さて、こちらの「質問」のベストアンサー氏の回答に引用されている『それでも日本経済が世界最強という真実』(WAC)を実際に読んでみました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345#
(主張①)は私が投稿したのです。
反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。
三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」
↓
〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。
「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」
↑
三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。
なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。
なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね。
確かに同書のP28に該当する記述はありました。
が、すぐ隣のP29に
だからいくら借金しても構わないとまでは言いませんが、「損」も「得」もない政府の負債残高を気にしても、あまり意味はないのです。
とも書いてあります。
おやおや、当の三橋氏は「いくら借金しても構わないとまでは言いません」と発言していますよ(笑)。
そしてP30にはこのように書いてあります。
日本銀行は物価調整のためにマネタリーベースの量を調節するのが仕事のひとつですが、たくさん通貨を発行したら、当然、マネーストックは拡大へ向かい、お金の量が増えた結果、物価は上昇していきます。
すなわちインフレーションです。
インフレが行き過ぎて国民生活に打撃を与えないよう、国債の買い取りを制限しているわけです。
ですから「そんなに政府の借金を返済したいなら、通貨をどんどん発行してばら撒けばいいじゃないか」ということを言うと、必ず「インフレになる! ハイパーインフレになったらどうするつもりなんだ」という反論が出てくるわけです。
いくらなんでも笑止千万な話です。
とした上で、P31で
とはいえ日銀が通貨を発行すると、多少なりともインフレに向かうのは間違いありません。しかし、それのどこが問題なのでしょうか。デフレで困っているのだから、むしろ大歓迎ではないですか。
と締めくくっています。
とすると三橋氏はひょっとして「日銀が通貨を発行することにより人為的にインフレに持っていこうとしている」のではないか?
という想像ができます。
が、残念ながらこの本にはそこまで書いてありませんので、他の三橋氏の発言を調べてみました。
https://38news.jp/economy/08091
というわけで、政府がインフレ率を引き上げたいのであれば、
(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。
ところが、安倍政権は相変わらず財務省の呪縛から
逃れられておらず、国債発行を「抑制」しようとしています。
「お金」「インフレ」に関する社会的な誤解を解かなければ、
我が国がデフレから脱却する日は、遠のくばかりです。
要するに政策的にインフレ方向に持っていこうというのが三橋氏の考えであるのは間違いなさそうです。
繰り返しますが、前回の記事でも述べた通り、三橋氏はこのような発言をしています。
https://38news.jp/economy/11478
現在の日本が抱えている
問題の解決は、別に難しくないのです。
中央政府は、通貨発行権を持っています。
通貨発行権には二種類あり、
● 政府自ら政府紙幣・政府硬貨を発行する
● 政府が中央銀行に国債を買い取らせ、当座預金というおカネを発行させる
という二パターンになります。
ちなみに、日本政府は政府紙幣は
発行していませんが、政府硬貨は発行しています。
皆さんが使用している五百円玉、百円玉、
五十円玉、十円玉、五円玉、一円玉は政府硬貨です。
中央銀行が国債を買い取り、
おカネを発行すると、現金紙幣もしくは
日銀当座預金という「負債」が増えます。
それに対し、政府紙幣や政府硬貨の場合は
「誰の負債」にもなりません。
政府が発行した硬貨は、税外収入として
一般会計予算に組み込まれます。
すなわち、政府は誰の負債にも
ならない形で、おカネを発行できる存在なのでです。
あるいは、中央銀行におカネを発行させ、
国債を買い取らせることで、過去の自らの
負債を実質的に「弁済不要」にしてしまうことが可能なのです。
無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。
当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。
政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。
「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」
などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。
とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。
