Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

ハイアールについて

2017-05-31 07:20:26 | 国際情勢
中国の家電製品の品質向上というのは随分前からの話なのに

未だに「中国の家電製品は不良が多い」という俗論を見かけるときがありますのでコメントしておきます。

そもそも家電専門誌「技術営業LEADERS」の調査による、白物家電全体の故障率は2.8%です。
http://xn--cckd2ksepd.com/

>多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、シャープや日立などの国産メーカー・ハイアールに代表されるアジア系メーカーを問わず総括的に見て、100台に3台は何かしらの不良や故障が発生しているのです。

この数字から明らかな様に国産の有名メーカーでも「100%壊れない製品」を製造することは不可能で、機械故に一定数は壊れるのです。

問題は平均値3%に対して、ハイアール家電が壊れやすいのか?という点です。

結論から言えば、ハッキリと統計に表れる程の違いはありません。
国内だけで見ても年間の白物家電出荷台数は600万台にのぼり、3%と言えど18万台が該当します。

→我が国の家電製品は、もはや中国と比べて、特に品質面でリードしているわけではなくなってきているんです。

むしろクレームに対する迅速な対応などは、逆に我が国のメーカーの方こそ見習うところがありそうです。

ハイアールという企業名は、まだまだ私たち日本人には馴染みの薄いものですが

そんなハイアールグループの創業者である張瑞敏氏は、山東省莱州市の労働者階級に生まれ、両親は地元の縫製工場で働いていたという文字通りのプロレタリアートの出身者です。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E7%91%9E%E6%95%8F

「これまで品質管理を徹底してこなかったから、こんなにも多くの不良品を作ってしまった。その責任は私にある。だから、私の給料をカットする。だが、今後、不良品が出たら、それは君たちの責任だ。さあ、このハンマーで(欠陥のある)冷蔵庫を叩き壊すんだ!」

→張瑞敏氏の発言です。

そんな張氏は創業当初、日本企業の経営を徹底して学んだとされ、中でも松下幸之助氏に関する著作はほぼすべてに目を通しているのだそうです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140314/261132/?ST=smart

が、張氏が「今のパナソニック」に学ぶところがあると思っているかというと

これは大いに疑問です。

近年の張氏はドラッカーの著書などをもとに組織改革を推進しているとも聞きます。

むしろ私たち日本人の方こそ

松下幸之助氏のような過去の偉人のことを思い出す必要があると思うのは、私だけでしょうか?

松下幸之助氏から学んだ張氏と

松下幸之助氏の残した精神を忘れつつある私たち日本人

この差を考える必要があると思います。

天皇陛下に刑事裁判権、民事裁判権は無いが、民事責任までは否定されない

2017-05-31 06:24:50 | 日本国憲法
簡単に言うと「民事責任はあるが民事裁判権は及ばない」というのは、

「民事責任がない」

となると、天皇陛下には一切の支払義務は生じない、という事になってしまうからです。

例えば天皇陛下が、宝飾品や高級食器を購入されたとしても、販売業者の側は、「民事責任のない」相手に対しては、一切の代金請求をできません。

要するに天皇陛下との間での「売買契約」が成立しなくなります。

現実問題として、それでは困るわけです。

さて、天皇陛下の「民事責任」について、憲法学会の通説では、「天皇は民事責任を負う」とされているものの、最高裁判所による判例は

「天皇には民事裁判権は及ばない」

となっています。

昭和天皇がご病気のとき、多くの自治体で病気平癒を願う記帳所が設置されたのがきっかけで、千葉県でも知事の判断によって記帳所が設置されたのですが

「このようなことに税金を使うのはいけない」

という苦情が裁判所に持ち込まれたかと思うと、いきなり住民が

「天皇は千葉県に出費をさせて、その公金を不当に得ているわけであるから、記帳所の設置に使われた公金を返還するべきであり、千葉県に代わって天皇から不当利得を取り戻す」

