Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

米中貿易戦争について、トランプ大統領は「世界大恐慌の引き金を引いた大統領」と呼ばれたいのだろうか?

2018-09-30 23:08:32 | 国際情勢
さて、私自身は「米中貿易戦争」について、かつてこのような予測をたてていました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14192499029


(質問文)

以下、米中の貿易戦争に関する会話です。トランプ政権の取り巻きの「反中思想」につき、貴方のご意見をお聞かせください。

<質問者ー私>ロイター記事に、以下のようなものがありました。
こんなこと、最初からわかっているじゃない、と言いたいような内容ですが・・。

GMとトヨタ、米自動車関税に反対表明 悪影響を危惧
[29日 ロイター] - 米ゼネラル・モーターズ(GM)は29日、 トランプ政権が導入を検討する自動車輸入関税について、「自社の規模縮小」につながり、世界市場から米企業を隔離する可能性をはらむと指摘した。 商務省に提出したコメントで、「GMの規模縮小や、米国を象徴する当社の存在感が国内外で低下する事態につながり、国内雇用が増加でなく減少する恐れもある」との見方を示した。さらに、関税が自動車価格の上昇につながり、販売減を招く恐れがあると指摘。仮に関税の影響に伴うコスト高を価格に転嫁しなければ「投資の減少、さらに雇用の減少、賃金低下につながり、いずれ画期的技術の遅れに至る可能性がある」とした。

<回答者>
そんなことわかっているでしょう。不動産屋のトランプさんはともかく、思想はともかく、とても優秀な閣僚です。問題は、思想ですけどね。

トランプさんはともかく、ナバロさんは、ここで、少々米国経済がダメージを受けても、中国を叩くべきとする思想の持ち主(そういう著作があります)です。ボルトンさんは、過激な反中思想持ち主で、ライトハイザーUSTR代表、ロス長官も、このまま中国を放置しておけば、米国は中国の軍門に下ると考える思想家です。ムニューシンさんも、基本思想は反中(でなければ、外されている)ですが、今のやり方がまずい、と考えているようですね。

つまり、すべて反中。ですから、米中経済戦争は根が深い。すくなくとも、中間選挙までは、続くでしょう。

もし中間選挙に勝てば、これまでと同じように、ナバロさんの首を切るでしょう。 負ければ、トランプ政権、急速にレームダック化します。しかし、米国の政治は混乱するでしょうね。
とはあれ、選挙と人気のためのポピュリスト政権ですから、株価が下がるのはまずい。とりあえず、株価を横にらみしながら、過激な発言と訂正が続くと思います。信条のないトランプさんはともかく、取り巻きは、狂信者です。


(私の回答)


リクエストいただき、ありがとうございます。

あえて大胆な予測をたてますが、米中貿易戦争は、おそらく来月、つまり7月上旬にはいったん「停戦」という形で、おそらくは中国側が譲歩する形で決着がつきます。

既に言われている「500億ドルの25%関税」分についててあれば、アメリカ側が「大人の対応」をするでしょう。

実は中国経済は非常にヤバい状態にあるんですが、ここでアメリカが圧力をかけすぎて中国経済を破綻させてしまうと、その余波はアメリカにまともに返ってきます。

トランプ大統領を支持するアメリカ保守層は「中国叩き」を確かに喜びます。

が、本当に中国を破綻させてしまったら、世界経済に与えるショックが大きすぎ、巡りめぐってはアメリカにも不利益をもたらします。

>株価を横にらみしながら、過激な発言と訂正が続くと思います

→中国経済が本当に破綻したら、アメリカの株価だって影響は大きいですよ。

そして中国は今、本当にヤバいところに来ているんです。

そのくらいのことは、いくらトランプ大統領の取り巻き連中が「反中」だったとしても、わからないはずがないと思います。


言うまでもなく、この予測は外れ、米中貿易戦争は今や報復合戦と化し、いつ終わるともしれません。

それについて、Yahoo!知恵袋でこのような「質問」をたてた投稿者もいます。
(個人的には某悪質投稿者の別IDだと思っていますけど)

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13196547748?__ysp=c2hwZml2ZQ%3D%3D


shpfive氏が
「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ち」
「どちらも形だけ、本気じゃない」
「トランプの中間選挙に向けて顔が立てば良い」
って言ってたのに、そうなってないじゃないですか。
彼の理論は、合ってるのでしょうか?