すなわち、インフレギャップです。
インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。
すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。
そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。
と発言しており、氏が「政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません」という見解をお持ちなのは明らかです。
ただ、今は極端なデフレであるからこそ、少々極端な政策、つまりインフレ方向に持っていくために
(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。
という方法論をとるべきだと主張しているということになるのでしょう。
で、ついでにいうと三橋氏は
そもそも政府は借金を返す必要がない
(『それでも日本経済が世界最強という真実』P26より)
と確かに主張してはいます。
が、それは
政府の借金は増えるのが世界の常識で、無理して減らそうとしている国はない。経済成長すれば自然に借金は減っていく
(中略)
もちろん、返済期限がやってきた借金は返さなければならないので返しますが、その代わり、繰り延べ(ロールオーバー)してまた借り直す。これを未来永劫、繰り返していけばいいだけのことです。借入金のロールオーバーは、政府だけに限らず企業でもごく当たり前にやっている日常業務です。
(同P26)
とあることでもわかるように、あくまでも企業でも通常に行っている「借入金のロールオーバー」を念頭においた発言であると読み取れます。
(だとするなら表現は適切ではないと思いますけど)
個人的には、確かに企業でも「借入金」の繰延は普通に行っていますが、それを「借金はチャラになる」あるいは「企業は借金を返す必要がない」などとは言わないように思いますけど、まあ、それはおきましょう。
以上のことから考えて、少なくとも私には三橋貴明氏が
(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。
などと主張しているなどという見解を支持することは到底出来ません。
なにより三橋氏は
無論、政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません。
と明言しています。
なお私自身は、この三橋貴明氏の主張を「全体として見たとき」、これを支持するものではありませんが、あえて批判的なコメントは基本的には入れていません。
それはお断りしておきます。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345#
(主張①)は私が投稿したのです。
反論する人がいますので、再反論させてください。
(主張①)は三橋が著書ではっきり述べています。
三橋貴明著
「それでも日本経済が世界最強という真実」
↓
〇そもそも政府は借金を返す必要がない。
〇日本銀行が国債を買い取れば借金はチャラになる。
「日本の政府はすぐに借金を帳消しにできる「奥の手」があります。
いざとなったらお札を刷って渡せばいい、ということです。
1万円札1枚の印刷コストは約19円ですが、日銀当座預金を使えばお札を刷る必要もありません。
口座の数字をチャチャといじるだけでいくらでも通貨が発行できてしまいます。」
↑
三橋はこのように書いています。
私の主張がウソでないことがわかっていただけたでしょうか。
なおこのような三橋説はかなり浸透していて、知恵袋に出没する「打ち出の小槌論者」の主張とほぼ同じと言っていいでしょう。
彼らは、おそらく三橋説に影響されているものと思われます。
なお三橋説はあまりにも荒唐無稽で突っ込みどころ満載ですが、また機会があれば紹介したいですね。
確かに同書のP28に該当する記述はありました。
が、すぐ隣のP29に
だからいくら借金しても構わないとまでは言いませんが、「損」も「得」もない政府の負債残高を気にしても、あまり意味はないのです。
とも書いてあります。
おやおや、当の三橋氏は「いくら借金しても構わないとまでは言いません」と発言していますよ(笑)。
そしてP30にはこのように書いてあります。
日本銀行は物価調整のためにマネタリーベースの量を調節するのが仕事のひとつですが、たくさん通貨を発行したら、当然、マネーストックは拡大へ向かい、お金の量が増えた結果、物価は上昇していきます。
すなわちインフレーションです。
インフレが行き過ぎて国民生活に打撃を与えないよう、国債の買い取りを制限しているわけです。
ですから「そんなに政府の借金を返済したいなら、通貨をどんどん発行してばら撒けばいいじゃないか」ということを言うと、必ず「インフレになる! ハイパーインフレになったらどうするつもりなんだ」という反論が出てくるわけです。
いくらなんでも笑止千万な話です。
とした上で、P31で
とはいえ日銀が通貨を発行すると、多少なりともインフレに向かうのは間違いありません。しかし、それのどこが問題なのでしょうか。デフレで困っているのだから、むしろ大歓迎ではないですか。
と締めくくっています。
とすると三橋氏はひょっとして「日銀が通貨を発行することにより人為的にインフレに持っていこうとしている」のではないか?