という理屈で、裁判を起こしたのです。

以下は、最高裁判所による平成元年11月20日の判決です。

「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である」

この判決には多くの批判がありましたが、とりあえず、こう考えてみてください。

仮に天皇陛下が民事裁判で敗訴するようなことがあれば、裁判官が陛下に賠償金の支払いを命じることになります。

一裁判官が天皇に支払いを命じるということは、憲法第一条の象徴規定の趣旨を否定する事になります。

具体的に言うと、天皇陛下の民事裁判権を認め、結果的に陛下が膨大金額の賠償をしなくていけなくなった場合

債権者は皇室の御物、例えば皇室が収蔵する美術品や、宮中三殿、さらには三種の神器でさえも、皇室財産である以上、これを差し押さえることが出来てしまいます。

特に、三種の神器は天皇が天皇たるあかしであり、これを裁判所が差し押さえる、という状況は、日本国の象徴たる天皇の存在理由を、裁判所が否定する事となってしまいます。

結局、象徴の否定は「日本国憲法」それ自体を否定する事にもなるわけです。

である以上、はじめから「天皇陛下の民事裁判権」を認めるべきではありません。

天皇には刑事裁判権?民事裁判権は無いが民事責任までは否定されない

というのは、そういう意味です。

夏王朝実在説について

2017-05-29 23:29:59 | 国際情勢
夏王朝について、その実在は既に中国では歴史的事実としてとらえられています。

例えば中国の中学校歴史教科書では、夏王朝について、原始社会から奴隷制社会に移行に伴って紀元前21世紀に成立した中国史上最初の世襲制王朝である、と定義しているそうです。
http://www.y-history.net/appendix/wh0203-014.html

>その最初の王都の陽城の位置は不明であるが、最近の発掘によって河南省登封県の城跡が有力とし、夏の後期の宮殿跡が河南省の二里頭遺跡であるとしている。
<『世界の教科書シリーズ5中国中学校歴史教科書・中国の歴史入門』小島晋治/並木頼寿監訳 明石書房 p.76 右図も同書より>

→実際、中国河南省偃師市の二里頭村で1959年に発見され、1960年には規模の大きな宮殿の基壇の存在も確認されている二里頭遺跡についての研究も進んでおり、その存在が殷(商)の建国(二里岡文化)よりも先行していたということ、及び殷(商)が、この二里頭を中心とする文化集団を征服し、その文化を継承したことなどは、現在では研究者の一致した見解とされています。

私自身も、おそらくはこの二里頭で発展した文化集団が後世から「夏王朝」と呼ばれる存在だったのだろうと思っていますし

近い将来は中国のみならず、我が国を含む他国の歴史教科書の記述も「夏王朝実在」という方向性で書かれるようになるのではないか?

と予想しています。

が、残念ながらこの二里頭遺跡から「文字」の出土資料が未だ発見されていません。

二里頭遺跡に存在した文化集団がどのようなものだったのか?

それが、本当に史書に書かれた夏王朝に当たるものなのか?

まだまだ解明されていない事が多く

それが「夏王朝実在」を歴史的事実と位置付けるのに、今一つ躊躇わせるものがあるように感じられます。

夏王朝に「文字」、「記録」が存在したのか?

今後の研究進展を期待したいところです。

ドイツの「戦後賠償」について

2017-05-28 20:45:04 | 国際情勢
ドイツの戦後国家賠償に対する賛美に関しての質問です。日本は各種侵略戦争時代の戦後補償や賠償問題を取り上げられるとき、よく「ドイツを見習え」という論法がなされますが、その詳細は我が国ではあまり知られていないように思います。

①ドイツはなぜ、ホロコーストやユダヤ人問題で国家補償や賠償をしたんでしょうか?その背景ってどういうものだったんでしょうか?

きっかけは「ポツダム協定」にさかのぼります。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%A0%E5%8D%94%E5%AE%9A

>・ソ連および西側連合国(米・英・仏などを含む連合国)は、その占領地域から賠償を徴収する。ソ連の徴収分からポーランドへの賠償は充当される。
・西側連合国はその占領地域からソ連に対して賠償を配分しなければならない。ドイツの平時経済に不必要であると判定された工業設備・資材の10%は無償で、15%は物資との交換でソ連に引き渡される。
・賠償徴収は2年以内に行われなければならない
・ソ連は西側占領地域、西側連合国は東欧とソ連の占領地域、オーストリアにおける資本の請求権を相互に放棄する。
・ソ連は西側連合軍が押収したドイツの金資産等に対して関与しない。

→これによりドイツは「連合国に対する賠償」を行うことが「正式決定」されています。

とは言え、1949年に、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)と、東ドイツ(ドイツ民主共和国)が成立た事でし、正当な継承国が決定されない状況下のため賠償問題の解決は統一後まで一時棚上げされています。

さて西ドイツの戦後の経済復興は同時に賠償請求にまつわる議論を呼び起こし、また1948年5月にイスラエルが独立宣言をしたこともあり、1952年9月10日にイスラエルと西ドイツの間で、「ナチスの権力掌握後に発生したユダヤ人被害者」に対する補償を行う条約を締結しています。