中国との貿易戦争が終われば、次は日本だとは思いますが。


私がYahoo!知恵袋で「米中貿易戦争」について回答したのは上に引用した一件のみですので、この
ara********氏なる人物の「質問文」には恣意的な「解釈」が入っているのは良識ある閲覧者の皆様にはお分かりいただけることと思います。

「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ち」

私はこのように回答しています。

あえて大胆な予測をたてますが、米中貿易戦争は、おそらく来月、つまり7月上旬にはいったん「停戦」という形で、おそらくは中国側が譲歩する形で決着がつきます。


いったん「停戦」と、「米中貿易戦争は長くても7月上旬で手打ちでは、全然意味が違います。

回答文をきちんと読めばわかると思いますけど、私自身は米中双方が「どちらも破局を望まないだろう」という理性的な判断をすることを前提に予測をたてています。

また米中の根本的な対立が解消するとも思っていません。

勿論、それであるにしても私自身が予測を外したのは確かではありますが、だからと言って発言を改竄されていいというものでもないでしょう。

なお、当該案件の質問者の方は理性的で良識をお持ちの方であると認識していますので、まず、間違いなく、このような意図的な曲解をするような下品な投稿者と同一人物ではないでしょう。

それに、この人物は

中国との貿易戦争が終われば、次は日本だとは思いますが。

などという寝言を言っていますが、米中の貿易戦争が、仮にアメリカの完全勝利で終わったとしても、その時点で両国の貿易戦争の余波により我が国も大打撃を受けた後に決まっています。

そもそも米中貿易戦争がアメリカと中国の二国間だけで完結するなどと思えるのだとしたら、少々物を知らなさすぎるように思います。

アメリカのトランプ政権は、既に中国のみならず、EUなども敵に回そうとしていますし、また当初はロシアに接近したものの、結果的には相手にされず、既にロシアも反米陣営の一方の旗手です。

世界はトランプ政権の思うように動いてはいないようです。

さて、それはともかく

私自身が上記の予測をたてたのは

2018/7/120:14:37返信分より


おそらくはアメリカ側も落としどころさえ決まれば、適当ななところで「大人の対応」をとるはず。

トランプ大統領にしたところで、まさか

世界大恐慌の引き金を引いた大統領とは言われたくないでしょうから。


というところにありました。

この予測が外れたということは

トランプ大統領は

最悪「世界大恐慌の引き金を引いた大統領」と呼ばれても構わないと判断しているか、さもなくば

そこまでの判断力を持ち合わせていないか

のどちらかとしか思えなくなります。

後者であるならトランプ大統領は「無能」のレッテルを貼られかねません。

まるで「スムート・ホーリー法」の再来を見るかのようです。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO32467790Q8A630C1EA2000


1930年代、恐慌に陥った米国は「スムート・ホーリー法」で2万品目の輸入関税を平均60%まで引き上げた。保護貿易で米製造業は瞬間的に回復したが、欧州などが一斉に報復関税を発動。米国の輸出は3年で半減した。米英独の失業率は一時20%を超え、第2次世界大戦の一因となった。

現在の世界貿易機関(WTO)体制はその反省から生まれたが、トランプ氏は脱退すらちらつかせる。自由主義経済を先導したG7も分断が鮮明だ。30年代の貿易戦争に比べ、足元の通商摩擦の規模はまだ小さい。ただ、戦後の世界経済は格段にグローバル化が進んでおり、国際貿易が滞れば各国に甚大な打撃を与えることになる。


ただでさえ世界経済における「2020年問題」が取り沙汰されている時に、こんなバカなことをするなら、その大きなしっぺ返しはアメリカ自身にも跳ね返ってくるでしょう。

トランプ大統領が上手な対応をすれば、弱味のある中国側も面子を失わない範囲での「大人の対応」が出来たはずですけど

この貿易戦争の過熱ぶりは、そんな可能性を潰しました。

このまま「米中貿易戦争」が過熱し、拗れていけば

世界経済全体に大きな悪影響が出ることも考えないといけないでしょう。

勿論、そうなったときに

我が国が無傷でいられるはずもありません。

そしてトランプ政権は世界の災厄となる可能性が大きくなったといわざるを得ません。

私はトランプ大統領が、そこまでバカだとは思えないんですけどね。


Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論(16) 三橋貴明氏に限りませんが、批判するなら相手の主張をキチンと理解してからじゃないんですか? その3

2018-09-27 21:49:22 | 政治・社会問題
さて、こちらの「質問」のベストアンサー氏の回答に引用されている『それでも日本経済が世界最強という真実』(WAC)を実際に読んでみました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345#


(主張①)は私が投稿したのです。

反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。


三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」


〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。

「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」


三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。

なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。

なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね。


確かに同書のP28に該当する記述はありました。

が、すぐ隣のP29に

だからいくら借金しても構わないとまでは言いませんが、「損」も「得」もない政府の負債残高を気にしても、あまり意味はないのです。


とも書いてあります。

おやおや、当の三橋氏は「いくら借金しても構わないとまでは言いません」と発言していますよ(笑)。

そしてP30にはこのように書いてあります。

日本銀行は物価調整のためにマネタリーベースの量を調節するのが仕事のひとつですが、たくさん通貨を発行したら、当然、マネーストックは拡大へ向かい、お金の量が増えた結果、物価は上昇していきます。
すなわちインフレーションです。
インフレが行き過ぎて国民生活に打撃を与えないよう、国債の買い取りを制限しているわけです。
ですから「そんなに政府の借金を返済したいなら、通貨をどんどん発行してばら撒けばいいじゃないか」ということを言うと、必ず「インフレになる! ハイパーインフレになったらどうするつもりなんだ」という反論が出てくるわけです。
いくらなんでも笑止千万な話です。


とした上で、P31で

とはいえ日銀が通貨を発行すると、多少なりともインフレに向かうのは間違いありません。しかし、それのどこが問題なのでしょうか。デフレで困っているのだから、むしろ大歓迎ではないですか。

と締めくくっています。

とすると三橋氏はひょっとして「日銀が通貨を発行することにより人為的にインフレに持っていこうとしている」のではないか?