という想像ができます。
が、残念ながらこの本にはそこまで書いてありませんので、他の三橋氏の発言を調べてみました。
https://38news.jp/economy/08091
というわけで、政府がインフレ率を引き上げたいのであれば、
(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。
ところが、安倍政権は相変わらず財務省の呪縛から
逃れられておらず、国債発行を「抑制」しようとしています。
「お金」「インフレ」に関する社会的な誤解を解かなければ、
我が国がデフレから脱却する日は、遠のくばかりです。
要するに政策的にインフレ方向に持っていこうというのが三橋氏の考えであるのは間違いなさそうです。
繰り返しますが、前回の記事でも述べた通り、三橋氏はこのような発言をしています。
https://38news.jp/economy/11478
現在の日本が抱えている
問題の解決は、別に難しくないのです。
中央政府は、通貨発行権を持っています。
通貨発行権には二種類あり、
● 政府自ら政府紙幣・政府硬貨を発行する
● 政府が中央銀行に国債を買い取らせ、当座預金というおカネを発行させる
という二パターンになります。
ちなみに、日本政府は政府紙幣は
発行していませんが、政府硬貨は発行しています。
皆さんが使用している五百円玉、百円玉、
五十円玉、十円玉、五円玉、一円玉は政府硬貨です。
中央銀行が国債を買い取り、
おカネを発行すると、現金紙幣もしくは
日銀当座預金という「負債」が増えます。
それに対し、政府紙幣や政府硬貨の場合は
「誰の負債」にもなりません。
政府が発行した硬貨は、税外収入として
一般会計予算に組み込まれます。
すなわち、政府は誰の負債にも
ならない形で、おカネを発行できる存在なのでです。
あるいは、中央銀行におカネを発行させ、
国債を買い取らせることで、過去の自らの
負債を実質的に「弁済不要」にしてしまうことが可能なのです。
無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。
当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。
政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。
「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」
などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。
とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。
すなわち、インフレギャップです。
インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。
すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。
そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。
と発言しており、氏が「政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません」という見解をお持ちなのは明らかです。
ただ、今は極端なデフレであるからこそ、少々極端な政策、つまりインフレ方向に持っていくために
(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう
という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。
という方法論をとるべきだと主張しているということになるのでしょう。
で、ついでにいうと三橋氏は
そもそも政府は借金を返す必要がない
(『それでも日本経済が世界最強という真実』P26より)
と確かに主張してはいます。
が、それは
政府の借金は増えるのが世界の常識で、無理して減らそうとしている国はない。経済成長すれば自然に借金は減っていく
(中略)
もちろん、返済期限がやってきた借金は返さなければならないので返しますが、その代わり、繰り延べ(ロールオーバー)してまた借り直す。これを未来永劫、繰り返していけばいいだけのことです。借入金のロールオーバーは、政府だけに限らず企業でもごく当たり前にやっている日常業務です。
(同P26)
とあることでもわかるように、あくまでも企業でも通常に行っている「借入金のロールオーバー」を念頭においた発言であると読み取れます。
(だとするなら表現は適切ではないと思いますけど)
個人的には、確かに企業でも「借入金」の繰延は普通に行っていますが、それを「借金はチャラになる」あるいは「企業は借金を返す必要がない」などとは言わないように思いますけど、まあ、それはおきましょう。
以上のことから考えて、少なくとも私には三橋貴明氏が
(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。
などと主張しているなどという見解を支持することは到底出来ません。
なにより三橋氏は
無論、政府が無制限におカネを発行できるという話ではありません。
と明言しています。
なお私自身は、この三橋貴明氏の主張を「全体として見たとき」、これを支持するものではありませんが、あえて批判的なコメントは基本的には入れていません。
それはお断りしておきます。