同日にはユダヤ人対独物的請求会議とハーグ議定書を調印し、個人的請求についての合意を行いました。

こちら、ご参考までに
http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/2297/17883/1/AN00044830-43-3-89.pdf

一応言っておくと西ドイツによる賠償はユダヤ人問題に限らず、賠償・補償請求は被害者の国籍国によって行われるものであり、個人請求は国内制定法によって定められたものに限られています。

これは個人は国際法に基づく請求の権利を持たず、また国内制定法の制定は「あくまで道徳的な義務の遂行であり、法的義務ではないという見解」によるものです。

実際に西ドイツは国際法違反を理由とした個人請求を退けていますし、この見解はドイツ統一後でも踏襲されています。

たとえば東欧諸国に在住する「強制労働」の被害者に対する補償責任を、現在でもドイツは認めていませんし、これは当時のドイツ軍が徴収した「慰安婦」に対しても同様です。
(どっかの国だと大騒ぎになりそうですが…)

1990年9月12日のドイツ最終規定条約により、ドイツの戦争状態は正式に終了しましたが、この条約には賠償については言及されていません。
なので統一後のドイツ連邦共和国はドイツの戦後問題が最終的に解決されたとしており、法的な立場からの賠償を認めていません。

現在行っている補償等は、あくまでも道義的な立場としてのものです。

②ドイツ以外に、戦勝国や敗戦国が国交や平和条約後に、戦争の国家賠償や国家個人補償をした例はあるでしょうか?あればその背景や内容に関して教えてください。

イタリアがリビア、エチオピアに対して行っています。
http://www.asyura2.com/08/kokusai2/msg/607.html

そのイタリアも、今回のリビアにおけるクーデターに一枚かんでいるようですが。

個人的にドイツも見習うとしたら国家の方針を毅然と持ち、可能な限り自国の不利にならないよう努め、やむを得ない場合には自国の「誠意」を極力アピールする、という姿勢ではないか、などと考えています。

ナイ教授「トランプの北朝鮮政策、言ったことをそのままやるとは限らない」

2017-05-27 06:26:27 | 国際情勢
ダイヤモンド・オンライン 5/25(木) 6:00配信

以下はYahoo!ニュースより
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170525-00129316-diamond-int

>ジョセフ・ナイ教授は、カーター政権、クリントン政権で要職を歴任したアメリカを代表する国際政治学者だ。彼が提唱した「ソフト・パワー」という概念は、アメリカの外交政策に大きな影響を与えてきた。ナイ教授は今、トランプ大統領の外交政策をどのように見ているのか。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵、インタビューは2017年4月17日、於ハーバードケネディスクール)

 佐藤 トランプ大統領の就任から3ヵ月が経ちました。ナイ教授はハーバードケネディスクールで「アメリカの外交政策におけるリーダーシップと倫理」という授業を教えていますが、今日までのトランプ大統領の外交政策をどのように評価しますか。

 ナイ まだ1期目が始まったばかりですから、政策そのものを評価するには早すぎると思います。ただ過去3ヵ月の政策については失望することばかりです。アメリカは「ハード・パワー」(他国へ影響を及ぼす軍事力や経済力)と「ソフト・パワー」(文化、政治的価値観、外交政策などを通じて他国からの共感を得る力)の両方を生かすことによって世界のリーダー国となってきたわけですが、トランプ大統領が「ソフト・パワー」についてきちんと理解しているとは思えません。

 トランプ大統領は、大統領に就任してまもなく、イスラム教徒が大多数を占める中東・アフリカ6ヵ国からの入国を一時禁止する大統領令に署名しました。これは、この6ヵ国の人々だけではなく、すべてのイスラム教徒を敵にまわす行為です。この入国禁止令は世界におけるアメリカのリーダーシップを揺るがすばかりか、アメリカ人としての倫理にも反するものです。アメリカは伝統的に信仰や宗教によって人を差別しないことを国是としてきた国だからです。

 これまでの90日間を見る限り、トランプ大統領の外交政策はうまくいっていないというのが私の印象です。ただ、公平を期すために申し上げておきたいのですが、どの大統領も最初の100日間は非常に苦労します。例えば、ジョン・F・ケネディは、大統領に就任して100日も経たないとき、キューバへの侵攻作戦を実行して失敗しています(ピッグス湾事件=1961年4月、米国がカストロ政権の転覆を狙ってキューバに侵攻した事件)。ところがケネディはこの失敗から多くを学び、その後、様々な外交政策を成功させていきました。トランプ大統領が、これまでの失策から学び、それを今後生かしていってくれるのかはまだわかりません。