という想像ができます。

が、残念ながらこの本にはそこまで書いてありませんので、他の三橋氏の発言を調べてみました。

https://38news.jp/economy/08091


というわけで、政府がインフレ率を引き上げたいのであれば、

(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
 という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。

 ところが、安倍政権は相変わらず財務省の呪縛から
逃れられておらず、国債発行を「抑制」しようとしています。
「お金」「インフレ」に関する社会的な誤解を解かなければ、
我が国がデフレから脱却する日は、遠のくばかりです。


要するに政策的にインフレ方向に持っていこうというのが三橋氏の考えであるのは間違いなさそうです。

繰り返しますが、前回の記事でも述べた通り、三橋氏はこのような発言をしています。
https://38news.jp/economy/11478


現在の日本が抱えている
問題の解決は、別に難しくないのです。

中央政府は、通貨発行権を持っています。

通貨発行権には二種類あり、

● 政府自ら政府紙幣・政府硬貨を発行する
● 政府が中央銀行に国債を買い取らせ、当座預金というおカネを発行させる

という二パターンになります。

ちなみに、日本政府は政府紙幣は
発行していませんが、政府硬貨は発行しています。

皆さんが使用している五百円玉、百円玉、
五十円玉、十円玉、五円玉、一円玉は政府硬貨です。

中央銀行が国債を買い取り、
おカネを発行すると、現金紙幣もしくは
日銀当座預金という「負債」が増えます。

それに対し、政府紙幣や政府硬貨の場合は
「誰の負債」にもなりません。

政府が発行した硬貨は、税外収入として
一般会計予算に組み込まれます。

すなわち、政府は誰の負債にも
ならない形で、おカネを発行できる存在なのでです。

あるいは、中央銀行におカネを発行させ、
国債を買い取らせることで、過去の自らの
負債を実質的に「弁済不要」にしてしまうことが可能なのです。

無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。

当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。

政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。

「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」

などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。

とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。

すなわち、インフレギャップです。

インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。

すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。

そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。



と発言しており、氏が「政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません」という見解をお持ちなのは明らかです。

ただ、今は極端なデフレであるからこそ、少々極端な政策、つまりインフレ方向に持っていくために

(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
 という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。

という方法論をとるべきだと主張しているということになるのでしょう。

で、ついでにいうと三橋氏は

そもそも政府は借金を返す必要がない
(『それでも日本経済が世界最強という真実』P26より)

と確かに主張してはいます。

が、それは

政府の借金は増えるのが世界の常識で、無理して減らそうとしている国はない。経済成長すれば自然に借金は減っていく


(中略)

もちろん、返済期限がやってきた借金は返さなければならないので返しますが、その代わり、繰り延べ(ロールオーバー)してまた借り直す。これを未来永劫、繰り返していけばいいだけのことです。借入金のロールオーバーは、政府だけに限らず企業でもごく当たり前にやっている日常業務です。

(同P26)

とあることでもわかるように、あくまでも企業でも通常に行っている「借入金のロールオーバー」を念頭においた発言であると読み取れます。
(だとするなら表現は適切ではないと思いますけど)

個人的には、確かに企業でも「借入金」の繰延は普通に行っていますが、それを「借金はチャラになる」あるいは「企業は借金を返す必要がない」などとは言わないように思いますけど、まあ、それはおきましょう。

以上のことから考えて、少なくとも私には三橋貴明氏が

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


などと主張しているなどという見解を支持することは到底出来ません。

なにより三橋氏は

無論、政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません。

と明言しています。

なお私自身は、この三橋貴明氏の主張を「全体として見たとき」、これを支持するものではありませんが、あえて批判的なコメントは基本的には入れていません。

それはお断りしておきます。

Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論(16) 三橋貴明氏に限りませんが、批判するなら相手の主張をキチンと理解してからじゃないんですか? その2 当の三橋貴明氏にご意見をうかがってみることにしました

2018-09-26 21:24:56 | 政治・社会問題
さて、こちらの「質問」のベストアンサーが決まりました。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345#


