前回から、変化しつつある日本語の新しい状況をいくつか取り上げている。第二回目は、「動詞文が名詞文に化ける」傾向だ。分かりやすく言いかえれば「~ます」とその様々な変化形で終わっていた動詞文が、たった一つの「名詞+です」に全て収斂してしまうことだ。聞いていて「あれ?」と思わされるこうした「疑似名詞文」が、特にニュースで多用されていることに気づいたのは最近のことである。先ずは実例をご覧いただこう。
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日本へ帰るたびに同胞の、それも若者の日本語に耳を傾けるが、さすがは母語でほぼ完全に理解出来るのは嬉しい限りだ。最近の日本語は変わりつつあると言う人が多いが、せいぜい外来語、あるいは日本語らしく味付けした和製英語が増えたぐらいではなかろうか。今日の日本語も、基本的には、30年以上前に私が日本で話していた言葉そのまま、という印象を受けている。
とは言え、やはり言葉は生き物である。さらに目を凝らし . . . 本文を読む