● 実はオバマ政権と大きく違わない トランプ政権の対北朝鮮政策

 佐藤 トランプ大統領の外交・軍事政策を見ていると、「オバマ前大統領とは違うことをやってみせる」ということを内外にアピールするために、あえて強硬路線をとっているような印象をうけます。これまでの北朝鮮に対する政策をどのように評価しますか。

 ナイ トランプ大統領の対北朝鮮政策は、オバマ前大統領の政策と比べてもそれほど違いがないように思います。トランプ大統領は「中国を通じて北朝鮮に圧力をかける」と繰り返し述べていますが、これはオバマ政権の戦略を踏襲しているものです。またニューヨークタイムズ紙によれば、「トランプ大統領は、オバマ政権のときに始まったミサイル発射妨害工作(サイバー攻撃によって発射前に妨害すること)をそのまま受け継いだ」そうです。

 トランプ大統領は、口先では北朝鮮に対して攻撃的な姿勢を見せていますが、その強硬路線がそのまま政策に反映されるとは言い切れないと思います。

 佐藤 オバマ前大統領が北朝鮮に対して強硬な外交政策をとったのはどんなときでしょうか

 ナイ 2010年に韓国哨戒艦沈没事件(韓国海軍哨戒艦「天安(チョナン)」号が北朝鮮の小型潜水艇から発射された魚雷によって黄海で沈没した事件)が起きた際、オバマ前大統領は北朝鮮に対して非常に強硬な態度をとりました。北朝鮮からどれだけ抗議されようが、米韓合同軍事演習を実施し続けたのです。

 佐藤 トランプ大統領の就任後、北朝鮮はミサイルの発射実験を何度も強行しています。アメリカは今、北朝鮮に対してどのような戦略で臨むべきだと思いますか。

 ナイ 今はとにかく事態を静観すべきときだと思います。トランプ大統領は中国に圧力をかけ続けています。この政策が成果を上げられるかどうか、まずは見守ることでしょう。

 佐藤 北朝鮮情勢を受けて、韓国では核武装論が高まっているそうですが、日本でも「核抑止力を持つべき」と唱える人が出てきています。ナイ教授は日本の核武装についてどのように考えていますか。

 ナイ 日本が核武装したからといって、日本の安全がより保障されるとは限りません。少なくとも北朝鮮に対する抑止力にはならないと思います。逆に近隣諸国、特に中国を脅かすこととなり、そうなると日本の安全性は今よりも揺らぐこととなるでしょう。北朝鮮に対する最善の抑止策は、アメリカと日本、米軍と自衛隊が緊密に連携しあうことです。米日同盟に勝る抑止力はないと思います

 佐藤 大統領選挙の期間中、ナイ教授は「ドナルド・トランプ氏が大統領になれば、アメリカは孤立主義に陥る危険性がある」と懸念されていました。今も同じような懸念をお持ちでしょうか。

 ナイ トランプ大統領の実際の政策を見ていると、彼は孤立主義者でも、単独行動主義者でもないなと感じています。孤立主義というのは「世界のどの国とも同盟を結ばない」という意味ですから。確かにトランプ大統領は就任演説で「アメリカ・ファースト」を強調しました。ところが就任後、彼は立場を変え「米日同盟、米韓同盟を強化するべきだ」と言っています。選挙演説で彼は「NATOは時代遅れだ」と批判していましたが、4月12日には「NATOはもはや時代遅れではない」と考えを変えています。つまり、口先で言っていることと実際にやっていることが違うのです。「獰猛に吠える犬ほど、かみつかない」のと同じではないでしょうか。

 佐藤 つまり選挙に当選するために言っていた過激な公約を、少しずつ「調整」しつつあるということですね。

 ナイ そうだと思います。選挙中にはかなり過激なことを言っていましたが、この90日間を見ていると、言っていたことをそのまま政策としては実行しているわけではないことがよくわかります。

(引用ここまで)

→ジョセフ・ナイ教授といえばアメリカ合衆国の国際政治学者として知られ、アメリカ民主党政権でしばしば政府高官を務め、「日米同盟」の堅持を主張する、知日派としても知られる人物です。

個人的にはナイ教授の発言の妥当性よりも、自身の思惑、政治的立ち位置などによる「トランプ政権に対する否定的な評価」の方が気になりましたが、ここでは発言の内容を見てもらうことで閲覧者の皆様のご判断を仰ごうと思いました。