(主張①)は私が投稿したのです。

反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。


三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」


〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。

「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」


三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。

なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。

なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね。


→繰り返しますが、三橋氏の主張については私自身、決してこれを支持するものではありませんが、それでも氏の主張が質問者sk氏などがいう

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


なのだとすると、氏がネットで公開しているこの文章と整合性がとれないように思います。

https://38news.jp/economy/11478


現在の日本が抱えている
問題の解決は、別に難しくないのです。

中央政府は、通貨発行権を持っています。

通貨発行権には二種類あり、

● 政府自ら政府紙幣・政府硬貨を発行する
● 政府が中央銀行に国債を買い取らせ、当座預金というおカネを発行させる

という二パターンになります。

ちなみに、日本政府は政府紙幣は
発行していませんが、政府硬貨は発行しています。

皆さんが使用している五百円玉、百円玉、
五十円玉、十円玉、五円玉、一円玉は政府硬貨です。

中央銀行が国債を買い取り、
おカネを発行すると、現金紙幣もしくは
日銀当座預金という「負債」が増えます。

それに対し、政府紙幣や政府硬貨の場合は
「誰の負債」にもなりません。

政府が発行した硬貨は、税外収入として
一般会計予算に組み込まれます。

すなわち、政府は誰の負債にも
ならない形で、おカネを発行できる存在なのでです。

あるいは、中央銀行におカネを発行させ、
国債を買い取らせることで、過去の自らの
負債を実質的に「弁済不要」にしてしまうことが可能なのです。

無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。

当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。

政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。

「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」

などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。

とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。

すなわち、インフレギャップです。

インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。

すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。

そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。



さて、私には当の三橋貴明氏のこの主張を読んだ上で、それでも氏が

「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」


という見解であるとは信じられないように思いましたので、早速Amazonで1円で売っていましたので(笑)、ベストアンサー氏の引用している三橋貴明氏の『それでも日本経済が世界最強という真実』を実際に購入しました。

私は「Amazonで1円で売っているからという理由で、その本を読んでもいないのに、脳内で内容を想像だけで適当に決めつけ、それを元に批判するような趣味」はありませんので(笑)。


私自身は、こうした場合には原典をあたるのは基本的なことであると認識しています。

が、それが手元に届く前にベストアンサー決定で「質問」がクローズしてしまったこともあり

当の三橋貴明氏に、このYahoo!知恵袋に投稿された「質問」について、うかがってみることにしました。

以下が、その質問文です。

・・・・・・

拝啓 三橋貴明様

ネットの匿名投稿者shpfiveと申します。

先頃、Yahoo!知恵袋において、このような「質問」が投稿されました。

質問文

三橋貴明氏の見解について、

最近ブログで、以下のようなやり取りを目にしました。
(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。

(主張2)
→私自身は三橋氏の見解を支持するものではありませんけど、氏はそんな主張はしていませんよ。
少なくとも氏は「バランスシート」の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです。

私個人は主張1を支持している人間ですが、三橋貴明の説をよく知っている人に質問します。三橋の主張は1と2、どちらなのでしょうか?

ベストアンサー

(主張①)は私が投稿したのです。

反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。


三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」


〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。

「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」


三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。

なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。

なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね


→私自身は三橋様のご見解は

「小学生でもわかる話」より

>「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」

などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。

とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。

すなわち、インフレギャップです。

インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。

すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。

そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。

→というものであると認識しているのですけど。

なお、私自身は必ずしも三橋様のご主張を支持するものではありませんが

議論以前の問題として

このような「質問」について、当の三橋様がどのように思われるのかうかがってみたいと思いました。

もし、よろしければご感想などいただけると嬉しく思います。

それでは以上、よろしくお願いいたします。

・・・・・・

三橋貴明氏からお返事をいただけるかどうかわかりませんし、また、私自身このブログで氏の主張について批判的なコメントをしていますので、それに対する反論やお怒りの言葉などもいただくかもしれませんけど、それもまたよし。

議論以前の問題として

このYahoo!知恵袋で投稿されたような「他人を貶める目的でブロパガンダ的な質問」をすることの是非は問いたくなりました。

議論するならするで、少なくとも相手の主張を理解した上で、かつ一定の品性を持って発言すべきです。

ちなみに私自身は悪質投稿者たちについては、これは「議論であるとは思っていませんので、その前提で振る舞っています」

何しろ彼らは相手の主張など、頭から理解する気などないと判断していますので。

が、いわば巻き込まれたともいえる三橋貴明氏がどう思い、どのような判断をされるのか?

それは知りたいと思いました。

消費税が優れた税制だというなら、なぜ国税のあらゆる税目の中で、常にもっとも滞納が多いのでしょうか?

2018-09-24 21:13:17 | 政治・社会問題
ネットなどではよく、消費税について「優れた税制」であると主張する方を見かけます。

以前からそうした方に是非うかがってみたいと思っているのですけど(笑)

なぜ消費税は国税のあらゆる税目の中で常に滞納額がワーストワンなのでしょうか?


