合には、読めるだけでいい“準常用漢字”を新たに設定することも検討している。

 今回の調査では、41%の人が「一部の常用漢字については、読めるだけで書けなくてもよい」という考えだった。

 日本語をめぐる環境は、時代と共に変化している。新しい漢字政策について、国民的な議論を深めていきたい。

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Unknown (蛮茶庵)
2011-10-06 21:49:07
 夏休みは日本で有意義な時間を過ごせたことと思ひます。
 ところで、いつかこの記事にトラックバックをと思つてきました。
 読んでわかるとおり、この手の記事はコメントがないのがほとんどです。それが意に反してコメントがあつたので、覗いたらなんと金谷さん本人でした。
 それでますますいつかはと思つたわけです。
 國語改革のことを書いたのでトラックバックします。読んでみてください。それでは、また。
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国語改悪 (たき)
2011-10-29 12:09:19
蛮茶庵さん、

ご無沙汰しております。7月は東京に一週間ほどいたのですが、超過密スケジュールでお声をかけませんでした。申し訳ありません。

トラックバック、拝読しました。明治以来、日本語の風景はおっしゃる通りの惨状です。国語改革とは実は改悪であったということですね。
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