これは消費税について真面目に調べたことがある人であれば、皆知っていることです。

例えば国税庁のページより「平成28年度租税滞納状況について」を見てみましょう。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2017/sozei_taino/index.htm

これを見ても消費税(ちなみに地方消費税は除くとあります)の「平成28年度末滞納整理中のものの額」(次期繰越額)は3,100億円となっており、所得税4,111億円に次ぐ数字となっています。

が、実際問題として所得税は源泉所得税(1,437億円)と申告所得税(2,674億円)の合算であり、この二つは性格から考えても別々に考えるのが妥当でしょう。

かつ消費税には地方消費税が含まれていないことを考えると、やはり税目としての滞納額ワーストワンは消費税と考えていいと思います。

で、実はこれでも消費税の滞納額は大幅に改善されているんです。

なぜなら消費税の滞納額が社会問題にまでなったともいわれる1998年度には、他の税目の滞納額がおおよそ減少していたのに、消費税の滞納額は7,249億円、対前年度比34.4%も増加しました。

当時の『国税庁統計年報書』(1998年度版)によると件数ベースでは114万7667件で、申告件数の約49.78%、つまり約二件に一件が滞納に追い込まれていたわけです。

言うまでもないことですけど

http://anti-tax-increase.hatenablog.com/entry/2016/07/24/130216


消費税の滞納額は1996年から98年度、2013年から14年度へと税率が引き上げられた時期に増えており、増税の影響で消費税を納められない事業者が増加するのは明白

です。

滞納額が減少し始めたのは割合に最近のことであり、それでも

「消費税の滞納額も1998年から減少しているのでは?」と思うかもしれないが、国税全体に占める滞納額の割合は1990年度の11.1%から2014年度の55.7%まで増加している


状態でした。

これは一体どういうことなんでしょうか?

理屈で考えるなら「消費税は消費者が商品やサービスを購入するときに支払うものであり、消費税込みで提示された金額で私たちは物を買っているはずです。
(実はこれはウソなんですけど)

であるのに、これほどまでに滞納されているのはなぜなんでしょうか?

なお余談ですが、近年になり滞納が減少した大きな理由の一つは、『消費税のカラクリ』の著者斎籐貴男氏によると、国税庁が1998年度から消費税の徴収を優先する消費税シフトをしいたことによるのだそうです。
(同書P74)

さて、その答えは簡単です。

消費税は判例(例えば東京地裁1990年3月26日判決など)により、実質的には物価の一部であり消費者からの預り金などではないからです。
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/shouhi/060904/060904-1.html


なお、東京地裁1998年3月26日の判決文には

消費税法及び税制改革法には、消費者が納税義務者であることはおろか、事業者が消費者から徴収すべき具体的な税額、消費者から徴収しなかったことに対する事業者への制裁などについても全く定められていないから、消費税法等が事業者に徴収義務を、消費者に納税義務を課したものとは言えない。

(『判例時報』1344号より斎籐貴男氏が『消費税のカラクリ』P59~60に引用したものを再引用)

とあります。

これは事実関係、つまり事業者が消費者(正確には顧客)に対する商品やサービスの販売価格に消費税分を上乗せする時もあれば、しない時もあるということとも符合します。

私たち消費者(顧客)もまた、購入価格に消費税分を必ずしも支払わなければならないわけでもないんです。

少し正確ではないかもしれません。

消費税は価格に内包されている税であるということになっていますので、例えば事業者が100円のものを108円で売ろうが、110円で売ろうが、そして100円で売ろうが

徴収されるのは100円に対しての8%ですので、例えば100円で売った場合、事業者は8円の損を自ら承知で被ることになり、110円で売った場合は2円の追加利益になるわけです。

消費税は、現実に受け取ろうが、受け取るまいが、関係なく、受け取った事にされます。
(あくまでも話を単純化していますので、つまらない揚げ足とりはお断りします)

で、中小零細の事業者、例えば

企業から仕事を貰う立場のフリーランスの人たちが30万円の仕事を貰おうとしたら、そこからフリーランスの方がその30万円に消費税を上乗せした金額を請求することは極めて困難です。

というより、企業はそんな人に仕事を発注しません。

あなた「免税業者」でしょ

で、おしまい。

それでも不服なら、キッカリ30万円で請け負う他のフリーランスに仕事を発注すればいいだけの話です。

言うまでもなく、フリーランス、つまり個人事業者も仕入れには消費税を払っており、本来なら価格に上乗せしたいのですが、それは

あなた「免税業者」でしょ


と言われてしまうのが一般的です。

また、地方の街の商店主も事情は似たようなもの。

田舎に腕のいいパン職人の親父さんと、気立てのいい奥さんが経営している小さなバン屋さんがありました。

昔からのお客さんも少なからずいたのですが、近く、といっても10キロ以上離れたところですか大型店舗が進出し、安値で既製品のバンを一杯売り出します。

それでも景気のいいときなら「価格ではなく味とサービスで勝負するんだ!」と言えたのでしょうが、残念ながら価格では勝負になりませんし、消費税の上乗せしてお客さんに請求しようにも、現実的には出来ない状況です。

ここでも「だって免税業者」だからの声。

結果として、バン屋さんはじり貧となり店をたたむことになりました。

あえて言っておきましょう。

商品価格に消費税を上乗せできるのは、何らかの理由により価格の決定権を握っていることが可能な事業者だけです。

特に企業から仕事を貰う立場の中小零細、個人事業者、あるいは大型店舗との価格競争に苦しむ街の商店など、状況にもよりますが、ほとんどの場合そんなことは出来ないのが現実なんです。

ゆえに消費税の税率が上がれば上がるほど、これらの人たちの利益は削られることになり、とどのつまりは廃業ということになるわけです。

現在の消費税制度を見るかぎり、中小零細、あるいは個人事業者の負担を重くした訳ですから、それ以前の時代から比べて起業を困難にし、かつ起業しても早々に潰れる大きな要因となったといわざるを得ないでしょう。

今どき、脱サラで商売を始めるのは自殺行為とまでいわれるようになりました。

こうして、かつての中流層だった中小零細、あるいは個人事業者の没落がはじまり、それは今も進行しているわけです。

結局、消費税は中小零細、個人事業者の商売の足枷の錘を重くした訳ですから、廃業せざるを得なくなる環境を作り、起業を困難にし、早く潰れる大きな要因となりました

さて、これでも消費税制度はこんなに素晴らしいということなのでしょうか?


Yahoo!知恵袋で見かけたトンデモ議論(16) 三橋貴明氏に限りませんが、批判するなら相手の主張をキチンと理解してからじゃないんですか?

2018-09-21 21:20:46 | 政治・社会問題
最初にお断りしておきますが、私自身はネットで一定の人気のある三橋貴明氏の「経済理論」について、これを支持するものではありません。

が、悪質投稿者が性懲りもなくこんな質問をたてたので
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345


三橋貴明氏の見解について、

最近ブログで、以下のようなやり取りを目にしました。
(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。

(主張2)
→私自身は三橋氏の見解を支持するものではありませんけど、氏はそんな主張はしていませんよ。
少なくとも氏は「バランスシート」の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです。

私個人は主張1を支持している人間ですが、三橋貴明の説をよく知っている人に質問します。三橋の主張は1と2、どちらなのでしょうか?


アホらしいとも思いましたけど

この件に付いて
先生の主張は三橋氏の主張と同じですよ。


などというをついている回答者もいますし
(私は三橋氏のいうバランスシート論など主張したことは過去一度もない、あるというならソースを明示せよ!)

いずれにしろ、悪意によるデマを放置するわけにもいきませんので、一応コメントくらいはしておこうと思います。

まず三橋氏の主張の少なくとも核心部分は

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


ではあり得ません。

まあ、私としても三橋氏の膨大な著書群をくまなく目を通したわけでもないのですけど、それでも氏の主張の核心部分は氏が言うところの「バランスシート」にあることくらいはわかります。

仮にどこかで通貨の発行権に言及したとしても、それは何かのついでのようなものでしょう。

論より証拠、当の三橋氏のブログから引用してみましょう。
https://38news.jp/economy/07328


 いわゆる国の借金というプロパガンダ用語ではなく、「政府の負債」として認識することは、極めて重要です。何しろ、「政府」の負債であるため、借りているのは「政府」であることが誰にでも分かります。

 ところが「国の借金」と呼ばれてしまうと、我々国民はあたかも「債務者」が自分達であるかのごとく誤解してしまいます。しかも、「政府の負債」を人口で割り、「国民一人当たり826万円の借金」などと報じらるわけですから、猶更です。

 実際におカネを借りているのは、政府であり、国民ではありません。国民はむしろ、おカネの貸し手、つまりは債権者なのです。

(中略)

 図の通り、日本国債の主な所有者は国内の金融機関です。とはいえ、例えば預金取扱機関(銀行など)は、別に自前のおカネを政府に貸しているわけではありません。

 銀行は、我々の「債権」である銀行預金を、政府にまた貸ししているわけです。すなわち、政府の負債の「債権者」が日本国民になります。

 しかも、政府の子会社である日本銀行が量的緩和政策で国債を大量に買い取っているため、政府の実質的な負債が現在、猛烈な勢いで減っていっています。


念のため、こちらも見てみましょう。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12150894147?__ysp=55%2Bl5oG16KKLIOS4ieapi%2BiytOaYjiDjg5Djg6njg7Pjgrnjgrfjg7zjg4g%3D


以下は三橋貴明さんの著書「何があっても日本経済は破綻しない!」の記述になります。

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よくある財政破綻論を論破しておこう。
現在1000兆円の借金がある日本政府が、あと100兆円増やしたら、国債を引き受けている家計の金融資産とのバランスを失し、国内で国債を調達できなくなる、金利も上昇する、というロジックだ。

それに対する答えは2つある。
まず、政府が100兆円の国債で調達し、財政支出したとしよう。
その大半は国内の企業に支払われる。
そしてさらにその発注先に支払われていき、やがて誰かの給料になっていくわけだ。
つまり、「国が100兆円借りて使えば、最終的には家計の資産は同じだけ増えてしまう」のである。

そして、家計は失業や給料減少の恐怖から、ほとんど消費せずに、せっせと預貯金に回す。
銀行は民間の資金需要がないため、仕方なく国債を購入する。
デフレ下の日本では、この動きが延々繰り返されてきただけなのだ。
いつの日か、家計の金融資産残高を国の借金が超えるなどということは起こりえない。p97
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要約すると、

①「政府が国債で調達した資金は、そのまま国民の資産になる」
②「国民の資産は、貯蓄に回され、貯蓄は銀行に貯まる」
③「銀行は国債を購入する、このサイクルが繰り返されているだけで、財政破綻は起こりえない」

こちらの質問者の方による要約(太字にしました)は的を射ていると思いますけど、要するに三橋貴明氏の主張の核心部分というのは「政府の借金が増えても、金融機関を通じて、そのお金を貸しているのは日本国民である」というところにあります。

で、三橋氏言うところの「バランスシート」というのは、要するに日本国家としての「貸借対照表」ということになり、この貸借のバランスが崩れない限りは、日本国の破綻はないというものです。

つまり、三橋氏が日本国はギリシャなどと違って「円建て」だから破綻しないというのは大雑把にいうと「日本国は外国からの借金が原則としてなく、日本国政府にお金を貸しているのは、ほぼ日本国民であり、その貸借のバランスがとれているから破綻はしない」という意味になるわけです。

言い替えると、例えば国債の総額が日本国家のバランスシート上の資産を超えた場合には、三橋氏の理論は成り立たなくなります。

もっとも理屈の上では、日本国が経常収支黒字国(貯蓄過剰国)である限り、国内に資金が滞留するので、例え日本国政府の借金が9000兆円くらいに膨れ上がっても現在のような世界最大の対外純資産がある限り、資産側にまた9000兆円以上の資産があるということにはなります。
(私自身がそう思っているわけではないので、念のため)

要はバランスシート上の貸借の左右は同じになるはずということです。

実際はもう少し複雑なようですけど、三橋理論を分かりやすくいうとそういうことなんでしょう。

で、これは実は大きな論理の穴があります。

まあ、引用した知恵袋の過去質問におけるベストアンサー

国全体をバランスシートで見るやり方で、国が借金すれば、その貸主の国民側の資産が増える、だから心配いらないというもの。これは全く間違ってて、貸し手側の資産は「現預金」から「貸付金あるいは投資有価証券」と言う科目に替わるだけで総額は増えません。国の借金分だけ全体的にはマイナスになります。国の借金分が巡り巡って家計に戻ったとしても、タイムラグはバカにできません。1年程度の短期で家計に戻ったとしても、常に40-50兆円ものマイナスが国全体で発生してしまいます。三橋理論は「国の中での貸し借りはいくらしても構わない」という極論ですが、であれば消費金融や住宅ローンの悲劇など発生しないはずだし、あっても無視できることになります。
家計側でも資産を現預金で持つか貸付や国債で持つかは消費行動に大きく影響します。少なくともおカネが返ってくるまでは家を買ったり車を買ったりはできないでしょう。日本の内需の低迷は家計が理論的には膨大な資産を持っているように見えて、実は自由になるカネが余りないからです。三橋の言っていることは経理屋さんの小賢しい屁理屈です。とても国政レベルの経済理論ではない。
日本は、国民の高い貯蓄性と国に対する経済的信認が高いことで、政府があれだけの巨額の借金を抱えながらこれまでは偶々うまくいってきたにすぎないと思います。個人主義丸出しのアルゼンチンやイタリアのような国民性だったらとっくに破たんしていたでしょう。
逆に言えば、日本は国民の貯蓄と国債残高の差が余りない国の筆頭になっています。一方で国民の税善負担率も先進国ではアメリカに次いで低い国です。つまり今後の財政問題は国債の発行に拠ることではなく、税負担と言う形で国民に降りかかってくるはずです。


も、それなりに参考にはなりますけど

実は、三橋氏が「日本国家のバランスシート」として挙げているものには、何を隠そう「損益計算書」に当たるものがありません。

もし、この三橋氏による「バランスシート」なるものが貸借対照表に当たるものだとするなら、一般的には企業会計原則・一般原則に従って作成される財務諸表と同様のものでなければいけないはずなのですが、どうも、そうした原則には基づかない、ただの「財産目録」に過ぎないように思われます。

少なくともバランスシートを名乗るなら、バランスシート(貸借対照表)と一体の関係にある損益計算書に当たるものがないのは致命的です。

そして、三橋氏のいう「バランスシート」なるものが、実際は「財産目録」でしかないなら「時価評価額」と、それを行うための前提条件が必要になります。

まあ、もっと致命的なことをいうと、国民の私有財産を「日本国家の財産目録」に入れている時点で、もうアウトだと思いますけど。

結論としていうなら三橋貴明氏の「バランスシート論」は、少なくとも私にとっては到底支持できるものではありませんが

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


もし三橋氏が本当にそのような主張をしてるのだとしたら、氏の説の根幹を自ら否定することになるのも間違いありません。

三橋氏の論からいけば、少なくとも日本国政府は、日本国民に対して「借金を返済し続けなければいけない」はずですから。

でないと

氏いうところの「バランスシート」そのものが成り立たなくなります。

追記

相変わらずデマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者たちがつまらない揚げ足とりをしています。

そのやり取りを見ているだけでも、この人たちの人間性の下劣さが非常によく伝わってきますが(笑)

こんなことを言っています。

先生は『三橋氏は少なくとも氏は「バランスシート」の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです。』とご自身の見解を記述しています。

私は「バランスシートの範囲」ってなんじゃ?と思った訳でして
BSて対照表ですから範囲は無いですよね?
借入が増えると現預金が増えて貸借が合います。
それだけのこと


ええと、これは私が

三橋貴明氏いうところの「バランスシート論」の範囲を超えてまで

と言わなければいけなかったということなのでしょうか(笑)?

どうやら、この人たちの脳内では、私はバランスシートそのものに範囲があると主張していることにされてしまったようです。

しかも私は、三橋氏のいう日本国のバランスシートなるものが、その実「財産目録」に過ぎないと言っているんですけどね。

こういうのを揚げ足とりというのだと思いますけど、まあ、いいでしょう。

いずれにしろ、三橋氏の主張が

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


ではないのは間違いないところでしょう。

それは三橋氏のいう「バランスシート論」と矛盾します。

そもそも私はこの話は経済学者(と呼ばれる)丹羽春喜氏あたりの主張と混同しているんじゃないかと思っているんですけどね。
http://keizaikakumei.hatenablog.com/entry/2017/11/04/163139


どちらかというと、この人の方が

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


という話にはピッタリだと思うんですけどね。

それより、この人たちは「何のために消費税の増税」が必要だと思っているんでしょうか?

ネットで特定投稿者に対するデマや誹謗中傷を楽しむために「消費税の増税」の必要性を唱えているのでしょうか(笑)?

私にはそう見えますけどね。

どのみち、今のまま消費税の増税を繰り返しても、今まで通り日本国は新興衰退国への道をばく進するだけですよ。

その未来は、おそらく惨めな後進国と化したアジアの病人。

それは過去の実績により、もう答えが出ている話です。

この人たちはそうなってほしいんでしょうか?

まあ、ネットでデマや誹謗中傷を楽しむのが目的の人たちには言っても無駄だと思いますので(笑)

私は心ある閲覧者の皆様にご判断いただくだけです。


追記2

他の方による記事ですけど、ある意味、三橋貴明氏の本音がよくわかると思いますので、小黒一正氏らとの対談を紹介させていただきます。
(都合により文字色は変更してあります)

http://megu777.blogspot.com/2011/11/blog-post.html?m=1

(開始16分)三橋貴明

「日本は経常収支黒字国、対外純資産国」
「日本国家のB/Sの負債が増えても、その分、民間の金融資産が増える」
「過剰貯蓄で、銀行は国債で運用するしかない」
「いい加減、数字ベースで話をすべき」
(注)・・・笑
「どうやって財政破綻するんだ!」
(注)・・・笑

(注)あまりにも滑稽なので、思わず笑ってしまいました(笑)



(開始19分)小黒一正

「三橋さん、さっきの国の金融資産のグラフ、わざと出されていると思うんですけど、個人の金融資産の金額は90年代後半から殆ど変わっていません」
「さっき、三橋さんは数字を見てくれといいましたが、政府の債務は急速に膨張していて、一方で家計の金融資産は、ほとんど変動していない。それが本当の数字です」
「政府と企業の違いは課税権の有無。しかし、政府といえども民間部門への課税には限界がある(経常黒字の全てに政府は課税できない)」

(注)あまりにも滑稽なので、ここでも思わず笑ってしまいました(笑)
時価評価を度外視したB/Sを持ち出しているのなら、粉飾決算ですねw
この経営コンサルタント(笑)は、粉飾された財務諸表を片手にコンサルティングを行うことに抵抗がないのかな???
それから、通常、企業の経営状態を見るなら、B/S(貸借対照表)と共にP/L(損益計算書)や資金繰表等を見るべきですが、そういう発想もなさそうです。
顧問先の会社、大丈夫かなぁ???




(開始20分)三橋貴明

「通貨発行権はどうなんですか?インフレ税なので、日銀が買い取ればいい」

(注)本音は、要するにインフレ税だろうが、所得税だろうが、資産税だろうが、とにかく国民の個人資産を政府はパクればいいそうです。

(引用ここまで)

ただ、ここで注目したいこと

三橋氏は打出の小槌のように無尽蔵に紙幣が生み出せるなどとは言っていません。

むしろ

「日本の海洋資源等を担保にしつつ、貨幣を発行するとよい」


など、貨幣発行には担保が必要であることを認識していることを裏付けるような発言さえしています。

まあ、インフレにより国民の財産が目減りしてもかまわないとなら言っていますけど。